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なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

S状結腸憩室炎

2016年12月01日 | Weblog

  内科医院から下腹部痛の88歳女性が紹介されてきた。30年以上前に婦人科手術2回の既往があり、何年も前から便秘だった(程度は同じ)。3日前に下腹部痛(正中から左にかけて)があり、医院を受診した。腹部単純X線で腸管ガスが多く、酸化マグネシウムが処方された。その後も下腹部痛が続いて再受診した。精査依頼で当院に紹介された。

 発熱はなく、今はそれほど痛くないという。腹部は特に下腹部が膨満しているが、もともと体格がいい。臍部から左下にかけて圧痛があった。腹部単純X線で腸管のガスが多く、癒着性腸閉塞を疑った。内科医院の処方をみると、降圧薬といっしょに抗凝固薬が処方されていた。心電図で確認すると、正常洞調律だった。紹介状には腹痛のことしか記載されてないが、発作性心房細動なのだろう。腸間膜動脈血栓塞栓症も考慮したが、3日前からなので違うのだろう。白血球数上昇とCRP上昇があり、部位からは憩室炎も考えられた。

 腹部造影CTを行うと、S状結腸に多発性憩室があり、下行結腸側で憩室炎の所見があった。今日は内科病棟に4名新規入院がが入って、さらにをの時91歳女性の肺炎が入院になるところだった(結局婦人科小児科病棟を借りて入院)。当番の外科の先生が、紹介先の内科医院の弟さんということもあり、保存的治療にはなるが、外科で入院をお願いした。押しつけた感はあるが、今外科病棟の入院が少ないので、分担ということで。

 

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