なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

36歳胃瘻の女性が肺炎で入院

2013年04月29日 | Weblog

 もともと脳性麻痺で施設に入所している36歳女性が肺炎になった。数年前から嚥下障害で経口摂取ができず。胃瘻造設による経管栄養になっていた。ふだんから唾液を流していて、小さな誤嚥は常にある。赤ちゃんのようにプクプクした体型で、とにかく血管が見えない。かろうじて手背の血管に点滴を入れた。高齢の意瘻造設者の誤嚥性肺炎では、治療にある程度制限がかかる。常識的には、人工呼吸管理が間に合わないし、離脱できなくなるので、家族と相談して酸素と点滴でできる範囲の治療までとしている。それに対して、脳性麻痺の場合はどこまでも治療するかが決められない。人工呼吸になれば、気管切開を行うことになる。機械から離脱しても、喀痰吸引のために気管切開は閉じないことになるだろう。そうなると施設ではもうみられない。療養型病院でも、コストの点で引き受けないだろうから、一般病院でずっと診るしかない。いつかはそうなるとしてうも、とりあえず今回の肺炎を乗り切って、また経管栄養にして施設に帰したい。

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