なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

心不全・肺炎

2013年04月19日 | Weblog

 91歳男性が地元の診療所からの紹介で救急搬入された。住所を見ると、かなりの山の中らしい。認知症で脳こうそくの既往もあり、寝たきり状態で妻(88歳)の介護を受けていた。デイサービスに行ったときに酸素総和度の低下を指摘されて、デイサービスを行っている施設の隣にある診療所の先生が採血をしていた。今日検査結果が出てみると、もともとの腎機能障害が悪化して炎症反応が上昇した。胸部X線をとると、両側肺に浸潤影があり、救急車で送ってきた。

 BNPが4ケタに上昇して、胸部CTでみると両側に胸水貯留があり、肺うっ血と浸潤影が不規則にまじりあっていた。心電図で虚血性変化はそれほど目立たず、心房細動でもなかった。心不全・肺炎として入院治療となったが、病棟に上がると認知症の不穏で対応が大変だった。歩き出す心配はないが、両手を自由に動かす。難聴があるので、声が大きい。自宅では好きな時に歌を歌い出すそうだ。心肺疾患はそれなりに重症だが、案外治りそうな気がする。

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救急当番

2013年04月18日 | Weblog

 今日の午後は救急当番だった。70歳初めの女性が嘔吐と過呼吸で搬入された。午前中に胃癌健診(バリウム透視)を受けて、午後から近くの温泉に出かけた。いつもは飲まない酒を飲んで2回入浴した。急に嘔気嘔吐が続き、過呼吸で夢中になってしまったらしい。搬入時も過呼吸が続いていて、ゆっくり呼吸するよう促してもだめだった。検査をしながらアタラックスPを点滴静注した。検査では異常なかった。バリウムは大腸に少しだけ残っていたが、大部分は排出されていた。軽度のクモ膜下出血も考慮して頭部CTも検査したが、異常はなかった。腹部も問題ない。翌日まで短期入院で経過を見ることにした。病棟に上がって少しすると過呼吸は治まった。明日は退院できそうだ。

 ほとんど同時にやはり70歳台初めの男性が、別の温泉旅館で酔って階段から落ちて救急搬入された。他県から観光に来て、温泉に入浴して夕食前から飲み始めたらしい。側腹部や背部を打撲したが、頭蓋内出血もなく、骨折もなかった。酔っていてあまり痛みを感じていない。こちらは外科で短期入院となった。

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老衰とした

2013年04月17日 | Weblog

 87歳男性が先月食欲不振と浮腫で入院していた。痩せて骨と皮になっていた。検査では、食事摂取低下による軽度の低蛋白血症があるが、それ以外は特にこれといった異常はなかった。入院後はある程度食べられて、浮腫も軽快していた。しかし。動く意欲もなく、実際に四肢の筋力が低下してスプーンをもつのがやっとだった。食べなくなったり、また食べたりを繰り返していた。一昨日から食欲が落ちて、昨日は食べなかった。また今日から点滴をしようかと思っていたところ、早朝から意識レベルが低下して呼吸も弱くなった。家族と相談したが、検査も治療も希望しなかった。そのまま3時間経過をみていると、呼吸が停止した。家族数人の前で死亡確認を行った。死因は老衰とした。

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入院続々

2013年04月16日 | Weblog

 入院患者が名前を覚えられないくらい増えてしまった。こういう時は大事な仕事だけに集中して、あとはいつもと同じとして流すしかない。今日も膵癌終末期の86歳男性が死亡退院してまもなく、救急外来から2名の高齢女性が入院してきた。

 ひとりは前回肺炎・腎盂腎炎から腎不全・敗血症性ショックとなった入院した70歳台半ばの女性で、退院後は近くの内科クリニックに往診を依頼していた。10日くらい前から食事をとれなくなったということで、肺炎か腎盂腎炎の再発と思われた。胸部X線・CTで明らかな肺炎はなく、尿はある程度混濁しているが尿中細菌は陰性だった。電解質異常は低ナトリウム血症と低カリウム血症が軽度にあるが、食事をとれなくなるほどには思えない。少なめの点滴と抗菌薬投与で経過をみることにした。

 もうひとりは内科外科クリニック(外科医)からで、0歳台後半の女性だった。こちらも2年前からしだいに体重が減少して10Kgは減っているという。数日前からさらに食事摂取が低下していた。体重は28Kgで骨と皮になっている。軽度の肺炎があって、もともとの腎障害に腎前性腎不全も加わって悪化していた。点滴と抗菌薬投与となるが、これまでの経過から改善の幅は狭いと思われる。頭部CTでは脳萎縮が目立ち、認知力も低下している。

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歯肉炎?

2013年04月15日 | Weblog

 先週の木曜日に入院した急性扁桃炎の17歳男性は翌日から解熱して咽頭痛も軽快していた。ところが、歯肉の歯と歯の間が赤くなって腫れてきた。当初外来治療希望だったためセフトリアキソンを投与して、結局入院となったが、そのままセフトリアキソンを継続していた。あとはブルフェンとトランサミンの内服も処方していた。

 扁桃炎で歯肉炎をきたすのは考えにくい。セフトリアキソンの副作用なのだろうか。炎症反応はかなり軽減していたので、いったん抗菌薬投与を休止して経過をみることにした。

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浜辺祐一先生の「救命センター」シリーズ

2013年04月14日 | Weblog

 墨東病院の浜辺祐一先生が出した「救命センター」の本が4冊ある。1冊か2冊は、単行本でも買ったような気がするが、その後集英社文庫から出たのを全部買ってもっている。しばらく読んでいなかったが、久しぶりで読み返している。救命センターで起こるような出来事はそうそうないが、心肺蘇生の結果心拍だけ戻って人工呼吸器を装着された患者さんや、自発呼吸が戻ったもののやはり昏睡状態は同じままとなった患者さんはたまにいる。

