なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

高浸透圧高血糖症候群

2023年11月27日 | 糖尿病

 11月24日(金)のお昼に意識障害の87歳女性が救急搬入された。救急当番は非常勤の外科医(大学病院から応援)だった。

 病棟はCOVID-19の患者と、感染した職員の自宅静養で新規入院は難しい状況だったが、連絡はいっていなかったようだ。その日3件の救急搬入があり、2つの病棟に分けて入れたが、もう無理ですといわれて気づいたようだ。

 

 糖尿病で市内の内科医院に通院している。処方はグリクラジド40mg/日とDDP4阻害薬(サキサグリプチン5mg/日)だった。認知症があり、室内は歩行できるが、横臥している時間が長いそうだ。前日までは食事もとっていたが、その日は朝食をごく少量とっただけだった。午前10時半に家族が自室を見に行くと、反応が悪かった。

 血糖が885mg/dlで、HbA1cは10.5%だった。ふだんも血糖コントロールは悪いのだろうが、さらに急性に悪化している。

 末梢血も濃縮していて、BUN 117.3mg/dl・血清クレアチニン2.16mg/dlと腎前性腎不全を呈していた。血清Na 157・血清K 4.2だった。尿ケトン体は陰性。

 高浸透圧高血糖症候群として、生理食塩水の点滴とインスリン点滴静注が開始された。生食は80ml/時(2000ml/日)で、生食50ml+速効型インスリン50単位(0.5ml)が3ml/時(血糖測定で減量調整)だった。(カリウムの補充はなかった)

 その日の当番(救急外来からの入院を診る)は内科の年配の先生で、内分泌の得意な先生だった。ちょうど翌日の土曜日は日直になっているので、その時に指示を出す(変更する)としていた。

 

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