なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

昨日の高齢女性2名

2013年04月25日 | Weblog

 昨日の夕方に89歳と90歳の女性が救急搬入された。救急当番は整形外科の若い先生だった。90歳女性はふだん脳出血後遺症で神経内科の外来に通院していた。脱水症のようですということだった。頭痛を聞いてもないという。年齢の割にしっかりとした話し方だった。もともとい左半身麻痺があって麻痺の程度は同じらしい。胸部腹部は異常なかった。肺炎を疑って画像検査を行った。両側肺背側に浸潤影が軽度にあった。脳出血後遺症ということで、念のため頭部CTを行ったところ、慢性硬膜下血腫があった。右側の血腫が脳を左へ偏位させていた。よくこれで、ちゃんと会話できると感心した。シ脳外科医に連絡して緊急手術となった。手術はうまくいって、術後に患者さんが脳外科医に「ありがろうございました」と言ったそうで、脳外科医は「かわいいばあさんだ」とうれしそうに話していた。

 もうひとりは認知症で、その場の会話はできるが、まったく覚えていない。デイサービスに行っていて、昼過ぎに急に意識低下して血圧も下がったそうだ。搬入時は血圧も戻って会話できた。めまいと胸痛を訴えた。心電図でⅡ・Ⅲ・aVFがST上昇のように見えた。、冷静に見ると0.5mmも上がっていないが、その時は胸痛があった(過去形でその時は胸痛がない)という訴えに引っ張られて、心筋梗塞疑いで心電図再検やラピチェック・トロポニンTなどを検査した。肝機能障害が目立った。2年前に総胆管結石で内視鏡的摘出と総胆管ステント挿入の処置を基幹病院消化器かで受けていた。総胆管結石再発が疑われた。病気が一つでない可能性があり、入院して内科で経過をみることになった。

 今日の心電図で虚血性変化はなかった。心原性酵素も正常だった。心筋梗塞ではない。腹部エコーで総肝管に結石があり、MRCPで確認できた。ステント自体も内腔が狭窄している可能性がある。肝機能障害は同じでビルリビンが上昇してきていた。胸痛というのは上腹部痛だったのかもしれない。ステントを入れた病院に連絡して搬送した。

コメント
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