なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

転院と新患

2016年02月04日 | Weblog

 今日は基幹病院呼吸器科から88さ9女性が転院してきた。この方は関節リウマチで通院している病院に、昨年末から1月下旬まで誤嚥性肺炎・膿胸で入院していた。後でわかったが、喀痰吸引をされるのが苦しくてイヤで、希望で退院したそうた。途中で退院したら自宅で亡くなりますとも言われたそうだ。退院して数日だった先週に、呼吸困難で当院に搬入された。酸素10Lリザーバー付きでも飽和度が上がらず、厳しい状態だった。救急当番の先生が、呼吸器科への搬送をしたのだったが、高齢者の誤嚥性肺炎はあまり歓迎されないばずで、当院でそのまま診てもいいかなと思っていた。

 呼吸器科の先生から家族に、1週間もたないでしょうという話がされた。気管挿管・人工呼吸の適応なしと判断されたのだった。ところが、案外持ちこたえて酸素吸入量も2L程度になった。しかし嚥下障害で食事摂取が進まない。そのうちまた誤嚥による悪化が見込まれる状態なので、バックアップ病院としての当院に回されてきたという経緯だった。

 来てみると、酸素吸入2Lで酸素飽和度は確保できている。簡単な話もできる。家族と相談したが、経口摂取を勧めて、それでまた肺炎になったら仕方ないということになった。悪化時は酸素の増量・抗菌薬投与で対応するが、CPRはしないという方針で合意した。時間をかけて、何とか肺炎を起こさずに食事ができるように持っていきたいが、どうなるか。

 内科新患を74歳男性が受診した。新患担当の先生(大学病院の大学院生)から対応について相談された。この方はもともと東京の方で、当地の温泉保養地に別荘を買って夫婦で移り住んできた。別荘といっても、東京の自宅は処分してしまったので、今の家が自宅そのものになる。重症筋無力症で東京の大学病院に通院していて、担当医が開業したのに伴って、そのクリニックに通院しているという。今でも新幹線での受診をしていた。

 治療薬としてステロイドとプロフラフが処方されていたそうだ。血糖が上昇してきていたが、数か月前から口渇・多尿があり、体重も減少した。処方薬のためと思って、自分の判断でやめてという。前回の受診時に先生と相談して、それでは中止して経過をみると言われたらしい(患者さんの話だけなので正確にはわからない)。薬を中止してからは、症状が軽減している。

 当院の検査で、HbA1cが13%で随時血糖は300mg/dl台だった。立派な糖尿病だ。尿ケトン体は陰性。他には異常がなかった。すてろいど糖尿病が悪化した可能性があるが、膵癌の発症も否定できない。入院して糖毒性解除のため短期間インスリンを使用するのも考えたが、結構元気だった。DPP4阻害薬を処方して、膵癌検索のため腹部エコーを予約した。

 首都圏から当地の温泉保養地に夫婦で引っ越して、すぐに夫婦のどちらかが大病を患うというパターンがある。この方はどうなるか。

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