道徳の「徳」とは、「彳(テキ)」と「直(チョク)」と「心(シン)」とで成る漢字である。「直」は、「│」と「目」を足した会意文字であり、まっすぐ目を向けることを示す。「心」は、心臓を示す象形文字であり、すみずみまでしみわたる働きをあらわす。この「直」と「心」を足した「悳」は、本性のままの素直な心を意味する。これに「彳」を加えたのが「徳」であるが、「彳」とは、十字路をあらわす象形文字であり、進み行くことや道路をあらわす記号である。すなわち、「徳」とは、本性のままの素直な心にもとづく行いを意味する。
道徳の「道」は、「シンニョウ」と「シュ(首)」から成る。シンニョウは「行くこと」を意味する。シュ(首)は、頭のことである。したがって、「道」は、ある方向にのびて、頭を向けて進みゆくみちのことである。転じて、基準とすべきやり方や、先導することなどの意味を持つ。