今までこのEL34PPmonoの低音が出ない件で沢山の事を試し、学んできた。ここでようやく問題が解決したと思う。今までも解決した、と言いつつ実はそうではなかった。
大きい処では、
初段6SL7の動作点の変更、カソードパスコンの追加
電源の変更:チョーク・コンデンサの追加変更
入力トランスの変更:巻き線比を変えたのはTF-3の時。他はずっと600Ω:20kΩでやってた。
か。他にも細かいことは色々やったが、今は省略。
今日、思い切って、入力トランスを替えた。理由は600Ω:20kΩでは低音がカットされるのではないか。もうやるだけやったのでこれしか思いつかない。これでダメだったらこのアンプと過ごしてきた10年は、無駄だったのか?軽いめまいを覚える。
まずは、低音が出ないのは、A-8713の特性かどうかを確認するため、NP-126を600Ω:20kΩで繋いで音出ししてみた。
周波数的にはそっくりだ。違いといえば音色。こちらはぬめっとした滑らかさが乗る。A-8713は無個性で、キリッという感じに鳴る。
次に、6SL7のグリッド抵抗値を変える。これは最初に組んだTF-3の時の回路図を確認したら、TF-3が直で付いてるのでグリッド抵抗は300Ωか。300Ωでは低すぎ(現在の定数と離れすぎだし、6SL7のグリッド抵抗の最大定格は100kΩ)と思い、せめて1kΩになるよう計算をして、600Ωというグリッド抵抗値を繋ぐことにした。結構いいところを突いたと思ったが、トランス二次のターミネート抵抗を換えたのと同じ変化だった。しかも音量(ゲイン?)が小さくなってヴォリュームのつまみをぐいっと上げなければならなくなった。失敗。
そしてとうとう見つけた。入力トランスを600Ω:10kΩにしたらどうか。
まず、NP-126の周波数特性が有ったはずだ。
600Ω:20kΩでは600Ω:10kΩより低域が落ちている。これが音に影響出るか。試してみる。
でた。
これだ。トランスを通すと周波数特性が悪くなる、というのは耳にしていた。しかし聴いてわかるものではない、とも。
トランスで増幅するとエネルギー保存則からいって減衰する物が有るはずだ。それが周波数特性だ。低音がなくなる。それが耳で分かるほどに。身をもって実感した次第。
なぜこのような設計を、ラジ技誌もライター(I氏)はしたのか?
ズン、という地響きのような低音はHiFiではないと考える人ではなかったのでは?
これはラジ技誌に遊びに行ったり、紙面で使っていたのは10cmほどのフルレンジだったことが挙げられる。確かにリアルな音を出すが、周波数的には私には物足りない。
そしてI氏がやっていた、回転シェルとスピーカーころ。私も実験したが、いずれも低音が減った。低音の解像度は上がったかもしれないが、周波数的に上寄りになった物足りないバランスとなった。
トランスについて勉強しようと思ったが、資料が無く諦めていたところだったが、思わぬところで学習できた。
あとは入力トランスを探すだけだ。600Ω:10kΩではもう少し低音が欲しいので、600Ω:5kΩではなんてトランスを探すか。出来ればタムラで揃えたい。
自分的には凄いことになった一日だ。
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