なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

膵癌終末期の入院

2013年04月10日 | Weblog

 膵臓の82歳男性が外来を受診した。3か月前に肝機能障害・黄疸が出現して、かかりつけの内科クリニックから基幹病院の消化器科へ紹介された。膵頭部癌だった。内視鏡的に総胆管にステントが挿入されて、黄疸は軽快した。その後、抗癌剤治療を勧められたが、自宅近くの当院で受けることを希望したので、当院へ紹介されてきた。

 外来で診ると、車いすに乗った82歳は抗癌剤治療のてきおうがあるとは思えなかった。しかし家族と患者本人に抗癌剤治療をするという提案がされていたので、納得してもらうため、いったん基幹病院の腫瘍内科の外来に行ってもらった。その日、腫瘍内科医から電話が来て、とても全身状態が衰弱して抗癌剤治療の適応はないので、緩和ケアをよろしくとのことだった。

 それから2週間後の今日外来を受診したが、数日前から食欲が低下していてほとんど食べれれなかった。全身に浮腫があり、胸水・腹水が貯留していた。多発性肝転移が目立った。そのまま入院してもらい、点滴とステロイド投与で経過をみることにしたが、もう退院はないだろう。1ヶ月くらいは持たせたいが、難しいかもしれない。

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