なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

貧血Hb4

2018年06月21日 | Weblog

 循環器科クリニックの先生から貧血の患者さんを紹介したいと連絡が来た。Hb4g/dlと重度だった、下肢の浮腫で受診した65歳男性で、十二指腸潰瘍の既往があるという。消化管出血からとすれば、MCV70と小球性なので慢性になる。

 潰瘍再発かと思ったが、既往は「十二指腸潰瘍による胃切除術後」だった。血清鉄・血清フェリチンが著明な低下を呈して、鉄欠乏性貧血だった。単なる胃切除術後の鉄欠乏性貧血、吻合部潰瘍、残胃癌、大腸癌の可能性がある。

 腹痛はなく、直腸指診は普通便でタール便・血便はなかった。BUNの上昇はない。これだけなら胃切除術後の鉄欠乏性貧血だが、CEA900と上昇していた。悪性腫瘍があるようだ。

 入院を勧めたところ、入院はしたくないと拒否していた。仕方なく外来で輸血の手筈をつけていたが、そのうち明日までなら入院してもいいと言う。今日と明日濃厚赤血球400ml2本ずつ入れることにした。明日CTと上部消化管内視鏡検査を行う。妻は数年前に家を出ていって、子供も親兄弟もいないと言っていたが、妹夫妻がいることが後で判明した。

 明日以降の検査しだいだが、胃切除術後の鉄欠乏性貧血+悪性腫瘍だろうか。

 

 

 

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