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なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

転院してきたCOVID-19

2021年05月11日 | Weblog

 昨日の夕方に、保健所からCOVID-19の患者さんの入院依頼があった。

 先週の土曜日に地域の基幹病院(呼吸器内科)に入院していた肺炎の64歳女性が新型コロナPCR検査で陽性と判明したという。先方のコロナ病棟が満床なので、当院の感染病棟に入院させてほしいということだった。

 5月8日(土)に受診して、胸部CTで両側肺野にすりガラス陰影が多発していた。コロナの抗原検査は陰性で、COVID-19疑似患者として一般病棟の個室に入院した。5月10日(月)にPCR検査を行っているが、土日は抗原検査だけでPCR検査はしていないのだろうか?。

 肺炎で酸素吸入(2L/分)が開始されていた。60歳代なので、重症化すれば人工呼吸器管理になる。保健所では県庁所在地にある病院に移したかった。県のコロナ本部では、当院の感染病棟が1床空いていたので、地域内で完結するようにと当院入院を指示した。

 後で思ったが、基幹病院に入院している酸素吸入を要さないコロナの患者さん(おそらく全介助の高齢者)をこちらで引き取って、その患者さんをコロナ病棟に移してもらった方がよかった。

 胸部CTで両側肺野に新型コロナに特徴的な(教科書的な)すりガラス陰影が多発していた。酸素吸入2L/分で飽和度は95%程度だった。

 経過は5月1日に咳で発症して、3~4日に発熱があったが、その後は解熱したらしい。8日に入院した時にも発熱があったといっていたが、翌日にはなかった。当院に来たのは、発症10日目になる。

 診療情報提供書に、8日と10日の検査結果が記載されていて、CRPが5弱から2弱に低下して、LDHの若干低下している。ピークは過ぎているようだ。

 当院に入院したのは午後7時を過ぎていた。治療方針を相談しようと先方の病院に電話したが、すでに帰ったらしい。今日改めて電話で相談した。

 アビガンを1日分だけ持たされていたが(先方ではまだ内服していない)、内服しなくてもいいです、という。デキサメサゾンについても、(自然経過で)軽快しているので投与しなくてもいいのでは、だった。

 数日経過をみて、悪化する時にデキサメサゾン投与を開始することにした。

 

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超高齢者の急性胆嚢炎

2021年05月10日 | Weblog

 土曜日の夜間に1名入院して、日曜日の昼にその患者さんを診にきていたが、日曜日は午後に2名入院して、さらに夜間に2名入院した。

 日中に入院したうちの1名は93歳女性で、数日前からの右季肋部痛の悪化と発熱で受診していた。日直の外科医(大学病院から)が診察して検査を行った結果、胆嚢結石・急性胆嚢炎と診断された。

 造影CTで、胆嚢はかなり腫脹している。胆嚢内の結石があった。総胆管も拡張して内部に結石が疑われた。炎症反応が上昇していたのおは当然として、何故か肝機能検査は正常域だった。

 年齢と状態から外科手術は難しそうだ。家族に、保存的な治療(抗菌薬投与)まででよければ当院で治療するが、もし外科手術まで希望する時は高次病院に紹介するので、そちらの先生と相談してほしいと伝えた。(多分保存的に経過をみるよう言われるだろう)

 保存的治療でいいというので、当院入院とした。急性胆嚢炎は本来外科だが、現在外科はほぼ一人で診療している。手術の適応がなければ内科で診ることにした。

 今日外科医から、この患者さんは外科で診るよ、と言われた。当院外科は手術は基本的にできなくなっていて、治療は保存的治療までになる。

 現在地域包括ケア病棟に入院している同じく93歳女性は、同様に胆嚢結石・急性胆嚢炎で入院した。外科手術は適応なしと判断され、内科の若い先生が診ていた(4月から他院に移った自治医科大学義務年限の先生)。

 最初ゾシンで開始して1~2週間発熱が続いた。ダメもとでメロペネムに変更して軽快していた(ほとんどカバー域が違わないと思うが)。

 今回はどうなるか。

 

