教育史研究と邦楽作曲の生活

一人の教育学者(日本教育史専門)が日々の動向と思索をつづる、個人的 な表現の場

教師と生徒の関係づくり

2007年02月11日 19時20分38秒 | 教育研究メモ
 今日もゆっくり起きました。
 山田浩之『マンガが語る教師像』(昭和堂、2004年)読み切り。熱血教師という教師像の向かうべき方向性を、1970年代のマンガに出現し、1980年代~1990年代に不良教師に取って代わられて衰退し、2000年代に再び別の形で復活してきた、マンガにおける熱血教師像の歴史をたどることで指し示す本です。この本によれば、今の教師には、熱中できる「何か」を生徒に提供するという意味で「熱血」が求められており、生徒が熱中できるものを見つけた時は身を引いて時には助言・諫言しながら見守ることが求められているということです。私も学習塾で小学生を教えていたことがあるのですが、児童たちが楽しんでいる中に、ついつい自分も入っていきたくなる気持ちが盛り上がった時がありました。初等段階と中等段階では違うかもしれないですが、でもそれは教科指導や生徒指導の時に必要となる「教師の権威性」を損なう上、生徒たちは、教師に自分たちを理解することを求めてはいても、自分たちの文化の中に教師が完全に入り込むことは求めていないことを考えると、慎むべきことなのかもしれません。生徒と仲良くなるという意味では、たまにはいいかもしれないですが。
 「群像」もupしました。
コメント
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