プライマリ・ケアの疑問
Dr.前野のスペシャリストにQ
糖尿病アップデート編
第2回 2型糖尿病の薬物療法アルゴリズム後編
糖尿病標準治療マニュアル2023(第19版)
日本糖尿病生活習慣病ヒューマンデータ学会
1.食事・運動療法にて数か月以内に反応があるか?
2.ステップ1
単剤で開始
A)ビグアナイド薬(eGFR 30mL/min以上)
3.ステップ2
1剤併用
B)DPP4阻害薬
C)SGLT2阻害薬
(心血管疾患の既往、心不全、微量アルブミン尿・蛋白尿、肥満を有する場合は積極的に開始してよい)
4.ステップ3
さらに1剤併用
D)SU薬(少量)またはグリニド薬
E)経口GLP1受容体作動薬
(ステップ3のオプション)
5.ステップ4
他剤併用やインスリンや注射薬GLP1受容体作動薬を考慮
SU薬はグリベンクラミドは使用しないので、グリクラジド・グリメピリドを少量使用する。岩岡先生も、SU薬や1日3回毎食直前のα-GIやグリニドは(ほとんど)使用していない、ということだった。
日本糖尿病学会 2型糖尿病の薬物慮法のアルゴリズム(第2版)
病態に応じた薬剤選択となっているが、非肥満と肥満で記載してある薬剤がほとんど同じだったりする。(使用する順番はこの通りであることが本文に記載されているが、アルゴリズムの方に記載されていない、そうだ)
薬剤名を記載した後に、「安全性への配慮」、「Additional benefitsを考慮するべき併存疾患」が記載されていて、逆なのではないか、と批判されていた。ただし薬剤選択の表は役に立つといっていた。
Dr.前野のここがポイント
国内の2型糖尿病治療ガイドライン
糖尿病標準診療マニュアル2023(第19版)
・「日本糖尿病・生活習慣病ヒューマン・データ学会」のアルゴリズムが実践的
・インスリン適応例を除外したのち、「食事・運動療法」を3か月行う
・薬物療法はメトホルミンから開始し、1剤ずつ上乗せする
・3剤併用してもコントロールできないときは、インスリンに移行するか、専門医へ紹介
日本糖尿病学会のアルゴリズム
・日本糖尿病学会のアルゴリズムでは、血糖コントロールに一般的目標値はHbA1c7.0%
・高齢者でインスリンやSU薬などの低血糖が危惧される薬剤を使用している場合は、認知機能やADLに合わせてHbA1cに下限が設けられているので、それを参考に目標を設定する
・各薬剤ごとの効果や薬価、服薬継続率などをまとめた表を薬剤選択に活用する
日本糖尿病・生活習慣病ヒューマンデータ学会
糖尿病標準診療マニュアル2023
日本糖尿病学会
2型糖尿病の薬物療法のアルゴリズム(第2版)
どちらもダウンロードできるので、便利。印刷して持っている。
糖尿病標準診療マニュアル2023
https://human-data.or.jp/wp/wp-content/uploads/2023/03/DMmanual_2023.pdf
2型糖尿病の薬物療法のアルゴリズム(第2版)
http://www.jds.or.jp/uploads/files/article/tonyobyo/66_715.pdf