妻と娘から御殿場のアウトレットに誘われたが、どうせ向こうでは別行動になるので、ご辞退申し上げた。
じゃあ、どこへ?
そうだ、
三崎
いこう。
と、また無計画で家を飛び出す(笑)。
もちろん輪行なので、まずは電車で三崎口へ。えーと、JRで久里浜へ行って、京浜久里浜駅から京急で…と、電車に乗ってから考える始末。
しかも、久里浜駅に着いてから、出掛けに見ていた地図を家に忘れたことに気づく(笑)。
まあいい、クルマで走った経験があるから、なんとかなるだろう。
なんとかなった。
まず、城ヶ島大橋を渡って(自転車は無料!)左回りに下って、メシ!
そして、白秋博物館を見て、次は旧三崎小学校城ヶ島分校(昭和6年竣工、三浦市指定文化財)へ。
現在は『海の資料館』とのことだったが、どうやら開いていないようだ。
あたりをグルグルして島の西側の港へ。今日は、お土産物屋さんや灯台には行かず、海から対岸の三崎へアプローチ。乗り場のブザーを押すと、向こう岸から渡し舟がやって来る。
「どこへ置いたらいいですか?」と問うと、「その辺で」と舳先を示し「持っててもらっていいですかね」と。けっこうアバウト。ちゃんと屋根つきの客席があったが、これはこれで嬉しい。立ちっ放しで5分足らず。気持ちのいい船旅だった。200円也。
僕は一人で三崎に上陸したが、ここから帰る便にはおじさんたちがゾロゾロ乗り込んで、あっという間に城ヶ島へ向かって小さくなっていった。
うわ~、聞いてはいたが三崎の町は大賑わいでビックリ。みんなマグロをはじめ魚を食いに来ている。『うらり』という観光客向けの市場で、マグロ串カツ(200円)を。
何度も城ヶ島に来ているのでマグロカツのうまさは織り込み済みだが、この串カツはプリップリで特にうまかった。脂身の多い部位を使用しているのか。
少し走り回ってみると、思ったよりも古い商店街が広がっているようなので自転車を置き、徒歩に切り替える。決して大きな商店街ではないが(というか道幅が狭く個人商店のみだが)、まさに昭和の懐かしい町並みが、そこにあった。
昆布を干しているのかと思ったら、ウエットスーツ。スキューバダイビングのメッカでもあるんですね。城ヶ島側の渡し舟の船着場にも、海上がりのダイバーを乗せた船が着いた。
さて、名残惜しいが、ここから三浦半島の西側を北上、油壺を目指す。
かつてよく行った油壺マリンパークはパスして、脇の荒井浜に降りていく。ここにも何度か来たことがあるが、思い出深いのが高校時代。なぜかたまたま入部してしまった美術部で写生に来た場所だ。男だけ数人でやってきてボートに乗ったり、カレーを食ったりして、なぜか絵を画いた記憶がない。しかも、砂浜で水着女性をモデルにしたアマチュアカメラマンの撮影会が始まり、ボートで海側から近づいていってお尻を鑑賞した記憶はしっかりある(笑)。
その近くで、当時も気になっていたのが『東京大学大学院理学系研究科付属三崎臨海実験所』(長い!)
ここは旧水族館で『水族・標本室』(昭和7年)だったらしいが、現在は使われていないようだ。
こちらは、旧研究室の『グリーンハウス』(明治42年)。いずれも味わい深い近代建築。中を拝見したい。
浜から上がる途中に、木々の間から油壺湾がのぞく。波ひとつ立たない水面が見事。
「外海は荒れゐて月の油壺」との碑が近くに建つ。
さあ、三崎口駅へ戻ろう。油壺からの長い上りはちょっとキツイが、今日は輪行なので距離は走っていないので余裕だ。上がりきったら、後は駅まで下り坂。渋滞を横目に、気持ちいい。
前方に「三戸浜←」の標識を確認。左折して、大根畑を鑑賞。おまけです。
初めてじっくり三崎の町を歩いてみたが、マグロを食べるためだけに行くにはもったいない、とても味わいのある所だった。一日、街歩きを楽しんでマグロを食べるべし。おいしいコーヒーでも飲める店があると、尚よし。
そういえば、あの日も自転車ごと乗船したなあ。
次は、どこで乗るか。もう、アレしかない?