教育史研究と邦楽作曲の生活

一人の教育学者(日本教育史専門)が日々の動向と思索をつづる、個人的 な表現の場

目次詳細(道徳教育の理解を深める 第10~13章)『教育の理論④道徳教育の理論と方法―道徳を考え議論するために』

2023年02月24日 21時08分00秒 | 目 次
 続いて、テキスト第4巻の第2部では、道徳教育の現代的課題を取り上げて、道徳教育の理解を深めようとしています。現代的課題といってもいろいろありますが、本巻では「生命尊重」、「ルール」、「いじめ」、「情報モラル」の4つをテーマに考察しました。
 第10章では、生命尊重の精神をどう育てるかについて、命と食の2つに関わる道徳教育関係の実践を通して考察しました。資料にしたのは、実践記録『豚のPちゃんと32人の奨学生』(ミネルヴァ書房、2003年)としてまとめられ、映画『ブタのいた教室」(妻夫木聡主演、日活、2008年)にもなった、黒田恭史氏(元小学校教員)の実践です。黒田実践は、1990年度から92年度に大阪府豊能町立東能勢小学校で行われ、鳥山敏子氏のいのちの授業実践の影響を受けて「ブタを育てて食べる」ことを目指しました。まさに命と食にまたがる教育の在り方を考えさせる題材となっています。この章では、黒田実践のあらましと、その計画・展開段階に関する論点を整理した後、かなり踏み込んだ批判的考察を行いました。ペット/家畜問題など、黒田実践について踏み込んだ批判を行い、生命尊重の教育を行う上で本質的に気を付けるべきことを明らかにしようとしました。
 第11章では、ルール指導について、ルールを守ることだけでなく、見直したりつくったりすることも見据えた教育について考察しました。松下良平氏のルール概念「共同体道徳/市場モラル」をもちいて、ルールの問題が人間観にも通底していることを確認しながら、ルールの見直しやルール作りの実践の必要性を明らかにしようとしました。
 第12章では、いじめ問題について、防止対策としての道徳教育の可能性に注目しながら考察しました。まず、いじめ防止対策推進法の重要性や実践に与える影響を確認した上で、「いじめ」の仕組みを様々に考察しました。その上で、いじめに教師がどう向き合うべきか、よって立つべき立場を3つの観点から明らかにしました。1つ目は「いじめられる者にも原因がある」という考え方をもっていじめ問題に向き合わないこと、2つ目は発達のつまずき、3つ目は教師によるいじめの助長という観点です。「いじめられる者にも原因がある」という考え方はよくある常識的な考え方ですが、ここでは、教師がこの考え方をもつことでいじめ問題にきちんと向き合えなくなることを問題視しています。教師という特殊な立場に立った視点設定になっています。また、発達のつまずき、とくに第6章で問題にしたコミュニケーション能力・認知能力と道徳性の発達のアンバランスなどに注目したのは、いじめっ子や観客・傍観者たちを教育(更生)していく上で重要であろうと思ったからです。教師によるいじめの助長という観点は、いじめ防止には教師自身の問題に気づく必要があること、そして教師の学級経営に目を向ける必要があることなどをきっかけにしています。
 第13章では、情報モラル教育について考察しました。国立教育政策研究所の2領域5分野に注目したのは、情報社会形成への貢献という教育分野を明確にとっているからです。身を守る教育や、マナー教育だけでは情報モラル教育として不十分です。また、情報モラルを過度に特別視するのではなく、日常の人間関係上の道徳と結びつけて取り扱う必要についても考えるために、ケースメソッドをちょっと取り入れました。
 結章は、第1部・第2部の内容を、目的と方法で整理してまとめました。
 
 これまでのKindleテキスト「教育の理論」シリーズ第1~3巻も同様ですが、第4巻の内容は、私の十数年間の大学における教員養成の実践を総まとめしたものが土台になっています。今後も必要に応じて更新しながら、新しい実践を生み出していきたいと思います。本シリーズが今後の教員養成と教育をさらに推進する一助になれば幸甚です。

 
 白石崇人『教育の理論④道徳教育の理論と方法―道徳を考え議論するために』Kindle、2022年。

 第2部 道徳教育の理解を深める
第10章 生命尊重の精神をどのように育てるか? ―命と食に関する教材・活動
 1.生命尊重の精神を育てようとした実践例
 (1)豚を飼う教育のはじまり
 (2)豚を飼ってどうするか
 (3)子どもたちの結論
 (4)黒田実践の結末
 2.黒田実践から何を学ぶか
 (1)計画段階について残された問題
 (2)展開過程について残された問題
 (3)黒田実践・「ブタのいた教室」再考
第11章 ルールを指導するには? ―守る、見直す、つくる
 1.ルールの存在意義
 2.ルールの種類
 (1)「共同体道徳」としてのルール
 (2)「市場モラル」としてのルール
 (3)ルールの根源にある人間観
 3.ルールを「見直す」「つくる」
第12章 いじめを防止するには?
 1.いじめの定義
 (1)「いじめ」の問題化といじめ防止対策推進法
 (2)いじめの構造
 2.いじめにどう向き合うか?
 (1)「いじめられる者にも原因がある」という主張にどう向き合うか?
 (2)発達のつまずきという観点
 (3)いじめと教師
第13章 情報モラルをどのように育てるか?
 1.情報モラル教育の基本
 (1)情報モラルとは?
 (2)情報モラル教育の2領域5分野
 2.情報モラル教育についてケースを通して考える
 結 章
 1.道徳教育は何を目指すか?
 2.道徳教育は何をどう教えるか?
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目次詳細(道徳科指導案編成の基本 第5~9章)『教育の理論④道徳教育の理論と方法―道徳を考え議論するために』

2023年02月22日 23時55分55秒 | 目 次
 長い間が空きましたが、テキスト第4巻の紹介を進めます。
 テキスト第4巻第1部は「道徳教育の基本」について解説しています。第1部の前半で基本的方向性に関する学校道徳教育の目的や歴史をおさえ、後半では道徳科授業の内容・方法に関する基本的事項をおさえるように構成しています。

