なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

急性心筋梗塞

2018年06月22日 | Weblog

 昨日(木曜日)内科医院から急性心筋梗塞の72歳女性が当院循環器科に紹介された。

 3日前の月曜日に冷汗・嘔気で発症した。胸痛はなかった。内科医院を受診して、胃腸炎?として治療を受けていた。症状が続いて木曜日に再受診したが、血圧が90台に低下していた。心電図をとると、Ⅱ・Ⅲ・aVFにST上昇があり、V1-5・Ⅰ・aVLでST低下していた(鏡面像)。時間が経って異常Q波も出ていた。

 今日担当した若い循環器科医に訊くと、心カテで右冠動脈が100%狭窄していた。24時間以上経過していて、PCIを施行すると冠動脈破裂の危険があり行わなかったそうだ。

 家族には「胸痛がなく診断しにくい例」と説明したそうだ。「後医は名医ですから」と言っていた(大人ですね)。確かにわかってしまえば、高齢女性では無痛性心筋梗塞が多いとか、下壁梗塞は消化器症状で発症するとか、下痢がないのに胃腸炎と診断してはいけない、となるが後からでは何とでも言える。

 以前医師会の講演会に来た循環器科医は、嘔気で受診すると心電図をとると言っていた。急性心筋梗塞を見逃すと循環器科として恥ずかしいからと。

 

コメント (2)
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