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原因不明の熱

2021年05月09日 | Weblog

 今週末は内科の当番になっている。金曜日の当直は外部の病院の先生で、救急要請を何でも受ける方だが、入院はなかった。

 土日は大学病院外科の先生が丸2日間、一人で日当直に入っていた(高いパソコンが買えるくらい稼いで帰る)。土曜日の夜間に66歳女性が発熱と倦怠感で受診した。

 水曜日から後頚部痛があり、首がまわらなくなったそうだ。症状が続くので、金曜日に高コレステロール血症で通院している内科クリニックを受診した。内容はわかなないが肩に筋注されて、セレコキシブ内服が処方された。

 治療の効果か、土曜日には後頚部痛は軽快していた。金曜日から軽度の嘔気と倦怠感があったが、土曜日に倦怠感が強くなり、微熱(37.2~37.8℃)もあった。

 当院救急外来に連絡して受診した時には38℃以上の高熱になっていた。悪寒・戦慄は感じなかったようだ。白血球12000・CRP17.1と炎症反応の上昇を認めた。脂肪肝と思われる軽度肝機能障害もあった。肺炎、尿路感染症は否定的だった(胆道感染でもない)。

 検査結果が出たところで、連絡がきた。発熱原不明で、トロポニンIを測定したところ460と高値なのが気になる、という。心不全症状はなく、心電図は洞性頻脈だけだが、Ⅱ誘導でSTがわずかに上昇して見える。

 心疾患が気になる、と言われても当院には循環器科はない。地域の基幹病院に紹介して診てもらって、現時点で問題なければ当院で入院治療はどうでしょうかと伝えた。入院の時は血液培養2セットと尿培養を提出して、セフトリアキソンで開始を勧めた。

 基幹病院では外来で診てくれて、結論としては何らかの感染症に伴う二次的なものとされた。患者さんは当院に戻って入院となった。

 今日は病院に来て患者さんを診察したが、やはり感染源は不明だった。頸部~腹部CTで確認しても、肺炎・尿路系の異常・胆道系の異常はなく、頸部に石灰化の所見もなかった(頸椎偽痛風・石灰化頸長筋腱炎)。

 首は前後・左右に動かしても疼痛はなかった。当直医は単なる寝違えとしていたが、そうなのか。培養結果を待って経過をみるsかないようだ。

 

 

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口の中から血が出る

2021年05月08日 | Weblog

 6日木曜日の当直は外科医だった。翌金曜日の午前0時過ぎに、79歳女性が救急外来を受診してきた。

 「口の中から血が出る」という訴えだった。今月の連休中から血が出るようになって(もっと以前から?)、6日の日中に市内の耳鼻咽喉科クリニックを受診していた。

 右扁桃に潰瘍を伴う腫瘤を認めて、中咽頭癌あるいは扁桃癌疑いとされたそうだ。翌週の10日にがんセンターの耳鼻咽喉科(頭頚部外科)外来を受診するよう予約をとっていた。

 発熱はなかった。飲食はできるようだ。当直の外科医も困ったと思うが、血液検査で輸血を要するような貧血はなく(Hb11.1g/dl)、動脈性出血もないので、そのまま経過をみてもらうことにしていた(実際止血処置もできない)。

 

 口腔内の癌はあまり経験がない。動脈性出血はもちろん、出血し続けている静脈性出血(oozing)でも処置はできない。時間外(土日祝日)だったら診てもらえるのは大学病院の耳鼻咽喉科(か口腔外科)しかない。点滴を入れて、救急搬送することになるのだろう。

 以前舌癌の90歳代女性がいて、何度か入院していたが、昨年亡くなっている。

 

 昨日は病状の思わしくない新型コロナの患者さんの2家族が来院した。感染病棟は1ベット空いているが、保健所から入院依頼はなぜか来なかった(高齢者施設で新規患者が発生している)。

 