 具体的には、第5~9章では、道徳科授業のつくり方を順次解説しました。第5章では、学校の教育活動全体を通した道徳教育の中の道徳科授業、という考え方を示しています。1時間の道徳科授業の指導案を編成することを想定しているので、先に授業の主題設定の基本的方法を解説していますが、主題設定には、取り扱う道徳的価値そのものを体系的に理解し、年間指導計画や単元(ここでは一定の目標・内容に基づく教育活動のまとまりを単元と呼んでいます)のなかの1時間として計画することに留意できるように解説しています。
 第6章では、児童・生徒理解(児童観・生徒観)から出発する道徳科授業を目指して、児童期・青年期初期(思春期)における道徳性の発達をどのように理解し、授業づくりにどのように反映させるかについて解説しています。道徳性の発達については、幼児期からの発達を踏まえて、コミュニケーション能力や認識能力の発達との関連から考察しているのが特徴です。道徳性の発達に応じた授業づくりについては、コールバーグのモラルジレンマ授業の理論を基盤にしました。
 第7章では、道徳科授業にかかわる教材研究の視点や方法について考察しています。教材の特性を生かさずにしゃくし定規に定型的な授業しても、考え議論する道徳科授業は実践できません。また、教材なしで日常生活だけを題材にして授業しても、広く深く考え議論することは難しいと考え、章の内容を構成しました。
 第8章では、授業展開をどうやって計画するかについて考察しています。授業段階についてはいろいろな事例がありますが、ここでは最もスタンダードな導入・展開・終結の意味をきちんとおさえて計画できるようにしています。また、道徳科授業の展開を考える上で最も重要なものは児童生徒の活動だと考え、そのための考え方を3つ提示しています。さらに、板書案についても基本的なことを解説し、ノートに写すための板書ではなく児童生徒が考え議論するための板書を目指すことを提示しています。そして、附録として、恐縮ながら私がつくった指導案もつけました(研究用として扱ってください)。第4巻で論じていることを具体的な指導案に落とし込むとこうなる、という例で、あくまで本書の学修を助けるための資料です。
 第9章では、道徳科授業の評価について解説しました。正直言ってまだ結論が出ているとは思えない領域ですが、検討しないわけにはいかないので、最低限これだけはおさえたいというところを説明しています。道徳科評価における最低限の観点として選んだのは、「自律的思考」と「多面的・多角的視点」、「自分自身との関わり」です。なお、私の提案では、「多面的・多角的視点」は「自律的思考」の高次なものとして段階的に関連づけました。

 以上の通り、初学者向けの限界のある内容ですが、テキスト第4巻第1部は、目的から指導案の書き方までを通して道徳教育の理論と方法を考察するように構成しました。初学者はもちろん、新指導要領または2015年の道徳科設置以降の道徳授業の基本を整理しておきたい人にも、ぜひ参考にしていただければ幸甚です。

 
白石崇人『教育の理論④道徳教育の理論と方法―道徳を考え議論するために』Kindle、2022年。

 第1部 道徳教育の基本
第1~4章 [前略]
第5章 学校の教育活動全体の中で道徳教育を計画するには?
 1.主題に基づく学習指導案
 (1)日時・場所・学級に応じた主題設定
 (2)主題設定の基本
 2.価値内容の理解と項目の体系性
 (1)主題と価値内容の理解
 (2)内容項目の体系性
 3.年間指導計画・単元のなかの道徳指導案
第6章 発達に応じた道徳教育とは? ―児童・生徒観に基づく指導を目指して
 1.児童生徒の実態(児童観・生徒観)に基づく指導案
 2.道徳性・社会性の発達段階―幼児・児童期を中心に
 (1)発達とは?
 (2)児童期の道徳性・社会性の発達
 (3)思春期における道徳性・社会性の発達
 3.道徳性発達を支援する授業
 (1)コールバーグの道徳性発達理論
 (2)モラルジレンマ授業
第7章 道徳教育では何をどう教えるか? ―教材・活動観に基づく指導を目指して
 1.道徳科指導案における教材観
 2.道徳教育の教材
 (1)道徳科の教科書
 (2)読み物教材と生活経験に関わる教材
 3.道徳教育の教材研究・開発
 (1)道徳教材は何のためのものか?
 (2)道徳教材の研究ポイント
 (3)教材開発のポイント
 4.教材研究と授業展開
 (1)小学校低学年教材「かぼちゃのつる」を事例として
 (2)小学校中学年教材「大切なものは何ですか」を事例として
第8章 道徳科の授業をどのように展開させるか?
 1.導入・展開・終結
 (1)展開・終結部の布石としての導入部
 (2)考え、議論する段階的な展開部
 (3)教師でなく児童生徒がまとめる終結部
 2.子どもの反応を予想した計画
 (1)台詞集的な教授・学習過程を避ける
 (2)教材を読み、理解を深め、共通理解する
 (3)考察を深めるための話し合い・ワーク
 3.多様な板書
  附 録 道徳科学習指導案(例)
第9章 道徳教育をどう評価するか?
 1.道徳科の評価に関する基本的考え方
 2.道徳科の評価規準の考え方
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目次詳細(学校道徳教育の基礎 第1~4章)『教育の理論④道徳教育の理論と方法―道徳を考え議論するために』

2023年02月06日 22時26分00秒 | 目 次
 久しぶりにKindleテキストの目次紹介です。第4巻の目次紹介が遅れておりました。
 教育の理論第4巻『道徳教育の理論と方法』は、序章・本文2部13章・結章で構成しています。小・中学校における道徳教育の理論と方法をまとめた内容で、「特別の教科 道徳」(道徳科)の指導案を最低限のことを踏まえて編成できるようになることを目指しました。道徳科の指導案を編成するには、そもそも道徳教育が何を目指しているか、現代日本の学校道徳教育の仕組みがどうなっているか(なぜこうなっているか)を知らないといけません。第4巻第1部の第1~4章は、こういう視点から、道徳教育のそもそもを考え、現代日本の学校道徳教育の目標と道徳科独特の位置づけについて整理しています。日本の小中学校における道徳教育の理論・方法は、世界共通・普遍のものではなく、良くも悪くも日本独特の個性的なものです。日本の学校道徳教育の個性について、第1章では「道徳」という言葉から、第2章では現行の学習指導要領やその背景にある法体系における目的・目標規定から、そして第3・4章では明治から平成(令和)までの日本の道徳教育史から探ろうとしています。
 第4巻第1章では、「道」と「徳」の語源と、人間らしさとの関係から道徳教育とは何かを考えます。特に、道徳は行為であり、道徳教育は頭でわかっただけでなく行為まで及ぶ必要があることを指摘しています。第2章では、学校道徳教育の基本的な方向性として欠かせない、学習指導要領と各法令における道徳教育の目的・目標について整理します。ここでは、道徳教育が善悪を教えることではなく道徳性(道徳的な思考力・判断力・実践意欲・態度)を育てるものであることを確認することが大事だと考えています。第3章では、「特別の教科 道徳」(道徳科)がなぜ設置されたか、その設置に至る歴史と、戦前の道徳教育専門の教科「修身科」との比較から考察します。ここでは、道徳科と修身科とが異なるものであり、道徳科は現代的課題に応えるものであることを明らかにします。また、修身科の歴史を「無視」ではなく「歴史」や「教訓」として捉えていけるように道徳教育に携わる教師としての歴史認識を育てようとしています。第4章では、戦前日本の修身科以外の道徳教育の歴史と、道徳科の直接の前身ともいうべき「道徳の時間」の設置とその展開をめぐる歴史を整理しています。ここでは、現代日本の学校道徳教育の基本である「教育活動全体における道徳教育」について、確かな歴史認識を育てることをねらっています。修身科以外の学校道徳教育を含めて日本道徳教育史を捉える認識がなければ、例えば、場合によっては「アメリカに押し付けられたもの」という誤りにも同意しかねませんし、修身科廃止「だけ」で戦前日本を克服したような誤った歴史認識をもつことになりかねません。また、1958年以降数十年間積み重ねられてきた「道徳の時間」の実践を「無視」してしまったり、それらの実践から教訓や課題等を引き取りにくくなったりしてしまいます。現代日本の学校道徳教育は、その原理や歴史をきちんと踏まえることで、しっかり認識できるようになるはずです。

