教育史研究と邦楽作曲の生活

一人の教育学者(日本教育史専門)が日々の動向と思索をつづる、個人的 な表現の場

2015.12.21中央教育審議会答申

2016年01月30日 23時37分44秒 | 教育研究メモ

 最近時々、家のインターネットが接続できなくなって、大量に時間を奪われることがあります。サポートセンターもいまいち役に立たず、今日は5時間以上のロス。気になってずっと触ってしまうのは悪い癖。最後は原因不明のまま復旧しました;

 さて、文部科学省のHPに昨年12月21日に出た3つの中教審答申が勢ぞろいしました。

1. これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上について ~学び合い、高め合う教員育成コミュニティの構築に向けて~ (答申)(中教審第184号)
2. 新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方と今後の推進方策について(答申)(中教審186号)
3. チームとしての学校の在り方と今後の改善方策について(答申)

 12月21日に出たはずなのにずっと公開されず、ほとんどニュースにもならず、どうなっているのかと思っていました。1月に入ってから順々に公開され、先日ようやく3つとも公開された次第です(番号は公開された順です)。どれも60ページを超える分厚い答申です。

 1は、教員養成・研修・採用に関する改革案であり、大学に限らず、都道府県市教育委員会や教員団体も必見のものです。教員養成について言えば、答申が決定した時の会議に出た参考資料には今後のスケジュール予定が混じっていましたが、それによれば、平成28年度半ばまでに答申に沿った法令改正が進み、29年度中に課程認定の事前相談、30年度に課程認定、31年度から新課程の実施を予定しているようです。うちのように教員養成中心のカリキュラムをもっている大学にとって、きわめて重要なスケジュールだと思います。あまり時間は残されていないと考えていいでしょう。また、教員研修のあり方も根本的な見直しが迫られています。教育委員会もこれから忙しくなるでしょう。
 2は、コミュニティスクールの拡大・普及、またはそれに類する学校と地域との連携をねらったものと思われます。3の「チーム学校」と連動しているように思いました。学校内の協働体制を確立するとともに、学校外との協働体制を確立することによって、地域社会全体で学校を支えていく改革案が示されています。どの程度金や人がつっこまれるかが成功の鍵になるでしょうね。

 学習指導要領・幼稚園教育要領の改定作業も、高大連携・センター試験改革案の策定作業も、大学改革案の策定作業もどんどん進んでいます。義務教育学校制度も整備されましたし、国立大学教員養成学部・学科の改革案もかなり出揃ってきました。この中で上の3つだけが停止するなんてことはなさそうです。
 学校も教委も大学も地域も、改革待ったなし。気が重いですが、ここはやるしかないのよね。やるならば、子どもたちにとって、教師や教師志望者にとってよりよい仕組みを作っていきたいところです。その仕組みづくりの一端を担うことができればいいなと思います。

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「学び合いのネットワーク」と「教育会」

2016年01月16日 06時12分11秒 | 教育会史研究

 センター試験ですね。受験生の念願成就を祈ります。開催会場の大学の教員もお互いがんばりましょう。

 さて、昨年末に出された中教審答申「これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上について~学びあい、高めあう教員育成コミュニティの構築に向けて~」(平成27年12月21日答申)を、時間を見つけて熟読しております。教員養成・研修のあり方を大きく変える答申であり、しっかり受け止めなければならないことが答申全体にわたって書かれています。
 この答申にこんなことが書かれていました。

 近年の大量退職、大量採用の流れの影響から、必ずしも年齢構成や経験年数の均衡がとれている学校ばかりとはいえず、効率的・効果的な校内研修の実施に支障を来す場合があることも想定される。たとえば、ミドルリーダーとしての活躍が期待される教員が不足し、単独では十分な校内研修等の実施が困難な地域においては、中学校区を一単位としたブロック単位での研修実施などの工夫が見られる。このように、必要に応じ、各教育委員会が域内において学校種ごとあるいは国公私が連携した合同での研修やさまざまな年齢や経験を持つ教員同士の学びの機会を提供し、そうした教員同士における学び合いのネットワークの構築が図られることなどが望まれる。また、そうした学びの機会が可能な限り得られるよう、校長等が配慮するとともに、そうした体制を整えていくことが必要である。(21~22頁)

 ここでは、教員研修の改革のために学校内に限らず中学校区単位の「教員同士における学び合いのネットワークの構築」が提案され、その主体として各教育委員会と校長等が挙げられています。これは、私が長年研究してきた「教育会」のあり方にとても似ていると思いました。教育行政当局と校長・指導的教員がこの「学び合いのネットワーク」づくりの中心的担い手になるとすれば、「教育会」の組織構造にそっくりです。ミドルリーダーの不足と初任・若手教員の増加という教員構成上の問題状況も、明治以来の「教育会」が必要とされてきた問題状況とよく似ています。違うのは、「学び合いのネットワーク」はすでにあった教員の学び合いの文化が崩壊しつつあるという問題認識に基づいてその文化を再構築するために必要とされ、「教育会」はそのような学び合いの文化がまだ形成されていないという問題認識から必要とされたことです(白石の学位論文「明治期大日本教育会・帝国教育会の教員改良―資質向上への指導的教員の動員」および白石『鳥取県教育会と教師―学び続ける明治期の教師たち』参照)。
 現在、「学び合いのネットワーク」が必要だとすれば、その先例として明治以来の「教育会」に注目することが有効なのかもしれません(参考にすべきところも批判・克服すべきところも)。しかも、教育会は地域に根ざした団体であったわけで、現在の教育改革の方向性にも近いように思います。

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うおおお\(゜ロ\)=(/ロ゜)/

2016年01月06日 20時12分02秒 | Weblog

 今年は、というべきか今年もというべきか、1月は多忙です。

 後期9科目の授業・授業準備、1年生のキャリア教育の準備・実施、4年ゼミ生7名の卒論最終指導、3年ゼミ生12名の半年研究成果発表会の題目・レジュメ指導、共同研究論文のマネジメント。
 それに加えて、某試験準備・業務、科研研究会の出席、鳥取県史編さん事業の資料集最終校閲の締切。
 中教審が年末に教師教育・地域連携に関する答申(たぶんチーム学校のも)を出したので、読まなければならない。教員養成改革の先行例からも学ばなければならない。

 時間の空きを埋めていくうちに、本当にこれでできるのか、いつ何をどのくらい予定に入れたらいいのか混乱してきた。\(゜ロ\)=(/ロ゜)/ 今年の目標設定もしなきゃいけないのに、それどころではない。毎日食べずにいられないのに、運動する余裕はなく、体重も増えるばかりで、体の調子も徐々に妙な感じになってきた。

 月後半締切の論文原稿は仕上がっていると思う。できてなければ乗り切ることは不可能。月末にはノート・レポートチェックも待っている。 うおおお、なんかわけがわからなくなってきたぞ!\(゜ロ\)=(/ロ゜)/

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謹賀新年2016

2016年01月01日 23時55分55秒 | Weblog

 今年は申年。今回の母の作品です。

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