生まれて初めて法務局に行った。
銀行の人からは「司法書士の方をご紹介しましょうか?」とアドバイスされたが、ネットで調べると「頼めば5~6万円かかる」と出てきた。
とりあえず法務局に電話で趣旨を伝えると「相談窓口でお教えしますよ」とのこと。時間だけはあるので(笑)、一丁自分の力でやってみるかと勇んで出かけたのだ。
待ち人数は3名ほど。相談員は一人で忙しそう。
だいぶ待って順番が回ってきた。
「そうですか、ご自分でおやりになりますか…、フ~」
白髪の相談員は大きなため息をついた。
人に任せれば5~6万円、それを自分でやろうというのか、大丈夫かなぁこのヒト…という思いのこもったため息に聞こえた。しかも、そのあと黙ったまま書類を見ている。
不安だ。やっぱり頼んじゃえばよかったか。
「じゃ、やりましょうか!」
相談員は背筋を伸ばしたかと思うと、さっきのため息が嘘のように書類をペラペラやり始めた。時折パソコンの席に移動しながら、もう処理を進めている。
そして、「こことここに」「ここにはこれを」と矢継ぎ早に記入を促す。指示に従ってどんどん書いたり捺印していく。ちょっとボリュームがあるときなどは「次の方の相談に乗ってますので、終わったら声をかけて」と、段取りが実に素晴らしい。
時々「これは書き間違えないでくださいね。ミスしたら無効だから」などと恐ろしいことをおっしゃる(笑)。でも、いつのまにか彼のリズムに巻き込まれ、結果的には集中してミスなく、いつのまにか申請書類は完成してしまったのである。
そうか、最初の大きなため息は、「シロウトが自分でやるのは大変だよ」と僕に向けられたものではなく、「大変な仕事がきちゃったぞ」という、彼自身に向けられたものだったのだ。
ありがとうございました。
本来であれば「相談窓口」なのだからアドバイスをもらいながら僕が自身が一つ一つ取り組むべき作業なのに、ほとんどやってもらっちゃった。しかもタダで(正確には税金で支払われているんだけど)。
というわけで、覚悟して行ったのにあんがい自分でやった感がとっても薄い、初めての法務局だった(笑)。
写真は法務局ではなく整形外科の待合室(笑)。奥に治療室も見える。
そういえば、朝刊にこんな写真が! 大型ビジョン、フチナシ?