 特に救急担当の医師はいないので、救急当番のときに当たった医師がそのまま主治医となって、数日診ることになる。先月はクモ膜下出血の60歳台男性が昏睡で入院して、翌朝に亡くなった。

 確か浜辺先生は本を出した当時独身だったはずだが、その後は結婚されたのだろうか。

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内科学会から帰る

2013年04月13日 | Weblog

 昨日から内科学会に行って、今帰ってきた。心臓聴診のセミナー出席が今回のメインだった。聴診のモデルであるイチローと初めて対面した。開発者の高階先生も来ていた。かつて高階先生が医学書院から出されていた空欄に埋めるような形式の本が懐かしい。この後も高階先生の著書は何冊か購入した。7人ひと組でイチロー君の脈を触診して、心音を聴取した。直接指導にあった関西電力病院の斎藤の解説(関西弁と大きな身振り手振り)がとても分かりやすかった。とりあえず一般内科医としては、Ⅰ音やⅡ音の減弱と亢進・Ⅱ音の分裂・収縮期雑音(ASとMR)・拡張期雑音(AR)が分かればいいということが分かった。

 心音については、沢山俊民先生がケアネットから出されたDVDを持っているので、繰り返して見ることにした。臨床心臓病学教育研究会のホームページで心音が聞けるので、さっそくアクセスすることにした。高階先生が開発した聴診器はよく聞こえるが、市販はまだされていないそうだ。売り出したら、是非購入したい。

 教育講演は一部しか聞けなかったが、肺炎・結核・血管炎の講演は良かった。学会に行ったときは記念に医学書一冊買うことにしている。今回は中外医学者から出たばかりの「電解質輸液塾」を購入した。慶応大学での学生向けの講義がベースになっているそうだ。慶応と言えば、和田孝雄先生の「輸液を学ぶ人のために」は初版・第二版・第三版と買って何度も読んだものだ。はじめにで、和田先生に触れているところがあって嬉しかった。他にほしい本があったが、買って持ち帰るのも大変だし、郵送してもらうほどでもないので、明日にでも地元の丸善やジュンク堂で購入することにした。

 12日に、NHKテレビでまた始まった総合診療医ドクターGをホテルで見た。再発性多発軟骨炎の症例で、見事に当てた音羽会病院の研修医はすごい。リウマチ膠原病の本に病名としては載っているが、実際に見たことはないし、鑑別診断で考えたこともない。上野先生のリウマチの本を見ると、症状がわかりやすく記載されていた。恐れ入りました。

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今日から内科学会

2013年04月12日 | Weblog

 今日から内科学会。心臓聴診のセミナーに出る予定。

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久しぶりの10代の入院

2013年04月11日 | Weblog

 内科新患担当の医師(大学病院から)から発熱の患者さんが来ていると連絡があった。17歳の男性で、一昨日から発熱(高熱)が続き、昨日から咽頭痛があった。水分はとれるが、食べられないという。飲み込めないわけではない。咳はなかった。扁桃腺の発赤・白苔があり、前j頸部リンパ節が複数腫脹していた。白血球数12000、CRP7.9と高値で、肝機能障害はなかった。異型リンパ球はない。溶連菌とアデノウイルスの迅速試験はどちらも陰性だった。かといって伝染性単球症でもなさそうだ(否定はできないが)。1か月前に同じ症状で内科クリニックに3回通ったというので、扁桃炎を繰り返しているのかもしれない。

 耳鼻咽喉科の外来(大学病院から応援)が午後にあるので、紹介して診察してもらった。扁桃周囲膿瘍や喉頭蓋炎のような危険な所見はないという。当初外来治療を希望していたが、食欲がなくだるさがあり、入院を承諾した。内科病棟は80歳から90歳の入院がほとんどで、17歳の入院は珍しい。点滴と抗菌薬投与で経過をみることにした。

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膵癌終末期の入院

2013年04月10日 | Weblog

 膵臓の82歳男性が外来を受診した。3か月前に肝機能障害・黄疸が出現して、かかりつけの内科クリニックから基幹病院の消化器科へ紹介された。膵頭部癌だった。内視鏡的に総胆管にステントが挿入されて、黄疸は軽快した。その後、抗癌剤治療を勧められたが、自宅近くの当院で受けることを希望したので、当院へ紹介されてきた。

 外来で診ると、車いすに乗った82歳は抗癌剤治療のてきおうがあるとは思えなかった。しかし家族と患者本人に抗癌剤治療をするという提案がされていたので、納得してもらうため、いったん基幹病院の腫瘍内科の外来に行ってもらった。その日、腫瘍内科医から電話が来て、とても全身状態が衰弱して抗癌剤治療の適応はないので、緩和ケアをよろしくとのことだった。

 それから2週間後の今日外来を受診したが、数日前から食欲が低下していてほとんど食べれれなかった。全身に浮腫があり、胸水・腹水が貯留していた。多発性肝転移が目立った。そのまま入院してもらい、点滴とステロイド投与で経過をみることにしたが、もう退院はないだろう。1ヶ月くらいは持たせたいが、難しいかもしれない。

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