バセドウ病の治療は、第一選択はメチマゾール(MMI)で、初期投与量は15mg(またはそれ以下)/日分1(分割不要)だった。だったというのは、これまで分割するものと思っていたから。MMIは半減期が長いので、PTU(半減期が短いので分割投与)と違って1日1回投与でいいというのは知っていたが、初期量から分1にはしていなかった。
プロピルチオウラシル(PTU)は特殊な症例で専門医が使用するものだそうだ。これもMMI(こちらの方が効果が強い)でもPTUどちらでもいいのかと思っていた。「外来でどう診る?甲状腺疾患」jmed17(日本医事新報社)を読んでいるが、この本の編者・深田修司先生の以前の本をけっこう前に読んでから、甲状腺疾患の本は読んでいなかった。
FT4が正常化上限に入ってすぐ減量すると再燃することが多く、反対にTSHの正常化まで減量しないと重度の機能低下をまねく。FT4値(正常域が1.0~1.8ng/dLとして)が1.2ng/dLくらいで15mg/日から10mg/日へ減量する。その後TSHの正常化を指標にして5mg/日へ減量して、最終的に5mg隔日に減量する。
TSH受容体抗体の結果が判明せず、診断が確定しない時の「とりあえず」使用には、ヨウ化カリウム丸を投与する。(待てるなら、β遮断薬や精神安定薬の投与で待つのだろう)軽度のバセドウ病ではヨウ化カリウム丸だけでも治療できる。重症の時や、早期正常化させたい時は、MMI15mg/日とヨウ化カリウム丸1~2錠/日を併用する。なるほど、そうでしたか。