5月29日(水)は当直だった。午後6時半ごろに腹痛の息子を受診させたいと、その父親から連絡がきた。38℃の発熱もあるそうだ。手術が必要な疾患かもしれないと思ったが、来てもらうことにした。
患者さんは50歳男性で、2日前の27日午後8時から腹痛が生じている。最初は心窩部痛だったが、しだいに右下腹部痛になっていた。虫垂炎を疑う経過だった。
前日も当日も日中仕事をしていたが、受診当日は歩いても腹部に響く状態だった。訴えも訊くと答えるという感じで、我慢強いというより遠慮がちな方だった。
右下腹部全体に圧痛があり、percussion tenderenessもある。筋性防御もあるように思われる。点滴と採血を行った。
白血球11200・CRP9.2と炎症反応が上昇していた。肝機能障害・腎機能障害はなかった。Hb14.2とその日は食事摂取できなかった割に脱水状態ではなかった。水分はとっていた。
腹部造影CTで腫大した壁肥厚した虫垂を認めたが、破裂したわけではないようだ。周囲の脂肪織に炎症像を伴う。小腸内の消化液が目立つので、麻痺しているのかもしれない。
当院は外科常勤医はいないので、地域の基幹病院の外科系の先生に連絡した。受けてもらえたので、すぐに救急搬送した。
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