透析で通院している66歳男性の胸部CTを見て、腎臓内科の若い先生が首をひねっていた。血痰が断続的にあるそうだ。
胸部CTで両側肺、特に右肺の背側(上葉~下葉)にすりガラス様陰影が広がっている。発熱・炎症反応の上昇はなく、貧血の進行もなかった。
「心不全の陰影?」とも言っていたが、肺うっ血(臥位で強調される)の陰影とも言い難い。症状が血痰なので肺胞出血かどうかになるが、そうなのか?。
この患者さんは2019年にシャント拡張で入院した際に、肺血栓塞栓症が疑われて、さらにその後脳梗塞(脳幹部の右延髄)が発症していた。そこからワーファリンが処方されて、継続している。
さらにサルポグレラート(アンプラーグ)も処方されている。肺胞出血をきたしてもおかしくない条件はある。しかし貧血の進行もなく、もっと症状も強く出ると思われる。違うのだろうか。