 
白石崇人『教育の理論④道徳教育の理論と方法―道徳を考え議論するために』Kindle、2022年。

序 章 ―道徳授業に向き合うために
 第1部 道徳教育の基本
第1章 道徳とは何か? ―人間らしさと道徳
 1.「道」と「徳」
 (1)規範としての「道」と行為としての「徳」
 (2)人間らしい生き方としての道徳
 2.人間らしさと道徳
第2章 学校の道徳教育は何を目指すか? ―学習指導要領から
 1.学校道徳教育の目標
 (1)学校の教育活動全体における道徳教育の目標
 (2)「特別の教科 道徳」の目標
 2.学校道徳教育の目標の先にあるもの
 (1)道徳性をもった「主体性のある日本人」
 (2)学校教育法・教育基本法の目的、日本国憲法の精神
第3章 「特別の教科道徳」とは? ―成立経緯と戦前修身科から考える
 1.「道徳科」設置のねらい
 (1)「特別の教科 道徳」の新設
 (2)道徳科新設の背景―いじめ問題・規範意識低下対策、「心の教育」
 2.戦前の「修身科」の特徴
 (1)和漢洋の折衷的教材
 (2)徳目主義・人物主義・暗記主義
 (3)子どもの道徳的生活に対する関心の芽生え
 3.「道徳科」と「修身科」
第4章 なぜ「学校の教育活動全体における道徳教育」か? ―戦後日本道徳教育史
 1.修身科だけではなかった戦前日本の道徳教育
 (1)学校管理法・訓練法・訓育法
 (2)修身科以外における道徳教育
 (3)課外活動も含めた道徳教育
 2.社会科から「道徳の時間」の特設へ
 (1)社会科中心の道徳教育の挫折と「道徳の時間」の特設
 (2)道徳教育の目標・内容・方法の模索
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目次詳細(教育経営の広がり 第8~14章)『教育の理論③教育の制度と経営―社会の中の教育』

2022年10月18日 23時55分00秒 | 目 次
 相変わらず、あっという間に一日が終わってしまう毎日です。新刊紹介も途中で途切れてしまっていました。先月Kindleで出版したテキスト第3巻の後半部分を紹介します。
 なお、第3巻の表紙も、他の巻と同様、妻と一緒に完成させました。第1・2巻と比べて少し躍動的な感じになっています。こうしたのは、教育の心構え的な要素が強かった第1・2巻に比較して、実際に教育を動かしていく方法を中心に取り扱っていくことを表現したかったためです。

 教育の理論シリーズ第3巻『教育の制度と経営―社会の中の教育』の後半=第2部は、教育の経営について論じています。教育経営は教育学の研究領域の一つですが、ここでは教育目的を達成するための組織的・計画的な仕事、と単純に定義してまとめました。教育経営学や教育行政学の反応が気になりながら、とにかく、教師や様々な人々が学校・園を経営に関わっていく上で持っていてほしい見方・考え方を提供することに徹しました。
  目的達成のための仕組み(組織)が制度ですから、教育経営は教育制度を動かすこととも言えますね。そのため、第2部「教育の経営」の内容は、第1部で見てきた教育制度を動かし方の面から考えていくんだなと思って読んでいただけるとよいと思います。

 第2部は、子ども達や教師、または学校・教育から政治・福祉の方向へ、近いところから遠いところ・大きいところに視野が広がっていくように構成しています。第8章は、主たる教材である教科書を取り上げました。教科書は、教師と子どもとの間にあって子どもの学習を支え、発達を促す教育を経営していく上で欠かせない教育制度の一つです。制度と経営の両方に深く関わるものとして、教科書を取り扱っています。第9章は、学級経営について、教師と子どもの協働による学級づくりと、保護者との関係づくりについて論じました。教師だけでなく子どもとともに学級をつくっていく方法や、学級の外とのつながりを意識しながら学級を経営すること、学級経営と子どもの背後にいる保護者との関係、保護者との関係づくりにおいての目標や気を付けるべきことなどについて論じています。学級経営を保護者連携と絡めて論じているのが特徴です。第10章は、学校経営について、チーム学校と学校運営協議会(コミュニティ・スクール)に焦点を当てて論じました。現在、教員と他職種との連携機会の増加、公立学校のコミュニティ・スクール化が大きな課題になっており、これらをどのように統合して学校経営につないでいくかを問題としています。子どもたちのための学校経営を実現するには、やはり基本的な制度と方向性の理解が重要だと思います。第11章は、学校をめぐる教育環境を整備することについて、地域学校協働活動や地域の様々な機関・施設との連携、学校間連携、保護者間連携に注目して論じました。学校が地域内で孤立せずに、子どもたちの教育環境を改善していく方向で教育経営・学校経営の体制を整備するにあたって、学校の外との関わりに注目する必要があると考えて設定しました。続いて、第12章は教育政策、第13章は教育行政について論じ、政治・行政の中で、教育・学校をどう位置付けて経営していくかについて考えようとしています。第14章は、学校安全や学校衛生、安全・防災教育などについて論じ、養護・福祉の立場から学校経営を見つめ直そうとしています。教育と福祉の接続・連携については、制度論として長く研究が続けられてきていますが、本章は教育実践・教育経営論として研究したいと思っています。保育における「教育と養護の一体的展開」の考え方に学びながら、人類の福祉向上が教育目的の一つであるという認識を前提にして、学校教育と児童福祉の一体的展開を展望したいという意図が背景にあります。
 こうしてみると、第3巻は、これまでの教育学や学校教育に対して挑戦的な内容になっています。まだ粗削りな内容ですが、今後のさらなる研究や実践の展開につながればと思っています。


 
白石崇人『教育の理論③教育の制度と経営―社会の中の教育』Kindle、2022年。

 第1部 社会と教育制度
 第2部 教育の経営
第8章 「教科書」とは?―制度と経営をつなぐ
 1.教科書(教科用図書)とは?
 (1)「教科の主たる教材」としての教科書
 (2)教科書が配られるまで
 2.知識・技能の習得と資質能力の育成
第9章 「学級経営」とは?―学級づくり・保護者連携
 1.学級経営の仕組み
 (1)教師と子どもたちによる学級経営
 (2)学級の決まり事の指導、学級の事務
 (3)学級と学級の外とのつながり
 2.保護者との連携
 (1)子どもの「通訳」として
 (2)「パートナー」としてともに子どもを育てる意識
 (3)教育のプロとしてのアドバイス
 (4)保護者同士のつながる場・居場所の提供
第10章 「学校経営」とは?―社会に開かれた教育課程の実現
 1.チーム学校と学校経営
 2.学校運営協議会とコミュニティ・スクール
 (1)コミュニティ・スクール化の方法
 (2)教育課程における学校・地域の連携協働
第11章 学校をめぐる教育環境を整えるには?―学校と地域
 1.地域学校協働活動の推進
 2.地域における学校・園
 (1)地域における教育・子育て支援センター
 (2)地域にある学校・園の連携
 3.日本のPTAの歴史とこれから
第12章 「教育政策」とは?―教育政策過程、教育振興基本計画
 1.現代日本における国の教育政策過程
 2.国の教育政策の基本となる第3期教育振興基本計画
第13章 「教育行政」とは?―地方自治と教育委員会
 1.教育行政と教育・学校経営
 2.地方自治と教育委員会
 3.これからの教育委員会への期待―地域学校協働活動を例に
第14章 学校での安全確保・危機管理・防災教育とは?―養護・学校安全・学校衛生
 1.養護と教育
 (1)教育の前に養護ありき
 (2)ウェルビーイングのための教育と養護の一体的展開
 2.学校における安全確保・危機管理に関する仕組み
 3.防災教育について 
結 章

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目次詳細(教育制度を研究する 第1~7章)『教育の理論③教育の制度と経営―社会の中の教育』Kindle版

2022年10月07日 20時00分38秒 | 目 次
 相変わらず忙しくしております。9月にKindleテキストの全巻出版が完了しましたので、目次により、内容の紹介をさせていただきます。まずは第3巻の前半について。

 第3巻は、教育の制度と経営について論じた教員養成用テキストです。学校教育に関わる人であればだれでも知っていてほしいことを内容にしており、対象は幼小中高のどの学校種でも対応しているつもりです(学校種ごとの粗密はあります)。
 必修科目だけど教師を目指す学生がどう学修すればよいかわからないという声が聞こえがちな「教育の社会的事項・制度的事項・経営的事項」に関する科目。制度とは目的達成のための仕組みであり、経営とは目的達成のための仕組みの組織的な働きというように、シンプルに定義して、内容を構成しました。教育の制度と経営を教職生活や教育実践の「足場」として位置づけ、実践家に必要な見方・考え方を問題にしたつもりです。現代的・歴史的・国際的視点をもって、教育の目的を達成するための制度と経営について分析しています。
 第1部は、社会のあり方と教育制度のあり方が関わっていることを様々な視点で検討しています。第1章では、現代社会において学校教育制度をどう改革していくべきか考察しました。格差社会・AI社会・人口減少社会における教育制度の課題と、「主体的・対話的で深い学び」(個別最適化された学修などの検討もしています)と「オンライン学習」について論じています。2021年に論文化した内容を少し訂正したものです。第2章は日本の国民教育制度と学校体系について歴史的に検討し、第3章は外国の学校体系や教育制度と比較しながら日本の学校体系・教育制度の特徴を考察しています。なお、第2章は2020年のミネルヴァ書房発行のテキストに寄せた論考に大幅に加筆したものです。第4章は、学校の社会的役割について、日本における学歴社会の歴史と、雇用と学校の関係に注目して論じました。第5章は、日本の就学制度の役割について、公教育の私事化・公共性の問題と日本の就学制度史を踏まえて考察しました。第6章は、中等教育制度の役割について、欧米の歴史と日本の高等学校の歴史を踏まえて考察しています。第7章は、学校がジェンダーにどう向き合うべきか、日本の女子教育史と近年指摘され始めた「男子問題」に注目して論じました。第1部では、現代的・歴史的・国際的視点によって、国民教育・学校体系・学歴・就学・進学・就職・ジェンダー形成等に注目しながら、これまでとこれからの教育制度のあり方を考察しております。


白石崇人『教育の理論③教育の制度と経営―社会の中の教育』Kindle、2022年。

序 章 ―教職生活や教育実践の足場を確かめる
 第 1 部  社 会 と 教 育 制 度
第1章 これからの教育制度とは?―格差・AI・人口減少社会と教育
 1.未来の社会が要求する教育制度の変革
 (1)格差社会と教育制度
 (2)AI技術を前提とした社会と教育制度
 (3)人口減少社会と教育制度
 2.教育方法の変革と教育制度の課題
 (1)「主体的・対話的で深い学び」の実現
 (2)オンライン学習への注目と課題
第2章 日本の教育制度はどのようにできたか?―江戸から平成まで
 1.明治教育の出発点
 (1)江戸から明治へ
 (2)「教育」とは何かをめぐって
 2.国民教育の制度化
 (1)共通教育と義務教育を目指して
 (2)普通教育の模索
 (3)普通教育と人材養成
 3.国民教育の影響
 (1)就学慣行の定着と臣民教育
 (2)立身出世主義と良妻賢母主義
 (3)学校・家庭・社会
 4.国民教育始動の意義
 5.大正・昭和・平成期の学校体系
 (1)大正期から戦後教育改革までの学校体系
 (2)1947年以後の学校体系の変遷
第3章 どんな教育制度がありうるか?―学校制度の国際比較
 1.世界の学校体系の多様性
 2.公教育制度の多様性―オランダと日本の比較から
第4章 学校の社会的役割とは?―学歴・資格・雇用・教育
 1.日本における学歴社会の形成
 (1)近世身分制社会からの脱却
 (2)様々な学歴社会の形成要因
 2.学歴社会と企業の人材育成
 (1)企業と学校出の人材
 (2)学歴社会から資格社会へ
 3.学校の社会的役割―機会均等・人材配分・資質涵養
第5章 日本人はなぜ就学するようになったか?―私事化と公共性の狭間で
 1.就学するのは誰のためか?―教育の私事化と公教育
 (1)教育の私事化
 (2)教育の公共性
 2.近代日本における就学というライフスタイルの出現
 (1)学齢制度の定着
 (2)学齢の始期と終期はいつか
第6章 初等後教育・中等教育とは何か?―普通教育、進学準備、職業準備
 1.中等教育制度の歴史
 (1)中等教育制度の3つの源流
 (2)20世紀アメリカにおける前期・後期課程と男女共学の成立
 2.中等教育内容の発展
 (1)古典語・母国語・外国語をめぐる言語教育の模索
 (2)実学としての数学・自然科学・実業科目
 (3)自治・訓練による人格形成
 3.高等学校の歴史
 (1)旧制高等学校の歴史
 (2)新制高等学校の創設
 (3)1960~70年代における高校教育の拡大
 4.高校教育の質的転換
 (1)1990年代以降の高校をめぐる状況変化
 (2)2014年12月の中教審答申による高校教育の質的転換構想
第7章 学校はジェンダーにどう向き合うか?―別学・共学、女子・男子問題
 1.女子教育の成立
 (1)良妻賢母主義の歴史的意義
 (2)高等女学校の設立と良妻賢母主義教育
 2.第一次世界大戦後の女子教育の転換
 (1)女子体育の改革と奨励
 (2)女子教育における知育・徳育の改革と奨励
 (3)女子の教育のゆくえ
 3.現代日本における男子の教育問題

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目次詳細(研究する教育者を目指す? 第10~13章)『教育の理論②教師・保育者論―研究する教育者』Kindle版

2022年05月27日 19時57分00秒 | 目 次
 やっと週末…皆様お疲れ様です。私は余裕がなさすぎて自転車操業状態です。

 さて、ズルズルと引き延ばしているような感じで失礼しておりますが、テキスト第2巻の第2部の紹介をさせてください。これで既刊の紹介は完了です。
 第2巻は教師・保育者のあり方を論じる巻ですが、第2部は副題にある通りに「教師・保育者=研究する教育者」を目指すために必要な知識として、教育学研究や教育研究の基礎基本を論じています。教師・保育者は日々変化する人間を相手にし、様々な課題を乗り越えようとする中で進む成長を支援する職業です。そのため、常に課題に直面し解決する必要性に迫られることになります。その際に課題発見・課題解決に取り組むことが必要になりますが、この課題発見・解決の行為こそが研究です。教師・保育者とは保育士・幼稚園教諭・小学校教諭・中学校教諭など様々な職種を指しますが、課題発見・解決のための研究が必要な仕事であることはみな同じです。これらの職種を一括してとらえるために、本書では「研究する教育者」という言葉を使っています。
 第2巻の第10章は教師・保育者の研究とは何か、どのような意義があるかについて論じます。第11~13章は、研究の基礎基本として、研究テーマ・課題設定と、文献検索・調査、レジュメ・論文作成、研究発表・質疑応答について、その意義と基本的な方法について論じています。なお、具体的な研究方法には様々なものがありますが、本書で取り上げる方法は本当に基礎中の基礎、どんな研究でも必ず行うべき方法について論じるにとどまっています。多様な研究方法について学びたい場合は、それぞれの専門書をご確認ください。本書は、教師・保育者にとっての研究の意義とその基本的な方法について学び、「研究する教育者」のスタート地点に立つことを目指しています。


白石崇人『教育の理論②教師・保育者論―研究する教育者』Kindle、2022年。

……
(第1部 教師・保育者論)
 第2部 教育学入門
第10章 教師・保育者はなぜ研究するか?
 1.教育学研究と教育研究
 2.教師・保育者にとっての研究の意義
 (1)問いをもつこと
 (2)教育・保育をつくるカリキュラム・マネジメントの基礎
第11章 研究テーマと課題の設定
 1.研究テーマの設定
 2.課題設定の方法
第12章 文献検索・調査・レジュメ作成・論文作成
 1.文献資料の検索
 (1)資料の出どころに注目する必要性
 (2)資料調査・文献検索の方法
 2.文献資料の調査・レジュメ作成
 (1)文献資料の調査
 (2)文献資料のレジュメ作成
 3.論文作成の基本的な注意点―引用と考察
第13章 研究発表・質疑応答
 1.研究発表・質疑応答による研究成果の質向上
 2.研究発表と質疑応答の方法
結 章
以上
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目次詳細(教師・保育者の専門性とは? 第7~9章)『教育の理論②教師・保育者論―研究する教育者』Kindle版

2022年05月19日 23時28分00秒 | 目 次
 やっとひと段落…

 さて、拙著テキスト第2巻の紹介の続きです。今回は第1部の残り第7章~第9章について。
 第1部は教師・保育者のあり方を様々な視点から論じていますが、第1章で学校教員・幼稚園保姆が誕生した時にかかえた本質的課題をおさえ、第2~6章で現代日本の教師・保育者に関わる重要課題をおさえます。そのあと、第7章では「教育・保育技術」や「専門職性」の視点から、第8章では「反省的実践家」の視点から、第9章では「教員・保育士養成」(特に「大学における教員養成」)の視点から、教師・保育者の専門性について考察するという構成です。このように、第1部は、第1章で歴史的課題、第2~6章で現代的課題、第7~9章で専門性に関する課題を考察して、教師・保育者のあり方を考えることができるような内容を意図しました。なお、拙著『幼児教育とは何か』(幼児教育の理論とその応用①、社会評論社、2013年)と『保育者の専門性とは何か』(幼児教育の理論とその応用②、社会評論社、初版2013年・改訂版2015年)の内容と重なる部分がありますが、すべて新たに手を入れて改稿修正しております。


白石崇人『教育の理論②教師・保育者論―研究する教育者』Kindle、2022年。

……
(第1部 教師・保育者論)
第7章 「教育技術」とは?―思想に基づく技術、使いこなす、専門職性
 1.保育技術とは何か
 (1)多様な「保育技術」論
 (2)保育思想・理論にもとづく保育技術
 2.「教育技術」論からの示唆
 (1)向山洋一の「教育技術」論
 (2)技術伝達・再現・検討のくり返し
 (3)教育技術の可能性と限界
 3.教師の専門職性
 (1)professionと専門的知識・技能
 (2)専門職の条件
 4.教職の自律性
 (1)教師の職権範囲
 (2)教師の専門職性と教師集団
第8章 「反省的実践家」としての教師・保育者とは?―探究、熟考、同僚性
 1.反省的実践家としての教師
 (1)反省的実践家の成長
 (2)問題解決はどのように行うか―成長の方法
 2.ベテラン教師の実践的認識
 (1)活発・豊かな即興的熟考
 (2)問題状況に対する積極的・感性的・主体的・解釈的関与
 (3)多元的・総合的・文脈的再構成的思考
第9章 教師・保育者はなぜ大学で養成されるか?―大学における教員養成、開放制
 1.大学における教員養成
 2.大学の教職課程で何をどのくらい学ぶか?
 (1)教諭一種免許状の資格とは?
 (2)免許状授与の要件
 3.「幼稚園教諭免許状」と「保育士資格」
 (1)幼稚園「保姆」免許状の誕生
 (2)幼稚園「教諭」免許状の誕生と普及
 (3)保育士資格の誕生

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目次詳細(教師・保育者のあり方を探る 第1~6章)『教育の理論②教師・保育者論―研究する教育者』Kindle版

2022年05月13日 20時16分00秒 | 目 次
 投稿に少し時間があきました。連休は家族と過ごし、連休明けはかなり無茶な超過密状態のスケジュール。何とかこなして、ようやく週末を迎えることができました。
 さて、テキストの紹介が途中でした。先月4月1日にKindle版テキスト第2巻を出版しました。今回はその第1~6章の目次詳細を紹介します。

 拙著『教師・保育者論―研究する教育者』は、第1部(第1~9章)を「教師・保育者論」、第2部(第10~13章)を「教育学入門」として、学校教師と保育者を「教育者」として関連付けて論じ、特にその「研究」する側面を強調するように編集しました。なぜ教師・保育者は必要か。これから教師・保育者はどのように生きていくべきか。AIの進歩が著しい現代、教師・保育者の仕事はAIにとってかわられるかもしれないと言われています。教師・保育者という職業とは何か、どうあるべきか、今その存在や理想像が揺らいでいます。教師・保育者そのものの研究は、いま必要な研究です。
 本書は、教師・保育者の現職や志望者にはもちろんですが、一般の国民・市民にとっても有益だと考えます。教育政策・制度の在り方を決めるのは有権者ですし、これからの学校改革や運営において、コミュニティスクール制度や地域学校協働活動が重要な役割を果たすことになります。その担い手は一般の国民・市民です。そのため、教師・保育者ではない一般の国民・市民が、教師・保育者の専門性や特性に関する理解を進めることはとても大事なことです。

 さて、第1部第1章では、日本で学校教員・幼稚園保姆が誕生した歴史を踏まえて、教師・保育者とは何かを考察する手がかりをつかみます。そして、第2~6章では現代日本において求められている教師・保育者の役割とそれにまつわる課題(難題)について考察します。すなわち、第2章では「学び続けること」、第3章では「長時間労働」、第4章では「子どもを愛すること」、第5章では「奉仕すること」、第6章では「子どものモデル」という問題をそれぞれ取扱います。現代日本の教師・保育者は、子どもを愛し、子どもの生き方のモデルとしてふるまい、子ども(または保護者)に奉仕することを求められ、それゆえに学び続け、長時間労働もいとわないことを求められています。このような教職・保育職の知的かつ感情的な労働という諸側面を踏まえて(教育はもちろんですが、「ケア」の面も含めて)、現代日本の教師・保育者のあり方を論じていく構成になっています。


白石崇人『教育の理論②教師・保育者論―研究する教育者』Kindle、2022年。

序 章 教師・保育者のあり方を考える視点
 第1部 教師・保育者論
第1章 教師・保育者とは?―日本における教師・保育者の誕生
 1.学校教員の誕生
 (1)学校教員以前における寺子屋師匠の誕生
 (2)学校教員の誕生と根源的課題
 2.保姆の誕生―「子守」から「教員」へ
 (1)保姆養成の開始―見習いによる速成的養成
 (2)教員養成における保姆養成
 (3)キリスト教系の保姆養成施設
第2章 教師・保育者はなぜ「学び続ける」か?―「学び続ける」の系譜
 1.「学び続ける教員」を求めて
 (1)教師・保育者が「学び続ける」ことの法的根拠
 (2)2012年中央教育審議会答申の「学び続ける教員」像
 2.学び続ける教師・保育者の起源 (明治期から戦後までの教員史を見通して)
第3章 教師・保育者はどのように生きるか?―長時間労働問題
 1.公立小中学校教員の長時間労働の問題化
 2.教員の労働時間の法的基準
 (1)公立学校教員に適用される給特法
 (2)教員の労働時間に関する労働基準法の規定
 (3)「自発的行為」をどう扱うか
第4章 「教育愛」とは?―教育的関係における機能
 1.教育愛とは?
 (1)教育的関係と教育愛
 (2)愛の一種としての教育愛
 (3)教育愛の機能
 2.倫理と教育愛
 3.教師・保育者の倫理―全国保育士会倫理綱領を例に
 (1)「子どもの育ちを支える」という倫理
 (2)「子育てを支える」という倫理
第5章 公教育における「奉仕」とは?―教育サービス論の再考
 1.公立教員(教育公務員)はサービス業か?
 (1)「公の性質」を有する学校教育
 (2)公教育=サービス論が見落とすもの
 2.公教育=サービス論を乗り越える
 (1)「サービス」概念を乗り越える
 (2)学校教員と塾講師の比較
第6章 人間形成に関わる教師・保育者とは?―モデル、受け止める
 1.子どもを「受け止める」ことの意味
 (1)子どもの主体的活動を受け止める
 (2)子どもを主体として「あるがまま」を受け止める
 (3)相互主体的に受け止める
 2.子どもとの関係を描くエピソード記述
……
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目次詳細(子どもの主体的活動を引き出す 第8~14章・結章・補章)『教育の理論①教育の思想と歴史―教育とは何かを求めて』Kindle版

2022年04月29日 23時55分49秒 | 目 次
 テキスト第1巻を、2022年3月31日にKindle版電子書籍として出版しました。先日よりKindle版電子テキストの目次詳細を公開しておりますが、今回は第8章から最後まで。
 第8章~14章から成る第2部は、教育の歴史を通して教育とは何かについて考える内容です。一部に日本教育史を含みますが、主に欧米教育史(西洋教育史)を取扱います。日本教育史は第2巻以降でたくさん取り上げますし、日本の学校教育は欧米の影響なしには成立していないので、まずは第1巻では重要な欧米の教育思想史を論じました。第2部に登場する主な思想家は、コメニウス、ルソー、カント、汎愛派、ペスタロッチー、フレーベル、モンテッソーリ、デューイです。いずれも教育史を語るうえで絶対に欠かせない思想家たちです。本人たちの学説をできるだけきちんとふまえて書いたつもりです。
 第8章では近代学校教育の歴史とくに義務教育の歴史がなぜ始まったか明らかにし、第9章ではなぜ教育において子どもの主体的活動に注目するようになったか明らかにし、第10章では知識伝達にとどまらない「教えること(教授)」の思想がどのように始まったか明らかにし、第11章では子どもの主体的活動の極みともいうべき「遊び」について、どのようにその教育的意義を引き出されるにいたったか明らかにしました。第12章では子どもが自ら知的に発達するそのあり方と支援法について明らかにし、第13章では主体的活動を前提とした子どもの教育がどのような社会的意義をもつかについて明らかにしました。最後に、子どもがただの大人の愛護を受ける受け身の存在から権利の主体になっていった経緯をたどります。こうして、第2部では、人類が子どもの主体的活動に注目し、それを方法的にも制度的にも引き出そうとしてきた教育の思想と歴史について明らかにしています。第2部を読むことで、第1部で論じてきた現代日本にとって重要な教育思想について、その歴史的意義が深く理解できるようになります。
 また、結章のあと、補章として教育史教育について教師教育上のその意義を論じています。教師を目指す方や学校教育に何らかの形でかかわろうと思われている方は、補章も読むことで、本書の学習経験を専門的知識の習得にとどめず、教育者として成長するための糧にしてほしいと思います。


白石崇人『教育の理論①教育の思想と歴史―教育とは何かを求めて』Kindle、2022年。

・・・
 第2部 教育の歴史
第8章 なぜ人類は子どもを学校に行かせるようになったか?―義務教育の歴史
 1.義務教育の基本的な考え方
 (1)保護者・行政の義務と子どもの権利
 (2)義務教育の性質
 2.なぜ人類は子どもを学校に行かせたか?
 (1)子どもと労働
 (2)すべての子どもを学校で教育する
 3.義務教育の必要性
第9章 なぜ人類は主体的活動に注目したか?―啓蒙の教育思想
 1.啓蒙思想の目指したもの
 2.ルソーによる子ども期の問題化
 3.汎愛派による教育技術の追究
第10章 「教えること(教授)」とは?―ペスタロッチーの教育学
 1.ペスタロッチーの生涯
 (1)貧民教育の理想と執筆活動
 (2)学園の教育実験―メトーデ、基礎陶冶の理念、「生活が陶冶する」
 2.ペスタロッチーの教育方法論
 (1)人間の発展モデルと教育方法
 (2)メトーデ(教育方法)の開発
 (3)「生活が陶冶する」
第11章 「遊びの教育的意義」とは?―フレーベルの幼児教育思想
 1.ペスタロッチーの批判的継承
 2.遊びを保護・指導する方法
 3.一般ドイツキンダーガルテンの設立
第12章 「知的発達」とは?―モンテッソーリにおける障害・発達・教育
 1.子どもの科学者
 2.モンテッソーリ・メソッド
 (1)健常児に対する障害児教育法の応用
 (2)感覚教育
第13章 「教育の社会的意義」とは?―デューイの民主主義教育
 1.デューイは教育をどう定義したか?
 (1)人間社会と教育
 (2)思考を導く環境による教育
 2.民主主義社会を実現する教育
第14章 「子ども」とは?―権利の主体としての子どもの思想の誕生
 1.子どもらしさの保護と伸長
 (1)愛護対象としての子ども
 (2)子ども期への注目
 2.子どもの権利の保障
 (1)働く「小さな大人」
 (2)子どもの権利を保障する国家
結 章
補 章 教職課程における教育史教育の意義
 1.教育史教育とは何か?
 2.教職生活に役立つ原理的・批判的思考力の育成
 3.専門職になるための教育観の問い直し
以上

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目次詳細(学校教育の目的と方法を考える 第4~7章)『教育の理論①教育の思想と歴史―教育とは何かを求めて』Kindle版

2022年04月27日 19時43分00秒 | 目 次
 拙著を、2022年3月31日にKindleの電子書籍で発行しました。目次はこちらのサンプルで見ることができますが、ここではより詳細な目次を公開しております。
 今回は第4~7章について。先日の第1~3章と合わせれば、第1巻第1部の目次詳細を把握できます。第1巻第1部は、教育の思想を通して教育とは何か、どうあるべきかを考えていく内容になっています。とくに、現代日本の教育を考える際に重要な思想について検討しています。第1章では「教育」という言葉のそもそもの意味について語源に見られる思想から考え、第2章では知識技能の一方的伝達に止まらずに「わかる」ことを目指す教育について学習の思想から考え、第3章では学校教育に止まらない様々な教育の領域分野について生涯学習の思想から考えています。第1~3章は、いわば現代日本の教育が目指す方向性について、学校教育を含みつつそれを超えた広い範囲で考えることができるように構成した内容になっています。
 一方、第4~7章は、学校教育の思想について深く掘り下げています。第4章では公教育の目的について法律条文に見られる思想から考え、第5章では学力形成について学習指導要領と人間形成の思想から考え、第6章では授業について授業づくりの基本的な考え方を捉え、第7章で「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた教育について主体的学びと対話的学びが交差する学習集団論を例にして考えています。第4・5章では、法律上の学校教育の目的(教育全体の目的に対する意味も含め)と現代日本の教育行政・経営において重要目的に位置づけられている学力形成を取り上げ、これまでの教育が何を目指し、これから何を目指していくかに焦点をあてて考えます。その後、第6・7章で学校教育の中心である授業のあり方について考え、とくに個人の学びと集団での学びの両面をバランスよく見ていく視点から授業について考える、という仕組みになっています。なお、このあたりの内容は、私もまだ満足しているわけではないので、もっと研究していきたいところですが、とにかく現代日本が目指すべき学校教育について、中心的な思想を踏まえて考えることはできる本になっていると思っています。


白石崇人『教育の理論①教育の思想と歴史―教育とは何かを求めて』Kindle、2022年。

第1部 教育の思想
 ・・・
第4章 公教育の目的とは?―学校教育法・教育基本法・日本国憲法の教育思想
 1.目的とは何か
 2.教育全体の目的
 (1)教育基本法における教育目的
 (2)教育目的の達成によって目指すもの
 3.法令上における学校教育の目的
 (1)幼稚園・小学校・中学校教育の目的
 (2)高等学校・大学・高等専門教育・専修学校教育の目的
 (3)義務教育学校・中等教育学校・特別支援学校・高等専門学校教育の目的
第5章 学力形成とは?―人間形成としての教育
 1.多様な学力観
 (1)「確かな学力」と「三つの柱」
 (2)「新しい資質・能力」観
 2.学力形成の道筋をつくる―教育課程の編成
 (1)国の教育課程―学修指導要領・幼稚園教育要領
 (2)PDCAサイクルと学校・教師・保育者
 3.「学力形成」と「人間形成」
第6章 「授業」とは?―授業の深みと広がり、そして前と後
 1.授業とは何か
 (1)授業と教材
 (2)授業・保育の過程
 2.授業づくりの基盤
 (1)教材研究と子ども理解
 (2)授業とそれ以外の教育活動
第7章 「主体的・対話的で深い学び」とは?―個人の学びと学び合い
 1.「主体的・対話的で深い学び」についての中教審の定義
 2.主体的学びと対話的学び―みんなでわかり合うための学習集団
 (1)集団活動を取り入れた授業
 (2)集団思考を導く問答
 (3)学習集団の指導者としての教師
・・・
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目次詳細(第1~3章)『教育の理論①教育の思想と歴史―教育とは何かを求めて』Kindle版

2022年04月25日 23時59分00秒 | 目 次
 大学で使用してきた自作テキストについて、Kindleの電子書籍化を始めました。3月31日、ぶじ第1巻を刊行しました。分類上は私家版になるようなので、研究業績としては「その他」にとどめるしかないようなのですが、今年で14年目の大学教育経験の集大成としていったん発表してしまおうと思い、公刊しました。全4巻で、2022年4月25日現在、第1巻・2巻が既刊です。
 第1巻は『教育の思想と歴史―教育とは何かを求めて』と題し、教育について1から学びたい(学びなおしたい)人向けの本に仕上がりました。価格は新書版程度に抑えました。手に入れやすい金額になったかと思います。Amazonの購入ページ(こちら)でサンプルが見られますので、一度見てみていただければ嬉しいです。また、Kindle Unlimited会員だと追加料金なしで読み放題です(ひと月に単行本や雑誌を2~3冊買う人はこちらのほうがお得かも)。
 目次は、サンプルやAmazonの購入ページで見られますが、興味を持つ人が増えればいいなと思うので、もう少し詳細な章節構成を本ブログで何回かにわけて紹介させてください。目次を見ると、いくつかの章が、社会評論社発行の拙著『幼児教育とは何か』『保育者の専門性とは何か』と似ていることに気づかれる方もいるかと思います。しかし、それらの章も、社会評論社発行の2著の原稿を基礎にしつつ、かなり加筆修正していますので、まったく同じ原稿ではありません。前2著をお持ちの方は、見比べるなどして遊んでみてください。

 なお、表紙の作者は妻です。私のアイディアをさらにアレンジしてくれて、素晴らしい表紙を作ってくれました。本当に多才な人で、尊敬しています!


白石崇人『教育の理論①教育の思想と歴史―教育とは何かを求めて』Kindle、2022年。

序 章 教育の思想と歴史を学ぶこととは?
 第1部 教育の思想
第1章 「教育」とは何か?―語源から考える
 1.「教育」の語源
 (1)「教(おしえる)」の語源―交流の文字に着目する
 (2)「育(そだつ)」の語源
 (3)教育が成り立つには―「教育する者」と「教育される者」との関係
 2.「学習」の語源
 (1)「學(まなぶ)」の語源
 (2)「習(ならう)」の語源
 (3)学習と教育との不即不離・表裏一体な関係
第2章 「わかる」とはどういうことか?―学習の思想
 1.「わかる」とは?
 (1)意図的な行為としての「見ればわかる」
 (2)新しく「わかる」こと、すでに「わかっている」こと
 (3)「わかる」と「おぼえる」
 2.「わからない」とは?
 (1)何が問われているか、がわからない―自分で必然性を補う必要
 (2)なぜわからなければならないか、がわからない―価値を味わう必要
 (3)わかる気がない―やる気を出すには?
第3章 学校教育とは?―生涯学習における教育
 1.生涯学習の中の学校教育
 (1)生涯学習と学校教育の関係
 (2)生涯学習の基盤としての「生きる力」
 2.学校教育を考える枠組み―学校の内と外
 (1)学校教育/非学校教育
 (2)学校教育を詳細に考えるための枠組み
 (3)教育学の諸分野
 ……
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目 次「なぜ幼稚園は誕生したのか?―啓蒙思想の影響とフレーベルの幼稚園構想から考える」

2015年02月23日 23時55分55秒 | 目 次

 なぜ幼稚園は誕生したのか?
―啓蒙思想の影響とフレーベルの幼稚園構想から考える―

                                白石 崇人

   はじめに
1.18世紀後半ヨーロッパの啓蒙主義教育思想

 (1)啓蒙思想の目指した教育
 (2)子ども期の問題化
 (3)教育技術の追究
2.フレーベルの教育思想と幼稚園構想

 (1)ペスタロッチ―の継承とその批判
 (2)遊びを保護・指導する方法
 (3)一般ドイツキンダーガルテンの設立
  おわりに

 

 出典を示されるときには、以下のように示してもらえると幸いです。
 ↓
 白石崇人「なぜ幼稚園は誕生したのか?」教育史研究と邦楽作曲の生活、http://blog.goo.ne.jp/sirtakky4170/、2015年2月4~11日。

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目 次「「教育情報回路」概念の検討」

2015年02月23日 23時55分55秒 | 目 次

 「教育情報回路」概念の検討
                       白石 崇人                                                                  

  はじめに
1.梶山雅史の「教育情報回路」概念
 (1)「メディア」としての仮説的認識
 (2)総合性への注目―「回路」
2.「教育情報回路」概念による教育会史研究への批判点
 (1)国際的視点の不足
 (2)「教育情報回路」概念内容の追究程度
 (3)「教育情報回路」と「職能団体」
 (4)「教育情報回路としての教育会」の総括的研究を求めて
3.「教育情報回路」概念による教育会史試論
 (1)地域における学事協議・教員講習・教育研究機能の形成と継承 (1870年代)
 (2)私立教育会結成による教育情報回路の形成開始 (1880年代~1890年代半ば)
 (3)組織改革による教育情報回路の確立 (1890年代半ば~1900年代)
 (4)教育会の系統化と情報集積・循環機能の充実 (1910年代~1920年代)
 (5)教育情報回路の徹底・変容・再編 (1930年代~1940年代)
  おわりに

 

出典を示す場合は以下のように表記してください。
  ↓
 白石崇人「「教育情報回路」概念の検討」教育情報回路研究会発表資料、於・東北大学、2012年11月25日。
または
 白石崇人「「教育情報回路」概念の検討」教育情報回路研究会発表資料、於・東北大学、2012年11月25日(「教育史研究と邦楽作曲の生活」http://blog.goo.ne.jp/sirtakky4170、2015年2月13~23日)。

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目 次「教員・保育者養成の実践」 (2012年3月時点)

2012年04月04日 22時02分48秒 | 目 次

 本ブログ「教育史研究と邦楽作曲の生活」では、教員養成・保育者養成の実践家としての立場から、その実践についても様々に論じてきました。現時点で整理してみると意外にたまっていました。こうやって整理してみると、まだまだ論じ足りないところが目立ちます。今後の実践・思考の見通しを立てるためにも、整理してみました。
 私は中学校教育や幼児教育の実践家でありませんが、教員・保育者養成の実践家です。他の学校段階の先生方とは、実践家という立場では上でも下でもなく、対等であると思っていつも向き合っております。他には、個人の人格・業績に対する尊敬があるのみです。

○ 教員・保育者養成の実践

1.教員・保育者養成者の可能性
(1) 机上の限界―養成校と学校・園との役割分担に関する序論 (2011.12.8)
(2) 教育のための研究
  1) 教師に研究の時間を与えよ (2011.8.2)
  2) 研究と教育に必要なもの―授業の準備時間と研究時間 (2011.10.19)
  3) 大学教員の日常業務時間を試算してみた (2011.8.11)

2.教員・保育者養成者のあり方
(1) 教師と学生
  1) 授業がうまくなるために欠かせないこと (2010.12.25)
  2) 教室の現実―孤独と味方 (2007.11.6)
  3) 某大学学生による私の授業の評価 (2008.4.17)
  4) 教師たりえたかもしれないという自慢話 (2009.7.9)
(2) 学生指導のあり方
  1) 入学年度4月における学生指導上の留意点 (2011.4.3)
  2) 教師に必要なことば (2010.4.22)
  3) 教師として出会う生き方 (2010.4.28)
  4) 発表・授業の予習をすること (2009.2.16)
(3) 新卒採用試験の時期変更(構想)から生じる大学教育への要求 (2010.9.25)

3.教員・保育者養成の方法―大学教授法を探る中で
(1) 授業の方法
  1) 教員の心得―高校での授業実践メモ (2007.7.7)
  2) 授業の心得 (2007.7.28)
  3) 大学の授業方法の「いろは」? (2011.11.5)
  4) 採点の悩み (2011.7.30)
(2) 大規模クラスにおける授業法
  1) 近況報告のつもりが授業論にいたる (2009.5.10)
  2) 大規模講義においていかに「学び」を発生させるか (2010.12.27)
  3) 共同・体験学習の技法―演習型の授業技術について (2011.1.15)
(3) 教室にこんな道具があればなぁ―ふたを開けっぱなしでも使えるペン (2010.8.8)

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目 次「教師論・保育者論」 (2012年3月時点)

2012年04月04日 22時02分22秒 | 目 次

 本ブログ「教育史研究と邦楽作曲の生活」では、私の専門領域である教師・保育者のあり方について、たびたび論じてきました。あちこちに散らばっていて、どこに何を書いたのかわかりにくくなっているので整理します。
 論文や自作テキストの内容を含めなければ、私の思考の全容は見えてきませんが、とりあえず本ブログで公開した分を整理しました。
 なお、教師論・保育者論は、私の教員養成・保育者養成の目標・内容でもあります。

○ 教師論・保育者論(附 教員・保育者養成の目標と内容)

1.教師・保育者の資質 
(1) 「愛」とは何か、「教育愛」とは何か (2011.5.4)
(2) 教員・保育者養成段階において育成する資質
  1) 教員養成における問題解決的態度・能力の育成 (2008.12.3)
  2) 養成課程で身につけるべき保育者・教師の資質 (2011.3.21)
  3) 教材研究の重要性を伝える―教材「高床倉庫」を事例として (2009.6.1)
  4) テスト作成の能力 (2007.7.13)
(3) 明治後期の保育者論―保育者に求められる資質とは…? (2010.6.22)

2.教育方法・内容としての教師と保育者
(1) 「子どものモデル」という教師・保育者論―序論 (2011.9.13)
(2) 保育者(教師)自身を計画する(1)―潜在的カリキュラムとは (2011.9.14)
(3) 保育者(教師)自身を計画する(2)―潜在的カリキュラムとしての保育者 (2011.9.15)
(4) 保育者(教師)自身を計画する(3)―「まねる」力と「先生」という教育方法 (2011.9.16)
(5) 保育者(教師)自身を計画する(4)―目標としての「先生」 (2011.9.18)

3.教師をめぐる現状
(1) 教師の時間
  1) 教員に与えられた授業準備・教材研究の時間 (2007.6.17)
  2) 週案作成の時間に関する実際的問題―高校非常勤講師の経験から (2007.6.25)
  3) 教師に教育のための時間を (2010.12.5)
  4) 文部科学省の平成20年度教員増加計画 (2007.10.16)
(2) 「教師には社会人経験が必要だ」論への批判 (2012.1.21)
(3) 教職員免許更新制に関する一考察―終身免許の歴史的重みに留意して (2009.9.13)
(4) 教材研究のエネルギーの源泉 (2008.3.9)

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