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なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

亜急性甲状腺炎らしいけど

2016年12月05日 | Weblog

 先々週、56歳男性が内科クリニックから不明熱として紹介になった。セフェム系、その後にニューキノロンを処方したが、改善しないということだった。初診で診た内科の先生に相談されたので、抗菌薬をいったん切ってから血液培養をとって、感染症の再評価と甲状腺機能や血沈などを含めて検査しましょうと言ったような気がするが(たぶん)、そのまま忘れていた。

 まずびまん性甲状腺腫があり、甲状腺自体に圧痛があったそうだ。検査で甲状腺機能亢進があり、甲状腺のマーカー(抗TSH受容体抗体・抗TG抗体・抗TPO抗体)は陰性で、甲状腺エコーでまだらな低エコーが描出されていた。亜急性甲状腺炎として、ステロイドが処方された(NDSAIDも肺用していた)。

 この患者さんはもともと糖尿病があるが、きちんと内服しないそうだ。しないというより、自分の病院もことは自分で決めると言って指示には従わないのだった。

 今朝病院にくると日曜日に内科日直だった消化器科医から、その患者さんが救急外来を受診して、入院させたと言われた。外来で処方された薬を少し内服したらしいが(症状はいったん軽快)、そのうちやめてしまった。その日は発作性心房細動(頻脈性)も見られ、何だかわからない不随意運動様の動き(アテトーゼ様だが、一時的)を呈していたそうだ。

 急にまったく声が出ませんと言ったり(その後ちゃんと話せた)、翌日には声が出ないなどとは言ってないと主張したり(重症筋無力症は考えにくい)、対応が難しい人だった。もともとキャラクターに問題があるところに、甲状腺機能亢進が加わって、さらに?になっているのか、全体が病気として説明できるのか。

 亜急性甲状腺炎のイメージは30~40歳台の女性だが、50歳代男性でも、まああるんだろう。退院すると言って騒いでいるという話だったが、今のところはまだ入院している。

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