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なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

人に歴史(病歴)あり

2016年12月16日 | Weblog

 8月に入院した90歳男性は、今月末に施設入所が決まった。息子夫婦がすでに亡くなって、孫二人(20歳台の男女)と同居していた。1か月前から歩行できなくなっていて、数日前から食事がとれなくなっていたが、介護力がないだけだった。入院して食事を出すと、ちゃんと食べられた。若い孫では介護できないので、施設入所の手続きを使用としたが、なかなか病院に来てくれないので、ソーシャルワーカー(MSW)が苦労していた。

 そのうち誤嚥性肺炎(両側)になって、かなり危ない状態になったが、何とか治癒した。不穏がひどくて(看護師さんに手を出してくる)、抗精神薬を少しずつ増やした。食事がとれなくなったが、休薬したらまた食べるようになった。薬の効き過ぎだった。地域包括ケア病棟に移ってからは、不穏もなくなり、機嫌よく過ごすようになった。幸いに誤嚥性肺炎も再発していない。地域包括ケア病棟の入院期限(60日)ぎりぎりでの施設入所だった。

 もともと外来は消化器科と泌尿器科に通院していた。施設の嘱託医宛てに紹介状を書くので、改めて病気を見直した。胆嚢結石と総胆管結石があり、胆道感染症をきたしたこともあった。本来総胆管結石があれば、原則全例治療対象だが、今のところ症状がなく、90歳認知症なのでこれは経過観察になる。肝硬変の病名もついていて、非B非Cと記載があったが、ずっと以前に診ていた内科医の提出した検査で、抗ミトコンドリア抗体陽性の結果があり、原発性胆汁性肝硬変(PBC)だった。内視鏡検査で軽度の食道静脈瘤(F1Cw)もあった。肝性脳症に陥ったこともあるらしい。処方はウルソ3錠で、これは大いに意味のある処方だった。

 また血清ビタミンB12が測定感度以下になったこともあり、メチコバール内服で軽快していた。これも以前の検査で内因子抗体陽性の結果があり、悪性貧血だった。悪性貧血でも、メチコバール筋注でなく、内服でも治療可能という例だった。さらに胸部大動脈瘤もあり、大きさ的には治療対象だが、経過観察になっていた。破裂した時は即死するというのは、孫も知っていた。なかなかの病歴だった。

 昨日から右肘が痛い。最初は筋肉痛なのかと思ったが、関節痛(関節炎)だった。しだいに熱感をもつ様になって、若干腫れている。外傷(打撲)ではない。他の関節炎はない。これは何だろう。高尿酸血症が2年続いて(7mgdl台)、そのうち足趾の関節痛が出た(第一母趾関節ではない)。痛風の関節炎と思われたので、NSAIID内服しているうちに治った。現在フェブリク内服中。昨年は左肩関節痛が起きた。NSAID内服1週間で治った。単関節炎で外傷でも化膿性でもない(たぶん)ので、結晶誘発性になるが、痛風によるのか、偽痛風なのかわからない。NSAIDを2j回内服して熱感はとれたが、まだ痛い。

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