なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

一般病棟に出られたが

2021年05月07日 | Weblog

 1か月前に91歳女性が新型コロナウイルス感染症で入院した。低酸素になって酸素吸入を開始したが、数日で10L/分になった。

 家族には病状が厳しいと伝えていた。面会はリモートで画面で病室にいる患者さんを見るだけだった。できるだけ顔に寄せて見えるようにしたが、リザーバー付きの酸素マスクをしているの、見たような気になるくらいだろう。

 その後、何とか持ちこたえていて、酸素吸入5~6L/分になっていた。炎症反応は軽減したが、コロナ重症の指標はなかなか下がらない。

 末梢静脈からの点滴が難しくなって、当院としては初めて感染病棟内で中心静脈カテーテル挿入を行った。もともと心不全でフロセミド40mg/日を内服していた。心不全の悪化も考えられ、フロセミド静注を継続していた。

 発症4週間弱になって、日数的にはコロナ陰性になっているとはずだった。一般病棟に転棟する前にとPCR検査を行ったが、これは陽性と出た。死んだウイルスの遺伝子を拾ったものだろうか。さらに1週間経過してPCR検査を行うと、今度は陰性と出た。

 結局入院1か月以上経過したところで、一般病棟へ転棟とした。ストレッチャーに乗せたので、そのままCT検査を行った。感染病棟内で胸部X線ポータブルを繰り返していたが、両肺が白いとしか読めなかった。

 胸部CTでは両側肺野にすりガラス陰影が広がり、線維化したような線状・索状影もあった。放射線科の読影レポートはARDSとされた。

 まだステロイドは継続していて、ステロイドを増量すべきか、利尿をかけるか迷った(末梢の浮腫はない)。今日大学病院の感染症科の先生が外来診察に来ていたので相談した。

 ステロイドは現状維持にして、もっと利尿をかけることになり、フロセミド注に追加してカルペリチド(ハンプ)点滴静注を追加することになった。

 

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