教育史研究と邦楽作曲の生活

一人の教育学者(日本教育史専門)が日々の動向と思索をつづる、個人的 な表現の場

俺は何に迷っているのか

2011年06月21日 22時04分50秒 | Weblog

 今日は少し気分がよいようです。これが続けばいいのですが。

 さて、スキマスイッチの「ゴールデンタイムラバー」(2009年)という歌の冒頭、次のような歌詞があります。

 「集中できてないな  まだ体が迷っているんだ」

 最近、この歌詞が、今の自分になんかガチンっと来ました。そして、納得…。確かに、集中できていない時とは、何かに迷っている時なのです。

 焦っても焦っても、体も心もなかなか動かない。今の自分が何かに迷っているのはわかる。では、いったい何に迷っているのか? 今はそれがハッキリ見えてこない。

 なお、この歌は、Wikiによると、元々麻雀をテーマにした歌だったそうです(笑)。他の部分の歌詞は…なんだかスキマスイッチさんらしい感じだなぁと思います。この人たちの歌を聴くと、いつも私には「ん~?」と思うところがあるので全部に入り込めないのが悔しいのですが、声やメロディは大好きだし、上のようにたまにぴぃーんと琴線に触れる歌詞があって見逃せないんですよね。
 この歌は、アニメ「鋼の錬金術師」の主題歌でもあります。今まで一度も見たことなかったのですが、GyaO!で無料提供されていたので見始めたところ、ついハマってしまいました。一種の現実逃避でしょうかね(笑)。

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発達状況に応じた保育について【5歳児】

2011年06月20日 23時55分55秒 | 幼児教育・保育

 今日は早朝から次々と問題発生。ここまで無理してやってきたツケが回ってきた様子。何とか対処し切ったのはいいのですが、昼過ぎまでそれらへの対応で終了。教材開発しようと思っていた時間がすっかりなくなってしまって…
 思うようにいかない時は、よくある。失敗から教訓を得て、次の計画に活かせばよい。というより、それしかない。


【5歳児ならではの経験の例】
 5歳児の一般的な発達状況は、次のようなものがある。例えば、身体のコントロールが巧みになり、足が地面から離れても身体をコントロールできるので、自転車・竹馬・鉄棒・うんてい・なわとび・とび箱などの運動を楽しめるようになる。
 「~したら~する」ということを自分で調整し、子どもだけでのルール遊びができるようになる。勝ち負けのおもしろさを理解し、時間をかけた変化への長期的見通しを立てるようになり、ルール遊びの展開も多様になる。「同じ」の見極めが高度化し、見かけだけでなく、質への注目が始まる。二分法(前後、大小、長短)だけでなく第三の世界を捉える(前-間-後、大-中-小)ことができるようになることにより、目標に向かう過程で工夫したり、「ちょっとだけ」や「どっちでもない」などの微妙な違いの理解・表現や、「まあいいよ」という妥協・譲歩ができるようになる。目標を協同で追求し、友達の得意・不得意を見極めて役割分担をして、責任をもって役割を果たしたり、何度も練習したり、相手の立場に立って考えたり、教えたりできるようになる。
 また、上位概念を形成できるようになり、色と道具、形と食べ物などのように言葉を関連づけて構造化できるようになる。文字への関心が高まるとともに、語尾を伸ばしたり「えっとね」「あのね」などを使ったりして文と文をつなぐようになる。ある程度系統的に思考するようになり、ストーリーのあるごっこ遊びを楽しむようになるとともに、逆にストーリーの筋道を大きく変化させる「大どんでん返し」を楽しめるようにもなる。いずれ論理的思考となる基礎を形成していく時期でもある。
 保育者は、5歳児の保育をどのように進めるべきか。5歳児では、集団になって時間をかけて何かを作り上げることを十分楽しみ、努力していけるようになる。そのため、行事を節目や目標にして、みんなで行事を作り上げていくことを楽しみ、着実に有意義な経験を積んでいける。また、子どもたちが自分たちで意見を調整してルールを変えていくようになるため、子どもたちのアイディアを集団遊びのルールなどに加えて、多様な展開をするようにねらっていきたい。もちろん、5歳児といえども、これらのことが最初から最後まで子どもだけでできるわけではない。保育者は、観察やかかわることによって、子どもたちに任せられるところと支えるべきところを見極め、必要に応じて支援・指導していく必要がある。

