教育史研究と邦楽作曲の生活

一人の教育学者(日本教育史専門)が日々の動向と思索をつづる、個人的 な表現の場

「いい本」とは

2007年02月23日 21時01分48秒 | 教育研究メモ
 今日は、某学会への再投稿に向けて勉強するため、図書館からいろいろ本を借りてきました。そして今日は、藤垣裕子『専門知と公共性-科学技術社会論の構築へ向けて』(東京大学出版会、2003年)を少し読みました。科学技術の問題の中には、不確定要素が多くて科学者にも答えられない問題であるが、今現在、社会的合意が必要な問題があります。そのような性質の問題を解決する際に専門家(科学者・技術者)が果たすべき役割を、科学技術社会論(知識社会学も?)の視点から考える本です。博論構想を考えるのに参考にできそうな知識・概念・問題意識が満載で、興味深く読みました。
 「いい本」というのは、自分の考えを整理してくれたり、前進させてくれたりする本だと思います。藤垣著は、最初は、今日たまたま手にとって「ん~…直接関係はないように思うけど、借りてみようか」と思った程度の本でした。ですから、この本と私の出会いはまったくの偶然だし、消極的な出会いでした。しかし、今の私にとってこの本は、とても「いい本」のように思います。科学技術と教育の問題は性質が違うと思いますが、この本を読むことで、悩んでいた点(主に博論の問題意識)についていろいろな考えが湧いてきたからです。とりあえず、思いついたことをメモしておきました。
 また、今日はTG大のH先生(研究室OG)が研究室に来られたので、お話しをしました。今の研究室の状況を心配してくださり、私の研究についても相談に乗ってくださいました。また、私は論文を通して先生の研究に興味を持っていたので、専門の内容についてもいろいろお話を聞きました。資料の所蔵状況や資料調査のコツなども話題に上り、たいへんタメになりました。数年前に一度ご挨拶をした以来、なかなかお話しする時間はとれず、いつも挨拶だけや遠くから見かけるだけで年月が過ぎていたのですが、ようやくたっぷりお話ができました。
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