教育史研究と邦楽作曲の生活

一人の教育学者(日本教育史専門)が日々の動向と思索をつづる、個人的 な表現の場

明治30年代・帝国教育会学制調査部の「国民学校」案

2007年11月28日 17時18分50秒 | Weblog
 先週金曜、広島大学で開かれた中国四国教育学会大会で研究発表しました。
 題目は「明治30年代・帝国教育会学制調査部の「国民学校」案」でした。
 この「国民学校」とは、昭和16年から戦時中にあった初等教育機関ではなくて、明治30年代の帝国教育会および全国連合教育会で主唱された初等教育機関です。小学校を「国民学校」と改称し、中等・高等教育中心の国民教育・学校体系を見直そうというのが、帝国教育会学制調査部の「国民学校」案の骨子でした。明治30年代の学制改革問題において、中等・高等教育改革中心の論調のなか、独自の立場として初等教育重視の立場にあった教育会陣営の学制改革論の拠り所として用いられたもの、というのが本発表の結論です。本発表で、小学校(初等)教育重視の利益団体としての帝国教育会像の姿が、より明確になってきたように思います。
 この発表は、「今年、学会発表を一切していないから、やっておかないと」と思って申し込んだ発表でしたが、非常勤やバイトの合間に準備するのは、やはり大変でした。激務の合間に研究発表を積極的にされている先生方の苦労が、少しわかったような気がします。本発表は、先々週金曜の特研(ゼミ)で言われたことを踏まえて修正、一部から「なかなか面白かった」とのお言葉もいただきました。同学会の紀要(CD-ROM版)に投稿しようかなと思ってます。
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あぶなっかしいなぁ、もう

2007年11月13日 21時05分22秒 | Weblog
 身の回りの状況は、とりあえず改善しました。ほっ。

 教員にもFA制、教育再生会議が素案 (yahooニュース、読売新聞)
 ←ちょ、わざわざ学校教育の格差を拡げる気かよ…
 この会議の提案にはいつもおどろかされます。
 しかも、政策決定過程にリンクしているので、とても危なっかしい。
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悪く良い方、狭く広い範囲

2007年11月12日 04時32分51秒 | Weblog
 物事を悪い方に思い悩みがちなのは、私の悪いクセ。
 思い悩むことは、人間である限り仕方ない。
 しかも、事態を改善するきっかけになるので、むしろ是非すべきこと。
 でも、物事には「悪い方」と「良い方」の両面がある。
 悪い方を思い悩むなら、良い方を吟味することもまた必要だ。
 今のままで十分良い部分を、さらに伸ばしていくためにも、是非すべきこと。

 物事を狭い範囲で考えがちなのも、私の悪いクセ。
 目の前の出来事は、もっと広い世界の出来事に繋がっている。
 目の前の出来事は、たいしたことのない些事であると同時に、ものすごく重要な事でもある。

 物事を良いことを考え、広く捉えたら、ホラ、あの人たちにまた会いたくなった。
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教室の現実

2007年11月06日 22時28分35秒 | 教育研究メモ
 教員にとって教室(学校)とは、「戦場」である。
 準備してきた内容を、自分とは知識も経験も性格もまったく異なる複数の学生たちに、興味を持たせ、かつ理解・体得させなければならない。
 しかし、教員にとって教室(学校)とは、決して「安らぎの場所」ではない。
 一人一人の学生と直に切り結び、内容への興味とその理解・体得を目指して一進一退を続ける「戦場」なのである。

 ただし、そこは孤独の世界ではない。
 味方(同僚や上司)もいる。
 協力者(同情的・協力的な学生)もいる。
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