<主要参考文献>
心理科学研究会編『育ちあう乳幼児心理学―21世紀に保育実践とともに歩む』有斐閣コンパクト、有斐閣、2000年。

(以上は、白石崇人『保育者の専門性とは何か』幼児教育の理論とその応用2、社会評論社、2013年に所収しております)

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発達状況に応じた保育について【4歳児】

2011年06月16日 23時55分55秒 | 幼児教育・保育

 仕事というのはさせればよいというものではない。仕事をしているのは機械ではなく、人間である。疲れれば仕事のでき具合は悪くなる。
 ううむ、疲れすぎて集中力が…


【4歳児ならではの経験の例】
 4歳児の一般的な発達状況は、次のようなものがある。例えば、「~しながら~する」ことができるようになり、力を込め続けて体重を支えながら上り棒を登ることができるようになる。また、利き手が決まるなどの身体の機能分化が進み、紙を回しながらハサミで切ったり、形を切り抜いたりすることが巧みになる。イメージ通りに自分なりに体を動かすことを楽しむとともに、逆にイメージ通りにできず苦手意識を持つようにもなる。
 適切な援助を自分から求めたり、相手に教えたりお手伝いしたり(ただし少し手伝うことはできず、全部やってしまう)、相手の主張や意図を踏まえつつ根拠ある自己主張をするようにもなる。他者とイメージを共有して行動することが顕著になり、イメージを共有していることを前提としてわざと間違えて楽しむこともできるようになる。「~したいけど…」や「~はいやだが…」のような気持ちの揺れを経験するが、葛藤を調整することはまだ難しい。また、生活再現のごっこ遊びにおいてそれぞれの役割を意識するようになり、役割設定や「する/される」を交代させるような役割交代をするようになる。
 因果関係を理解する。それまでの経験の積み重ねによる自信や自己信頼感に基づき、次や明日に期待したり、気持ちを調整して立ち直ったり、自制したりする。語彙が1500~2000語程度に増えるとともに、「いつ」「どこで」「だれが」「~した」といった語りの様式を使えるようになる。大人の手助けを得ながら、言葉や自分の気持ちをコントロールし、次第に自分たちで問題解決を進めるようになる。また、丸だけでなく、角を表現するようになり、場面を囲って1枚の紙に複数の場面を表現することができるようになる。短期記憶量が増え、4つの数を復唱したり、10くらいまで数えたりする。
 保育者は、4歳児の保育をどのように進めるべきか。4歳児では、相手の意図を考慮しつつ自分の考えを調整したり、役割を意識したり交代したり、次に期待することができるようになる。そのため、鬼ごっこのような役割交代を含むルール遊びを楽しめるようになる。また、毎日の世話が必要な、動物の飼育や花の栽培なども楽しめるようになる。ただし、それらはまだ一人や子どもたちだけでは十分にできない。保育者は、このような機会を意図的にねらっていくとともに、適宜、支えていく必要がある。

 <主要参考文献>
心理科学研究会編『育ちあう乳幼児心理学―21世紀に保育実践とともに歩む』有斐閣コンパクト、有斐閣、2000年。

(以上は、白石崇人『保育者の専門性とは何か』幼児教育の理論とその応用2、社会評論社、2013年に所収しております)

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発達状況に応じた保育について【3歳児】

2011年06月15日 23時55分55秒 | 幼児教育・保育

 一つ大仕事が終わりました。次は、たまっている仕事を片付けていきたいと思います。
 さて、以下続き。5歳児までまとめていますが、1歳分ずつもったいつけて公開しております。


