なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

施設からコロナの患者さん2名

2021年05月01日 | Weblog

 昨日(4月30日)、施設(グループホーム)に入所している新型コロナの患者さん2名が感染病棟に入院した。

 その施設は隣の市内にある私的病院が運営している。市内でコロナの小規模なクラスターが発生していたが、施設職員が感染して、施設入所者に広がったようだ。

 前日にコロナに罹患した施設入所者1名が、当地域の基幹病院の感染病棟に入院していた。そちらは届け出ているベットが満床になった。当院もこの2名が入院すると届け出ベットは満床になる。

 連休中も入院を保健所依頼のPCR検査やコロナの入院を引き受けていた。逆に満床になると、新規入院の受け入れに対応する病院職員(事務、検査など)はしっかり休みになってしまうのだった。

 

 入院したうちの一人は94歳の女性だった。4月半ばから右上腕の痛みで、運営している病院を受診して、抗菌薬の処方を受けていた。また右膝関節の腫脹・発赤・疼痛と発熱もあったが、その後解熱していた。

 4月29日から38.5℃の発熱があった。コロナの抗原検査で陽性と判明した。(PCR検査で確認しようかとも思ったが、すでにコロナとして届け出ていた)酸素飽和度の低下はない。

 検査では白血球11500・CRP27.8と著明に炎症反応が上昇していた。LDHは174と正常域だが、Dダイマー5.6・血清フェリチン538と上昇していた。この炎症反応は、逆にコロナらしくない。

 胸部CTは左肺野にすりガラス陰影というか、浸潤影というか確定しがたい陰影を認めた。これはコロナの陰影?。

 左上腕のまだらな発赤・腫脹・疼痛があり、見た目は蜂窩織炎だった。膝関節を含めて、明らかな関節炎の所見はなかった。

 まず前腕の蜂窩織炎と細菌性肺炎(疑い)に対して、抗菌薬(セフトリアキソン)投与で経過をみることにした。翌日の今日は解熱していた。酸素飽和度の低下もない。食事摂取は半分くらいで、年齢的にはこんなものか。

 

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