なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

深部静脈血栓症

2018年06月03日 | Weblog

 今日は日直で病院に出ている。86歳女性がショートステイ先の施設から救急搬送されてきた。朝に見回った時に左下肢の浮腫に気付いたそうだ。ご本人はしびれて感覚がおかしいと訴えた。

 ふだんは自己免疫性肝炎でプレドニンを内服している(診断は大学病院)。ステロイド糖尿病で以前インスリン注射をしていたが、現在はDPP4阻害薬のみになっていた。HbA1cは8%前後で年齢を考慮すればこのくらいでいいいとしていた。

 左下肢は大腿部から下腿まで浮腫があり、把握痛ははっきりしないが、一部にチアノーゼを認めた。両側の足背動脈は触知良好だった。片側の浮腫なので、深部静脈血栓症が疑われる。呼吸困難はなく、酸素飽和度の低下はなかった。

 胸部~下肢の造影CTを行うと、左腸骨静脈から末梢が造影されなかった。深部静脈血栓症だった。左肺動脈の末梢の枝で血管腔の半分が造影さえないように見えるが、あるとしても肺血栓塞栓症としても被害は少ない。

 普段は抗凝固薬も抗血小板薬も使用していない。ステロイド使用もあるが、ADLが全介助で車いす移乗くらいなので、発症してもおかしくない。ちょうど外科当番の血管外科医で院内にいたので、CTを見てもらってそのまま入院で診てもらうことになった。早速ヘパリンが開始された。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする