なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

尿路感染・肺炎・肝膿瘍

2019年11月13日 | Weblog

 1週間前に、当地域の基幹病院消化器内科から85歳男性が廃用症候群のリハビリ目的で転院してきた。処方されていた内服薬を継続して、リハビリ(理学療法)を開始していた。思ったよりも動きは良く、1か月で退院できそうだ。

 病状を詳しく検討していなかったので、昨日送られてきた画像を確認した。高齢だが、畑仕事をするくらいの方だったが、複数の感染症に罹患していた。

 慢性心房細動・高血圧症で居住している町の医院に通院していた。その医院の医師は外科医だが、地域の循環器懇話会の幹事になっていた(大学にいるときには心臓血管外科だったのかもしれない)

 9月末に背部痛を訴えて基幹病院の救急外来を受診していた。診療情報提供書には、検査の結果、尿路感染症・敗血症、肺炎、肝膿瘍で入院になったと記載されていた。Klebsiellaによる尿路感染症・敗血症とあることから、尿培養・血液培養からKlwbsiellaが検出されたということなのだろう。

 抗菌薬をセフトリアキソン(CTRX)、セファゾリン(CEZ)、メロペネム(MEPM)、アンピシリン/スルバクタム(ABPC/SBT)と変更していて、途中からミノマイシン(MINO)を併用していた。(若干迷走?)

 入院時は白血球11000・CRP34mg/dlと高値で、肝機能障害も認めたが、順調に軽快していた。当院転院時は、肝機能正常でCRP0.2mg/dlだった。

 もともと抗凝固薬を内服していたらしいが、入院中に血栓塞栓症と判断される多発性脳梗塞(それぞれはラクナ梗塞)を発症していた。幸い後遺症は有意なものはない。頻脈性心房細動でビソプロロールにハーフジゴキシンを追加して、心拍数が安定したという。また肺炎は器質化しているが炎症は一段落していると記載されていた(軽度に胸水貯留はある)。

 抗菌薬はミノマイシンとメトロニダゾールの内服が継続になっていた。抗菌薬を継続していますとだけあるので、どこまで続けるかは当方にお任せになる。

 肝膿瘍とされた病変は確かに肝膿瘍のようだ。順調に縮小している。最初のCT(単純)は基幹病院入院時。これで気づかれて、その3日後に造影している。さらに約1か月後に再検して縮小を確認。最後は当院転院時(単純)。胆道系に異常はない。

 尿路感染症、肺炎、肝膿瘍はどういうつながりがあるのだろうか。別個に起こったともいえないが、関係も?だ。転院後1週間してからこれまでの経緯を検討するのもどうかと思うが。

 

 

 

 

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