7月12日(金)に救急外来を診ていた外科医(非常勤)から、コロナの81歳男性を入院させたいと連絡がきた。
ふだんは当院の外来に高血圧症・糖尿病で通院している。2-3日前から倦怠感があり、その日に39℃の発熱があり、転倒した後に動けなくなったということだった(打撲だけで骨折はない)。咳と痰も出始めていた。
コロナの迅速検査(抗原定性検査)が陽性で、胸部X線・CTで肺炎像を認めていた。肺炎は両側に淡いすりガラス陰影が散在していて、両側下肺野背側にコロナの陰影か細菌性か迷うような陰影もある。
白血球9300・CRP23,8とコロナにしては高すぎる値だった。コロナでは重症にならないと、それほどは上がらないので、細菌感染併発が考えられた。
酸素飽和度は92%(室内気)と軽度に低下していた。外来のコロナ用の部屋に診に行くと、元気はないが、会話は普通にできた。そのまま急性期病棟の奥になる個室に入院となった。
入院後は抗ウイルス薬のレムデシビル(ベクルリー)点滴静注と抗菌薬(セフトリアキソン)を行って、解熱軽快した。連休明けの7月16日(火)には飽きて退院したいといっていた。
普段はかなり元気な方なのだろう。そういう人が、入院時には相当まいっていた、ということになる。
レムデシビルは5日間投与なのでその日で終わりだが、抗菌薬は7日間投与とした。7月15日(祝日)に妻が発熱・咽頭痛・咳で当院の発熱外来を受診して、コロナ陽性だった。外来治療で経過を見られるくらいだった。
妻との二人暮らしで、他にうつる人もいないので、10日を待たず早期退院(自宅静養)とした。