なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

久しぶりの慢性膵炎増悪

2018年06月19日 | Weblog

 昨日は内科の先生が当直だった。消化器科に慢性膵炎で通院している35歳男性が、急性増悪(急性膵炎)で入院していた。これまで10回くらい入院していて、ほとんどは消化器科医が担当したが、時間外で受診して当方が主治医になったこともある。

 25歳の時に初めて急性膵炎で入院している。アルコール性ではなく、何か特別な膵炎が疑われて大学病院の消化器内科に紹介されたこともある。遺伝子検査もされたが(患者さんの話)、消化器科医の記載では結局返事は来ないままでうやむやになったらしい。

 消化器科医が自分が以前にいた専門病院に紹介して、内視鏡的な膵石摘出の治療をしてもらった。その後は急性膵炎をきたさずに過ごしていた。今回悪化した原因もわからない。多少脂肪分の多い食事をとったかもしれないというくらいだ。以前担当した時、良くなって退院した日に自宅でご飯とみそ汁を食べて、その夜悪化して再入院になったことがある。

 病室に診に行くと、昨夜よりは心窩部痛が軽減していた。1週間くらいで退院できるといいが。腹部CTでは膵頭体部に膵腫脹と周囲脂肪織の炎症像がある。膵鉤部の石灰化(膵石)は実質か膵管分枝内かわからないが、これは内視鏡的にとれない。外分泌が枯渇するのを待つしかないのかもしれない。

 当院にはもうひとり小児の時から膵炎を繰り返していた現在32歳男性がいて、当方の外来に通院している。膵炎での入院は最近ないが、膵全体に石灰化があり、糖尿病の治療をしている(今のところ経口血糖降下薬のみ)。この二人の患者さんが同じ病室に入院したこともあった。

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