なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

この肺炎は何だ

2012年11月18日 | Weblog

 今日日曜日の日直当直は大学病院からの応援医師だった。胃腸炎で入院させたい68歳男性の患者さんがいると連絡があった。昨日から発熱(高熱)と下痢が続いているという。白血球は7600でCRPが15。肝機能障害とCKが18000と高値だった。血清Naた130、Kが3.2と低下していたが下痢があればそのせいかもしれない。血清クレアチニンも軽度上昇していたが、脱水症による可能性もある。それにしたも胃腸炎にしてはおかしい。以前に診た胃腸炎様の症状で腹膜炎だった患者さんに似ているような気がする。腹部CTで他の疾患を検索する必要がある。患者さんを直接診てから決めることにした。

 病院に行ってみると、胸腹部CTが終わっていた。左肺の側背部に浸潤影が広がっていた。2週間前に温泉ホテルに宿泊したことがあった。肺炎球菌とレジオネラの迅速検査を提出したが、どちかも陰性だった。喫煙者で気腫性の変化もあった。腹部は小腸と大腸に大量ではないが、消化液の貯留があった。明らかな腹膜炎を示唆する所見はない。肺炎と胃腸症状は直接関係があるのかわからなかった。そのうち便がでたので診た見ると黒っぽい泥状便だった。潜血反応陽性で上部消化管出血だ。6年前に上部消化管内視鏡検査を受けていて、胃潰瘢痕を指摘されていた。そのころから大腸ポリープで消化器科でEMRを受けていた。今回も2週間後に消化器科に入院して大腸ポリープのEMRが予定されていた。肺炎があって、それと同時に胃潰瘍再発からの消化管出血もあって、消化管出血でタール便が出ていたのを、患者さんが下痢が続いていると表現したのだろうか。全体像がよくわからない。当院では手に余ると思って、基幹病院に連絡したとろこ診てもらえることになって救急搬送した。

(後日談)基幹病院から報告が報告が来ていた。搬送翌日に検査した尿中レジオネラ抗原は陽性で、レジオネラ肺炎と診断されたという。下痢もレジオネラ肺炎の一症状だった。

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