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一般病棟に出られたが

2021年05月07日 | Weblog

 1か月前に91歳女性が新型コロナウイルス感染症で入院した。低酸素になって酸素吸入を開始したが、数日で10L/分になった。

 家族には病状が厳しいと伝えていた。面会はリモートで画面で病室にいる患者さんを見るだけだった。できるだけ顔に寄せて見えるようにしたが、リザーバー付きの酸素マスクをしているの、見たような気になるくらいだろう。

 その後、何とか持ちこたえていて、酸素吸入5~6L/分になっていた。炎症反応は軽減したが、コロナ重症の指標はなかなか下がらない。

 末梢静脈からの点滴が難しくなって、当院としては初めて感染病棟内で中心静脈カテーテル挿入を行った。もともと心不全でフロセミド40mg/日を内服していた。心不全の悪化も考えられ、フロセミド静注を継続していた。

 発症4週間弱になって、日数的にはコロナ陰性になっているとはずだった。一般病棟に転棟する前にとPCR検査を行ったが、これは陽性と出た。死んだウイルスの遺伝子を拾ったものだろうか。さらに1週間経過してPCR検査を行うと、今度は陰性と出た。

 結局入院1か月以上経過したところで、一般病棟へ転棟とした。ストレッチャーに乗せたので、そのままCT検査を行った。感染病棟内で胸部X線ポータブルを繰り返していたが、両肺が白いとしか読めなかった。

 胸部CTでは両側肺野にすりガラス陰影が広がり、線維化したような線状・索状影もあった。放射線科の読影レポートはARDSとされた。

 まだステロイドは継続していて、ステロイドを増量すべきか、利尿をかけるか迷った(末梢の浮腫はない)。今日大学病院の感染症科の先生が外来診察に来ていたので相談した。

 ステロイドは現状維持にして、もっと利尿をかけることになり、フロセミド注に追加してカルペリチド(ハンプ)点滴静注を追加することになった。

 

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ワクチン接種後の感染

2021年05月06日 | Weblog

 昨日(5月5日)新型コロナウイルス感染症の86歳女性が入院した。隣市にある施設に入所している方だった。その施設ではクラスターが発生して、当院に2名入院していて、地域の基幹病院にも2名が入院していた。

 4月に新型コロナワクチンの1回目を受けていた。2回目を受ける前に発症したことになる。4月30日から発熱が続き、5月1日に施設を運営している病院でコロナの抗原検査を行って陽性と出ていた(保健所は新型コロナと確定していた)。

 入院時に38℃の発熱はあったが、食事はとれていて、会話も可能だった(認知症あり)。発症(実際はもう数日前か)6日目で酸素飽和度が95%(室内気)だったので、1日経過をみることにした。

 検査では炎症反応が白血球1700(リンパ球33.0%)・CRP2.8で、重症化の指標はLDH296・Dダイマー1.7・血清フェリチン281と軽度上昇にとどまっていた。胸部CTでは両側、特に左肺に胸膜下から広がるすりガラス陰影を認めた。

 今日で発症7日目(以上)になる。38℃の発熱が続き、酸素飽和度が92%(室内気)になったので、デキサメサゾンを開始することにした。

 

 忽那先生のYahooニュースに、ワクチン接種後の感染の記事が載っていた。

 ・ワクチンの予防効果は100%でないので接種しても新型コロナを発症することはあるが、mRNAワクチンは発症リスクを95%、重症化を94%減らす。(ワクチン接種後の感染=ブレイクスルー感染)

 ・ワクチン接種者は発症してもウイルス量が少なくなるため、感染が広がりにくい。

 ・ワクチン接種後の感染は、変異株で起こりやすい。2回のワクチン接種を完了していても感染対策は引き続き行う必要がある。

 

 今回の患者さんはコロナワクチン1回だけなので、どのくらい当てはまるのだろうか。県内のコロナ患者発生数は減少している。昨日は保健所の依頼で17名の検査を行ったが、4名陽性で陽性率が高かった。発熱のある70歳代の夫婦は二人とも陽性だった。

 

