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なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

敗血症性ショック

2016年12月08日 | Weblog

 昨日高血圧症で内科に通院している84歳女性が受診した。2か月前に右大腿骨頸部骨折で整形外科に入院して、術後にリハビリをして退院したが、ADLは寝たり起きたりだった。症状は前日からの微熱・鼻汁・咳少しで、食欲がないという。車いすにちょこんと乗っていた。

 症状が感冒そのもので、「風邪の診かた」によれば典型的風邪型(非特異的上気道炎)だが、高齢者の場合はすでに肺炎だったりする。胸部X線をみたが、明らかな肺炎はなかった。点滴と血液検査を提出していたが、炎症反応上昇があった(白血球数増加とCRP12)。そのうち、悪寒戦慄が起こって39℃の高熱になった。

 インフルエンザ迅速試験は陰性。胸腹部CTで確認すると、やはり肺炎は指摘できない。尿が自力でとれないので、導尿して提出すると尿混濁・細菌尿があった。CTで左腎辺縁がケバだっているようにもみえる。高熱・炎症反応上昇は急性腎盂腎炎の症状所見と判断された。血液培養2セットと尿培養を提出して、抗菌薬を開始した。

 受診時に血圧が少し低下していたが、点滴をしているうちに正常になっていた。2週間くらいで治るだろうと入院にした。入院後に血圧が80mmHg台に低下した。点滴を予定より追加して、夜間も低めで推移したが、今朝やっと回復してきた。

 細菌検査室から、昨日の血液培養でグラム陰性桿菌が検出されたと報告が来た。同定はあと2日くらいかかるという。昨日はセフトリアキソンで治療を開始したが、カルバペネムに変更していた。今日は解熱して、会話も少しできるので、回復しているはずだが、まだ安心はできない。来週まで個室管理で経過をみる。やれやれ。

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