【3歳児ならではの経験の例】
 3歳児の一般的な発達状況は、次のようなものがある。例えば、膝のバネや平衡感覚が発達し、地形に合った動きや三輪車やボールなどの遊具に応じた運動が確かになる。左右の手の協調が進み、紙を持ってハサミで切ったり、箸を使ったり、一人で衣服をうまく着脱したりできるようになる。トイレへ一人で行くようにもなる。
 自分ですることをくり返すことで自信がつき、言葉での自己主張や理由をつけた拒否がはっきりするようになる。次第に相手との関係を踏まえて行動することも見られるようになるが、まだ妥協は難しい。親しい大人との関係を基礎として、子ども同士の関係も親密化し、2~4人程度の群れをつくるようになる。並行遊びが見られ、友だちと時間と場所を共有して遊ぶことを楽しむようになる。感情のコントロールが未熟であり、気持ちの浮き沈みは激しい。記憶を維持しつつ自分なりに再現することができるようになり、生活再現のごっこ遊びを楽しむようになる。使える語彙が500~700語程度に増加し、かつ助詞や副詞を含む単文を話し、初歩的な複文も話すようになり、話の前提に疎い親しい大人以外からの質問にも答えられるようになる。「どうして」や「いつ」とも聞くようになる。
 視点の違いはまだ理解できないが、不思議に思えるようになる。丸や四角だけでなく、台形やひし形などもわかるようになり、二つの図形を合成するようにもなる。物事の抽象化や規則性への気づきが始まり、赤・青・黄・緑などの基本的な色や、1~3までの数を理解し、自分で造語を作ったりする。顔を描いたり、描いた丸を名付けたりして、意図的に表現するようにもなる。想像力が豊かになり、想像上のお化けや怪物などをこわがったりするようになる。
 保育者は、3歳児の保育において、どのようなことをすべきか。3歳児の時期では、図形を区別したり、合成したり、視点の違いに気づいたりするようになり、ブロック遊びや折り紙を楽しめるようになる。図形の区別・合成や視点が変わると違った形に見えることなどに気づくよう、そのような機会を意図的に作ったり、声かけをしたい。また、まだ並行遊び中心であるために一見わかりにくいが、3歳児は友だち同士の場の共有を楽しんでいる。みんなで一緒に同じ行動をして楽しめるように、場と時間を設定することなどが考えられる。
 3歳児は、集団での設定保育を効果的に行えるようになる時期とも言える。ただし、まだルールの理解などは難しいため、3歳児の集団保育・遊びは4・5歳児のそれとは基本的に異なるものとして理解しておく必要がある。

<主要参考文献>
心理科学研究会編『育ちあう乳幼児心理学―21世紀に保育実践とともに歩む』有斐閣コンパクト、有斐閣、2000年。

(以上は、白石崇人『保育者の専門性とは何か』幼児教育の理論とその応用2、社会評論社、2013年に所収しております)

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発達状況に応じた保育について【2歳児】

2011年06月13日 23時55分55秒 | 幼児教育・保育

 情緒不安定の様子。自然に涙が出そうになる。叫びたくなる。
 …疲れてるみたいなので休みたいが、今週もノンストップ。仕事は増えるばかりだが、一つずつ、つぶしていくしかあるまい。


【2歳児ならではの経験の例】
 2歳児の一般的な発達状況は、次のようなものがある。例えば、歩く、走る、両足で跳ぶ、よじのぼるなどの行動が巧みになり、足のみで階段の上り下りができるようになる。手指の器用さもさらに発達し、両手で食器を使ったり、ボタンを自分ではめたりするようになる。三・四語の発話や、閉じた丸を描くようになり、表現力の発達が進む。
 要求が明確化するが、「できない」や「手伝って」と要求するだけでなく、「見てて」と要求して親しい大人に見守ってもらって自分の気持ちを後押しし、要求を調節するようにもなる。友だちといっしょに行動したがり、共通性を見つけて共感したり、拒否・否定されると悲しみ・怒りを感じるようになったりして、友だち関係が深まっていく。
 物事の区別能力が見られるようになり、「大-小」の区別だけでなく、次第に「長-短」の区別もつくようになる。また、物事からイメージを喚起したり、環境への興味関心が進んで「これ何?」をくり返し、次第に「だれ」「なに」「どこ」「どっち」などの言葉も使ったりするようになる。思い出したことを話したり、目の前にないことを話題するなど、記憶を維持しつつ自分なりに再現するようになる。2歳半頃になると、「~してから~する」や「~だから~する」を因果関係を徐々に理解するようになり、目的のある行為や単純なまとまりのある動作につながっていく。このため、少し待ったり、物を貸したりすることができるようになる。
 保育者は、これらの経験をより充実させるために、例えばどのようなことをすべきか。例えば、使いたいおもちゃを少し待ったら貸してもらえる経験や、貸したら戻ってくる経験をねらって、他の子どもと一緒の場所にいさせたり、おもちゃを共有したりする。また、おもちゃを貸す時や返ってきた時に、貸したらいずれ戻ってくることがわかるような声かけや、我慢して待ったことを認めたりするなどが考えられる。

<主要参考文献>
心理科学研究会編『育ちあう乳幼児心理学―21世紀に保育実践とともに歩む』有斐閣コンパクト、有斐閣、2000年。

(以上は、白石崇人『保育者の専門性とは何か』幼児教育の理論とその応用2、社会評論社、2013年に所収しております)