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ヘルニア・腸閉塞・肺炎

2021年05月05日 | Weblog

 昨日の午後7時過ぎに、93歳男性が発熱と嘔吐で救急搬入された。

 血液検査で炎症反応の上昇があり、画像で右肺炎と腸管の拡張を認めた。日当直だった外科医(大学病院からバイト)が対応して、肺炎として内科入院にしていた。

 今日は、保健所依頼の新型コロナPCR検査と新型コロナの入院対応で病院に出てきていた。昨日の内科当番だった、内科の若い先生と会った。

 昨日の入院した患者さんはCT画像で、左鼠経ヘルニアを認めて、それによる腸閉塞の可能性があるという。日直で消化器科医が出ているので相談していた。

 ヘルニア門は嵌頓するほどでもないので、整復できないだろうかと思った。消化器科医が診察に行ったところ、ヘルニアの膨隆は消失していて、CTを取り直すと、ヘルニア嵌頓は軽快していた。

 とりあえずは手術できる病院に緊急搬送することはなくなった。明日外科医に相談するそうだ。(今年度から当院は外科手術はできなくなった)

 

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宮沢孝幸先生の本

2021年05月04日 | Weblog

 「京大おどろきのウイルス学講義」宮沢孝幸・著(PHP新書)を読んでいた。著者の宮沢先生はテレビの「そこまで言って委員会NP」に出演されていて、顔が落語家の立川志らくさんに似ている。

 番組で、ご本人は「コロナのことはあまり書いていない、(読むと)最後はもやっとする」と言っていたが、ベストセラーになっていた。

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は世界中に広がって、新興ウイルス感染症として認知された。だが、実際は毎年2~3個のペースで新興ウイルス感染症が発生している。新型コロナのようなウイルスがまた出てくる可能性がある。

 昔は地球上のある地域でヒト新興ウイルス感染症が発生しても、その限られた地域で広がって終わりだった(アフリカのあるが謎のウイルスで全滅など)。現在は、都市化・交通の発達(・戦争)によって世界中に広がりやすくなった。

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は、コウモリ(キクガラシコウモリ)の体内で組み換えが起こってヒトに感染するウイルスになった。または、他の動物に2種類のコウモリ由来のコロナウイルスが感染して組み換えを起こした。

 つまりキクガラシコウモリの中か他の動物の中で、SARS-CoVとSARS-CoVと似たようなウイルスが共感染して、遺伝子の組み換えが起こった。組み替えられた新しいウイルスは、ヒトの細胞にも相性の良い遺伝子配列になって、世界中に拡がった。

 風邪コロナウイルスのNL63は13世紀頃(鎌倉時代)に発生したので、人類は鎌倉時代から「ウィズコロナ」にだった。動物由来の新たなコロナウイルスがヒトで流行する可能性もある。人間は動物とともに生きていく以上、常に(過去も未来も)「ウィズコロナ」になる。

 新型コロナウイルスには、イギリス型・南アフリカ型・ブラジル型・フィリピン型(・インド型)などの変異株があり、スパイク蛋白の一部のアミノ酸が変わることによって、感染力や拡散力が増した。

 新型コロナウイルスは生き残るために、ランダムにいろいろな部分の配列を入れ替えている。ランダムに変化させていったら、ある部分を変化させたときに、ヒトへの感染力や増殖力が増して生き残りやすくなった。

 宮沢先生は畜産獣医学科出身でもともとは獣医さんだ(臨床はしていないだろうからウイルス学者だが)。医師が知っているのはヒトに病原性をもつウイルスをちょっと知っているだけだ。動物に感染するウイルスはほとんど知らない。獣医さんの方がウイルス全般について詳しいのだった。

 一般の人でもわかるようにやさしく記載している。最前線の学者さんで、ここまでわかりやすく説明出来るというのも才能だと思う。

 

京大 おどろきのウイルス学講義 (PHP新書)

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線維筋痛症

2021年05月03日 | Weblog

 先週、地域医療連携室の職員が線維筋痛症の患者さんの紹介状を持ってきた。一度外来に来てもらった方がいいでしょうか、という。

 紹介してきたのは、県庁所在地の総合病院に勤務する内科の先生で、以前当院に勤務していたことがある。

 

