11月26日(日)は日直をしていた。救急搬入は2名で、そのうち1名は外来で診ていた93歳男性だった。BPSD(暴言と暴力も)で抗精神薬(セロクエル、デジレル)を処方していた。
長女が高齢の両親(妻は90歳)の世話をしている。精神科病院を受診したが、すぐの入院は難しかった。よく在宅でみていると感心していた。
その日は暴れて手に負えない、ということで救急要請していた。数日間食事も手で払ってしまい、受け付けないという。
外来で検査(ちょっと治まったところで、CT撮影。3人がかりで採血も)すると、炎症反応が高かった。誤嚥性肺炎があるかもしれないが、はっきりしない。前立腺癌の治療歴(ホルモン療法)もあり、前立腺炎も疑われた。体幹抑制、両手の抑制で点滴継続として入院となった。
もう一人は40歳代の女性で、2日前に消費期限が過ぎた牛乳で作った寒天を食べて、急な腹痛・下痢(泥状便)が出現した。こちらは外来治療(点滴、鎮痛薬)で軽快して帰宅した。
11月25日(土)の日直では発熱の受診が多かったようだ(日直は消化器科医)。それに比べると、発熱での受診は少なかった。
午後の早い時間に、発熱で3名が受診した。外来看護師さんが検査してくれたが、3名ともインフルエンザA型陽性だった。
17歳男性は高校の友人がインフルエンザだったそうだ。その日の午前中から38.9℃の高熱と咳・関節痛・倦怠感があった。インフルエンザだろうから検査陰性でも治療するつもりだった。
8歳女児は11月24日が37.5℃で、25日から38℃台の高熱になっていた。上気道症状もある。24日、25日と市内の小児科クリニックを受診して検査したが陰性だった。
26日から腹痛もあるという。腹部は平坦・軟で圧痛もなかった。2日続けてインフルエンザ迅速検査で陰性だったので、アデノウイルスの方かと思ったが、3日目にインフルエンザ陽性となったのだった。(27日食欲不振で当院小児科を受診して、外来で1本点滴していた)
76歳女性は11月25日から咳・鼻汁があるが、発熱はなかった。症状が上気道症状なので、発熱外来として検査をするとインフルエンザ陽性と出た。1か月前にインフルエンザワクチンを接種していて、効果が出たのだろう。
3名にタミフル(オセルタミビル)を処方した。永田理希先生の本には、リスクがない人では抗インフルエンザ薬を処方しても1日症状が短縮するだけなので必須でない、という感じで記載されている。
國松淳和先生はCareNeTVで、1日でも短縮するなら処方する、といっていた。症状がある1日の差は大きく、治療しなければ「俺の1日を返してくれ」といいたい、という。まあ自分も罹れば、すぐ内服する。
午後5時前に障害者施設から連絡があり、22日から発熱が続く32歳男性(脳性麻痺、精神遅滞)を受診させたいという。24日に内科医院を受診して尿路感染症疑いで抗菌薬内服(レボフロキサシン)が処方されていた。
尿路感染症でキノロン耐性大腸菌?とも一瞬思ったが、右肺にcoaese cracklesが聴取されて、胸部X線・CTで、右中葉肺炎が確認された。