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発達状況に応じた保育について【1歳児】

2011年06月10日 23時55分55秒 | 幼児教育・保育

 どうも、ごぶさたしております。忙しさとぐらつく精神と闘っておりましたところ、いつの間にか2週間以上も間を空けていましたね。

 最近、時間を見つけて、自作テキストづくりをしております。以前にもやっておりまして、その時作ったものは今でも授業に使っております(「その他業績一覧」の<私家版>のやつです)。今年度より担当科目が増え、かつ従来担当していた科目の内容をリニューアルすることになったので、そろそろ新しい内容も追加しなくては、と思っておりました。ぼちぼち書いていこうと思っていたところ、今少しでもやっておかねば、後でやろうとしても忙しくなって無理っぽい雰囲気になってきましたので、ようやく動き出しました次第です。
 自作テキストの内容は、まぁ、レポートみたいなもんですが、ちょっとだけ記事にしていこうと思います。書き殴っているので、練られた読みやすい文章とは言い難いですが、何かの参考になれば幸いです。今日の記事は、乳幼児発達心理学の成果をまとめて、保育のねらいにつなげていく、という内容の一部。1歳児の部分を書き抜きました。
 発達に関する知識は、後述の文献によります。内容に関する意見やオススメの参考文献など何かありましたら、コメントに残しておいて下さい。私はもちろん、読者の方にも参考になりますので。


2.発達状況に応じて保育するための「ねらい」

(1)各時期ならではの経験を積む
 ある時期の発達は、次の発達を進めるためだけのただの準備段階ではない。幼児期は、次にくる児童期やその先の成人期のただの準備期間ではない。結果的に次の発達に有益に働くことはあるが、次の発達のために犠牲にしてよいものではない。特定の時期の発達は、その時期特有のかけがえのないものである。
 例えば、言葉づかいを早く巧みにするために、発達状況を無視して大人びた言葉を教えたり、文字を早く教え込んだりすると、言葉の発達が進むどころか、その子の生涯発達上に問題を残しかねない。あまりに早くから大人びた言葉に親しみすぎると、経験をともなわない空虚な言葉を操ってばかりになったり、大人とばかり話したがったり、子ども同士の人間関係が広がらなかったりする。同年齢の友だちと共感したり、ケンカしたりする経験をしてこなければ、結果的にその後、その子が対人コミュニケーションに苦労することになる。その時期ならではの活動や感情などを十分に経験することが、結果的に次の発達を進めるのに有益に働くのである。
 各時期ならではの経験を積むには、どのような保育をしていくべきか。以下、1歳児から5歳児までの発達状況に応じて、どのような発達をねらっていけるか、主に発達心理学の知見を利用して考えてみよう。
【1歳児ならではの経験の例】
 一般的に、1歳児(とくに1歳半以降)の発達状況は次のようなものが挙げられる。例えば、直立二足歩行をするようになり、1歳半くらいまでに歩行が安定する。姿勢を変化・保持する能力が発達し、坂や段差にも対応するようになる。初語が出て、1歳半くらいまでに語彙が急増し、二語発話も出るようになる。指さしや身振りなどで、親しい大人とコミュニケーションをとるようになり、大人の問いかけに指さし等で応答するようにもなる。手指のコントロールも巧みになり、スプーンで食べ物をすくって口まで運んだり、クレヨンなどで殴り描きをしたりして、道具を使うようになる。自分でしたいという気持ちがはっきりしてきて、大人が手伝おうとすると拒否したり抵抗したりすることもある。自分の「つもり」やイメージを持続させて状況・時間を越えて自分自身を意識することができるようになり、手にしていない人形を自分のものだと主張することが見られるようになる。1歳2か月~8か月頃には、自分の名前を理解し、発話の中で使用するようになる。また、ものを介して友だちへ関心を向けるようになり、親しい大人以外の他者とかかわるとともに、自分の「つもり」にこだわってトラブルを起こすようにもなる。
 以上のような経験が、1歳児ならではの経験として挙げられる。保育者は、これらの経験をより充実させるために、様々な支援・指導をしていきたい。例えば、問いかけへ応答するという経験をねらって、保育者は子どもの返答を待ったり(たとえ行動に出なくても応答しようとする気持ちにつながる)、指さしにうなずいて応答の行為を受け止めることなどが考えられる。

<主要参考文献>
心理科学研究会編『育ちあう乳幼児心理学―21世紀に保育実践とともに歩む』有斐閣コンパクト、有斐閣、2000年。

(以上は、白石崇人『保育者の専門性とは何か』幼児教育の理論とその応用2、社会評論社、2013年に所収しております)

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