なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

重症肺炎

2024年07月01日 | 呼吸器疾患

 6月28日(金)に発熱・呼吸困難の74歳男性が救急搬入された。酸素15L/分でも酸素飽和度が89~90%だった。血圧は110と保っていたが、心拍数が120/分・呼吸数40/分と上昇している。

 コロナとインフルエンザの迅速検査は陰性で、救急室に搬入して検査が行われた。その日の救急は外科の非常勤医が診ていた(入院があれば常勤医に連絡)。

 患者さんは一人暮らしだった。6月22日(土)に屋外で草むしりを4時間くらい行った。その後から38℃の発熱があり、24日(月)にかかりつけのクリニックを受診した。発熱以外の訴えがなかったらしく、熱中症といわれたそうだ。

 その後も39℃の発熱が持続して、しだいに体動困難となった。26日(水)には連絡を受けた弟夫婦が訪れたが、受診にはいたらなかった。そして28日(金)に動けなくなって、救急要請となった。

 

 胸部X線・CTで左肺全体に浸潤影が広がっていて、右下肺下葉背側にもあった。

 血液検査では白血球19200・CRP45.1と著明な炎症反応の上昇を認めた。肝機能障害(AST 233・ALT 92・LDH 527)・高CK血症( 3312)があり、腎機能も悪化していた(血清クレアチニン1.47)。検査はしていないが、レジオネラの可能性もあるか。

 患者さんはそれまでADL完全自立していた方で、救命しなければならない。気管挿管・人工呼吸管理が必要な病状なので、できれば専門医(集中治療科・呼吸器内科)のいる病院への搬送が必要だった。

 担当した先生はすぐに地域の基幹病院の呼吸器内科に搬送しようとしたが、受け入れ困難だった。県内有数の市立病院に連絡すると、救急車では間に合わないのでドクターヘリ搬送で受けるという。

 数10分でドクターヘリが到着して、救急室から駐車場まで運んで、無事に搭乗・出発した。ドクターは大学病院か医療センターの救急医が載っているはずだ。

 

 当院は駐車場内にヘリコプターが発着できるが、当院からの搬送というのはほぼない。大抵は地域の救急車が当院の駐車場まで運んで、県庁所在地から来たドクターヘリに乗せ換えて搬送というものだ。

 

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