 患者さんは40歳女性で、7年前に全身の痛み・頭痛・慢性疲労で発症した。県内の医療機関を複数受診した後に、東京の専門クリニックを受診していた。そこで線維筋痛症fibromyalia syndrome(FMS)と診断された。

 クリニックのホームページを見ると、その分野で有名な先生方が名を連ねている。線維筋痛症を専門とするクリニックがあるのだった。

 定期的にクリニックに通院していたが、コロナの問題もあり、最近は勤務先の当市内にある整形外科クリニックから処方してもらっていた。(患者さんは看護師さんらしい)

 しかし痛みが時にひどくなり、勤務先のクリニックや近所の内科医院で治療を希望した。どちらでも適切な治療薬がないということで、内科医院で今回紹介してきた病院に回したのだった。

 東京のクリニックよりは近いが、そちらの病院まで行くのも1時間はかかる(手続きもあるから治療まで2時間はかかるか)。それで痛みが強くなった時に当院で点滴静注をしてほしいという内容だった。

 ただ点滴してほしいというのが、アセリオ600mg(1バック1000mgのうち6/10を使用)というのが、不思議な気がした。

 アセトアミノフェン600mgなので、内服薬のカロナール(200mg)3錠相当になる。アセトアミノフェンは内服してもほぼ100%吸収されるので、点滴静注に比べれば効くまで30分かかるが、効果は同じはずだ。

 当院を受診しても点滴静注するまで1時間弱はかかるだろう。カロナール(200㎎)3錠を疼痛時屯用として、自分で内服した方が早いのではないだろうか。

 

 今回の紹介で、疑問に思ったのは2点。

 1)アセリオ1000mg点滴静注バックは、開業医が使いやすい薬剤であり、常備してもいいのではないか。(実際他のクリニックでは使用している)

 2)痛みがひどい時の治療としてはそんなに特別な治療ではない。内服でもいいくらいなのではないか。ということは、その痛みの程度はそれほどのものではない?。ふだん内服しているトラムセット(トラマドール+アセトアミノフェン)の方が強いわけだから。

 先週来た癌性疼痛の患者さんはアセトアミノフェンを処方されていたが、痛みが強くなり、トラマドールを追加されて軽快していた。これは弱い薬から強い薬(中等度)にレベルを上げて効いたので理解できる。

 ただ線維筋痛症の患者さんに対して、それは心理的な影響が強いのではというのは禁忌なので、言い方は難しい。患者さんは来週受診してくるが、どうしようか。

 

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カンジダ血症

2021年05月02日 | Weblog

 2週間前に地域の基幹病院呼吸器内科から81歳男性が転院していた。右膿胸治療後で胸腔ドレーンはすでに抜去されていた。

 食事摂取が進まず、しばらく入院継続が必要だった。新型コロナの入院治療が忙しく、内科の若い先生に担当をお願いしていた。

 右内頚静脈からCVカテーテルが挿入されていた。嚥下訓練は嚥下調整食3を昼のみ半分くらい摂取するくらいで、点滴は継続されていた。

 先週発熱があり、血液培養2セットからカンジダが検出されて、カテーテル関連血流感染が疑われた。CVカテーテルが抜去されて、カテーテル先端の培養からもカンジダが検出された。

 抗真菌薬のミカファンギンが開始された。末梢静脈からの点滴が困難で、右大腿静脈からカテーテルが再挿となった。

 当院ではカンジダとまでしか同定できないので、種別確定のため外注検査に提出した。アルビカンス・クルーセイ・グラブラータ・パラプシローシスなどはミカファンギンで治療できるが、グリエルマンディだと耐性も多い。

 カンジダ血症が起きると、眼内炎・骨髄炎・敗血症性血栓性静脈炎・感染性心内膜炎などの合併症の検索を要する。

 最近は病院規模の縮小に伴い、患者数・医師数も減少して、血液培養の提出数が減少している(半減くらい)。血液培養陽性の症例が出ることは好ましくないが、AST会議のためには貴重な症例となる。

 

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