なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

胸水の方が問題

2018年06月11日 | Weblog

 地域の基幹病院神経内科から施設待ちの患者さんが転院してきた。昨年11月に転倒して外傷性くも膜下出血・左側頭葉脳挫傷をきたしたが、保存的治療で軽快した。

 今年に入ってからしだいに認知症の症状が進行して、二次性水頭症が疑われて神経内科に入院した。(当方がCTを見ると水頭症には見えないが、確か画像ではわからない水頭症の型があった気がする)。検査の結果、ドレナージ手術の適応はなしと判断されて、経過観察のみ(認知症の処方はない)となった。

 家庭の事情で開業医の息子さんと二人暮らしで、在宅介護はできないので施設入所の方針となった。息子さんの自宅は別の町にあり、奥さん(嫁)はそこから通ってクリニックで勤務しているそうだ。義母との同居はしたくないということだろうか(詳しい事情は訊いていない)。

 認知症で病棟の廊下にふらふらと歩いてくるが、それほど困るわけではない。すでに施設には入所を申し込んでいるので、それまで1~2か月預るだけになる。ただこの患者さんは別の問題があった。

 神経内科入院時の胸部X線で、左胸水が貯留していた。バイタルは問題ないが、健側を圧迫するくらいだった。基幹病院の呼吸器内科にコンサルトされて、胸水穿刺が行われている。癌も結核も証明できず、胸腔ドレナージの適応もなしとされて経過観察となった。心房細動・心不全もあって利尿薬も投与されているが(フロセミドとスピロノラクトン)、サムスカ追加でも胸水は変わらず、心不全によるものでもないと判断されていた。

 このまま無事に施設入所になればそれでいいのかもしれないが、入所待ちの間に増悪する可能性がある。発熱はなく、炎症反応はほとんど陰性で、普通に考えれば癌性胸膜炎が疑われる。

 クリニックが平日午後に休みの曜日があるので、息子さんである先生に来てもらって相談することにした。どのくらい説明されているのか、さらに胸水の検索をしていいのか、悪化した時はどうするのか。

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