昨日の夕方に、保健所からCOVID-19の患者さんの入院依頼があった。
先週の土曜日に地域の基幹病院(呼吸器内科)に入院していた肺炎の64歳女性が新型コロナPCR検査で陽性と判明したという。先方のコロナ病棟が満床なので、当院の感染病棟に入院させてほしいということだった。
5月8日(土)に受診して、胸部CTで両側肺野にすりガラス陰影が多発していた。コロナの抗原検査は陰性で、COVID-19疑似患者として一般病棟の個室に入院した。5月10日(月)にPCR検査を行っているが、土日は抗原検査だけでPCR検査はしていないのだろうか?。
肺炎で酸素吸入(2L/分)が開始されていた。60歳代なので、重症化すれば人工呼吸器管理になる。保健所では県庁所在地にある病院に移したかった。県のコロナ本部では、当院の感染病棟が1床空いていたので、地域内で完結するようにと当院入院を指示した。
後で思ったが、基幹病院に入院している酸素吸入を要さないコロナの患者さん(おそらく全介助の高齢者)をこちらで引き取って、その患者さんをコロナ病棟に移してもらった方がよかった。
胸部CTで両側肺野に新型コロナに特徴的な(教科書的な)すりガラス陰影が多発していた。酸素吸入2L/分で飽和度は95%程度だった。
経過は5月1日に咳で発症して、3~4日に発熱があったが、その後は解熱したらしい。8日に入院した時にも発熱があったといっていたが、翌日にはなかった。当院に来たのは、発症10日目になる。
診療情報提供書に、8日と10日の検査結果が記載されていて、CRPが5弱から2弱に低下して、LDHの若干低下している。ピークは過ぎているようだ。
当院に入院したのは午後7時を過ぎていた。治療方針を相談しようと先方の病院に電話したが、すでに帰ったらしい。今日改めて電話で相談した。
アビガンを1日分だけ持たされていたが(先方ではまだ内服していない)、内服しなくてもいいです、という。デキサメサゾンについても、(自然経過で)軽快しているので投与しなくてもいいのでは、だった。
数日経過をみて、悪化する時にデキサメサゾン投与を開始することにした。