教育史研究と邦楽作曲の生活

一人の教育学者(日本教育史専門)が日々の動向と思索をつづる、個人的 な表現の場

教育史学会シンポジウムで指定討論に立ちました

2018年10月06日 23時01分01秒 | Weblog
 先週末の台風で大荒れの教育史学会第62回大会でしたが、とりあえず自分の役目は果たせました。台風で帰れなくなりそうだったので、2日目は早めに切り上げて帰宅しました。多くの発表が聞けなかったので残念でしたが、翌週の仕事は無事こなせました。そのあとは爆発的に絡んでくる仕事で忙殺されておりました。

 シンポジウム「教育史とはどのような学問か」では、教員養成における教育史の重要性を強調したのですが、フロアに受け入れられるか不安でした。教育史学会ではこの20年ほど意識的に教員養成から距離を取ろうとする風潮が強かったためです。直前の最終打ち合わせで、企画者にもっと自分の立場を明確に出して欲しいと促され、かなり自説をさらけ出した形になったので、なおさら不安でしたが、終了後にかなりたくさんの方々に「登壇者のなかで一番共感した!」と言っていただきました。なかには無言で力強く握手をしてくださった方もいました。後では、大先輩・同年代の研究者や、H大の後輩たちとも前向きの姿勢で大いに語り合うことができました。自分のような考え方はマイナーなのではないかと思っていて、心細く思っていたのですが、こんなに共感者がいるんだとわかり、心強く思いました。
 他の登壇者の方々とも、事前打ち合わせの時からつっこんだ議論ができ、それぞれが教育史の未来を考えておられる様子をうかがうことができました。司会の尽力で議論が交通整理され、提案者・他の指定討論者・フロアとの議論は活発に進みました。私の力量不足で十分深められなかったところもありましたが、議論を通して教員養成を含む教育史の幅広い将来像を構築することや、先達の追究を踏まえた教育史理論の構築、教職教養の実践としての教育史研究など、今後取り組むべき課題が見えてきたと思います。また、今回の議論をきっかけに、教育史学者が、歴史学者としてだけでなく、教育学者として教職教養としての教育史の確立につとめるような将来につながっていけば幸いです。
 シンポジウムの発言・資料や自分なりに総括したものは、シンポのまとめ原稿と大学の紀要で活字化するつもりです。課題も残されていますので、継続的に取り組みたいです。

 とりあえず、大役を務め切ることができて、ほっとしました!

 あと、いろいろな人と仕事の相談も。やるべきことは尽きません。
コメント
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