なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

肺血栓塞栓症

2019年11月14日 | Weblog

 水曜日に内科の若い先生(地域医療研修の内科専攻医)から相談された。月曜日に施設入所中の89歳女性が胸部苦痛で紹介されていた。

 胸腹部CTで大動脈弓内側に腫瘤を認めて、放射線科の読影で悪性リンパ腫疑いとされて、造影CT追加を推奨された。そして造影してみると、左右の肺動脈に血栓塞栓を認めた。エコーで下肢の深部静脈血栓症も認めた。

 循環器科医にも相談したそうだが、内科で診ることになりましたという。あとで循環器科医に訊くと、腫瘍があるので(診たくなかった)という。通常は当院内科としては、肺血栓塞栓症は診ていない。循環器科で診るならお願いするし、診ない時あるいは夜間土日の時(当院循環器科は平日時間内のみ営業)は、高次医療機関に紹介していた。

 入院後はヘパリン持続点滴で投与量の調整をしていた。循環器科では最近は、ショックでなければ最初から経口抗凝固薬(DOAC倍量)で治療しているようだ。内服でもいいんじゃない、といわれたそうだ。酸素吸入2~3L/分はまだしているが、バイタルは幸い安定している。

 大動脈弓内側の腫瘍をどうするかだが、生検はできないので、まずは悪性リンパ腫(可溶性IL-2受容体抗体)と肺癌の腫瘍マーカーを提出して結果をみることにする。

コメント
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