goo blog サービス終了のお知らせ 

なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

レスパイト入院

2016年12月25日 | Weblog

 今度当院でも「レスパイト入院」を始めるそうだ。レスパイト入院は、常時在宅介護が必要な方が、介護者の事情(親族の冠婚葬祭、介護者の病気・旅行で介護できない時、介護者が疲れ果てている時)で一時的に在宅介護を受けるのが困難になった時に、病院に短期間入院するもの。周辺の小規模病院ではすでに始めている。

 担当の看護師さんたちから、入院になった時の診療依頼をされた。原則は病状が安定している方の入院で、ふだんの治療を継続するだけで、入院での検査(新たな)治療はしないことになっている。各科とも忙しいので、院長先生が数人なら自分が主治医でみると言っていた。実際はそうもいかないので、内科と外科の責任者にお願いしておくことにしたそうだ。特に依存はない。

 ただ、レスパイト入院での、短期間の地域包括ケア病棟入院はいろいろ問題がありそうだった。

(病状の問題)常時介護が必要な方たちなので、安定して過ごせるかどうかは、わからない。いつ誤嚥性肺炎になっておかしくない胃瘻の患者さんとかだから。また自力歩行できる患者さんでは、不穏・徘徊が問題になる。

(入院までの期間の問題)入院の依頼は遅くとも入院の1週間前までとあるが、旅行ならともかく、介護者が介護できなくなる状況は突発する可能性があり、今日明日からの入院依頼の方が需要はあるはずだ。ずっと前からの予約なら、大抵は施設のショートステイで対応している。

(入院期間の問題)入院期間は14日以内とあるが、入院中に何事か(病気の発症)あれば、当然予定期間内では治まらない。介護者がそのくらいで介護できる状態にもどれるかどうかもわからない。まあ病院なので普通入院に切り替えるだけではあるが。入院をきっかけに、もう今後在宅介護は困難ですという話になる可能性もある。

 内科病棟では、脳梗塞後遺症の奥さんの介護をしていた夫(どちらも80歳代)が脳梗塞になり、奥さんも一緒に入院としたことがある。また退院可能になっても、ショートステイの予約日まで入院を延期してほしいという希望にも対応していた。退院が決まっていたが、介護している家族が風邪を引いたので1週間延期の高齢男性がいる。せっかく介護していた脳梗塞後遺症の夫が肺炎で入院して、その間介護疲れを癒やしていた妻の要望で、1週間退院延期になったりする。

 すでにレスパイト入院を上回る入院対応を行っていたことになる。むしろ、病院からそういう入院もあることを正式に認めてもらうことの方が大事だ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする