以下、雑駁な日記です。
大学教員の仕事は、主に教育・研究・事務の3つです。最近、それぞれが他種多様に付け加わってきて、混乱し始めました。
このところ、至らないことや、自分でやろうと思っていることが十分できないことが多なってきました。自分を責めたり、いらいらが募ったりしてばかりです。実家がちょっと大変な状況に陥っており、一人がんばっている母を助けてやりたいのですが、それすらできない自分が情けない気分で一杯です。しかし、そんな母から、「まあ、大変ななかにも、何気ないところにいいことはあるんだと思う。家ではツバメが2度目の子育てを始めたよ」と逆に元気付けられ、ふと涙が出てしまいました。
いつの間にか目一杯になっていました。パンク寸前だったようです。
忙しいなかにも、小さな幸せを大事にするよう、心がけたいです。
さて。研究や勉強の手を抜いた時、大学教員の質はどんどん下がっていきます。
28日は、広島大学大学院教育学研究科で開かれた、日本教育学会中国四国支部主催の研究会「教員養成改革に対応する教職科目担当授業への取り組み―若い教育研究者の挑戦と交流」に参加してきました。中央教育審議会教員養成部会で進められている教職課程改革の最新の動きや、広島大学で進められている教職課程担当教員養成プログラムの実態と修了者の実践について、具体的な話を伺うことができました。行こうと思ったのはたまたまだったのですが、予想以上に内容が興味深く、とても勉強になりました。教職課程改革の流れに沿いながら、それぞれの大学における教員養成の伝統を生かしつつ、独自で質の高い教員養成を進めていく課程はどのようなものか。我々教職課程担当教員は、これからどのように生きていくべきか。じっくり考えるよい時間になりました。
そのうちこちらのHPで当日の記事が紹介されるのではないでしょうか。→ http://home.hiroshima-u.ac.jp/kyo2/Ed.Dprogram/
またまた話は代わって。
本日29日は、第2回オープンキャンパス。6月OCの1.5倍の参加者数でした。今回は、個別対応は少しにさせていただいて、主に全体会と学科イベントに張り付いておりました。
広島文教女子大学初等教育学科は、毎回、教員の講義ではなく、学生の模擬授業・模擬保育を出します。今日の担当学生もとてもしっかりした授業・設定保育を披露しました。これが高校生にかなりの威力を発揮します。うちで学べばこんな3年・4年生になれるかもしれない、と具体的に夢を持つことができます。参加してくださった高校生や、在学生に聞いても、やはりOCの模擬授業・保育は強烈に印象に残っているようです。担当学生にとっても、晴れ舞台を用意することで明確な目標になり、授業・保育の力量を高める機会を提供することができます。幼児教育コースの学生には、準備に少し付き合いましたが、学生は明らかにその過程で成長し、立派な模擬保育を行いました。(私はほんの少し手伝う程度。主担当の先生は別で、すごくがんばっておられます)
これができるのは理由があります。OCで学生の模擬を出さないかという声はどの大学でも出たことがあると思いますが、普通なら「とても無理」「定期的に高校生や保護者の前で披露する自信はない」としり込みするはず。これは、普通の大学ではできない、とてつもないことです。教員たちが自分たちの学生教育によほど自信がないとできませんし、学生たちが現実にしっかり育っていないとできません。そんなことをできる理由は、学生が普段から授業や保育のことを自分たちのこととして考え、自己・相互研鑚しているから。そして、それを各教員が日常的に支えているから。言葉にしてしまえば当たり前のことですが、実行するのはとても難しいことです。
私にとっても、ああ、学生ってここまで育てることができるんだ、という感動と事実に基づいたイメージ(教育目標)を得ることができました。できれば、職務のなかで、もう少し「当たり前」のこととして実行できるといいな……やりようはあると思いますし、学生にとってもその方が良いと思います。