なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

急性白血病

2019年11月27日 | Weblog

 火曜日に、内科新患を診ていた若い先生(地域医療研修の内科専攻医)が相談にきた。55歳男性が息切れで受診して、著明な貧血(Hb5.4g/dl)を認めたという。

 7月の職場健診の結果をもってきていて、Hb14g/dlと正常域だった。白血球22000と上昇して、分画では当初リンパ球の比率が上昇していた。血小板2.6万と減少していた。

 白血球分画を目視で依頼していた。検査室に行くと血液担当の検査技師さんがちょうど鏡検していて、芽球を多数認めるという。骨髄芽球と赤芽球を認めて、赤芽球の方が比率が高かった。肝機能障害を認めて、LDHが2034と特異的に高い。これは血球由来だろう。急性白血病のうち、赤白血病だろうか。

 患者さんは隣の市から自分で車を運転してひとりで来ていた。発熱もあるので、感染症を併発している可能性がある。早急に血液内科に紹介する必要がある。

 当院からだとがんセンター血液内科に紹介しているが、すぐに対応できないこともあった。まずがんセンターに連絡して、ダメなら専攻医のホスト病院である医療センターの血液内科に連絡することにした。幸いがんセンターで午後から診てもらえることになった(ベットも用意すると)。

 若い先生は初期研修の時に血液内科は回らなかったそうで、専攻医のスケジュールでも血液内科は入っていないという。当院だと急性白血病は1年にひとり来るかどうかという頻度だ。末梢血に芽球が出ていないで汎血球減少だけだとわかりにくいが、芽球があれば診断に問題はない。

 

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