湘南ライナー日記 SHONAN LINER NOTES

会社帰りの湘南ライナーの中で書いていた日記を継続中

ゴジラとホットドッグ

2009-10-15 23:41:49 | 思い出日和


「ぜったい買ってくると思ってた」
ズバリ、息子に言われてしまった『東宝特撮映画DVDコレクション』(ディアゴスティーニ)の創刊号『ゴジラ』である。
自分が子供の頃は親に映画館に連れて行ってもらい、息子が子供の時は僕が連れて観にいったゴジラシリーズ。その第一作だ。
さすがに、これは僕もまだ生まれていない昭和29年の作品。
僕の記憶の中では、この作品はホットドッグとセットになっている。
小学校の2~3年の頃だろうか。たぶん土曜日の午後、同級生の家に遊びに行った時のこと。彼は、二俣川銀座を抜けて運転試験場へ向かう道の高台にあった石井光学というメーカーの息子。つまりそこは社長さんの家だ。広い室内、ダイニングとキッチンの境にカウンターがある造りに衝撃を受けた。何しろ当時ウチは、ちゃぶ台でメシを食っていたのだから(笑)。
そのカウンターに並んで座って、その家ではたぶん2台目であろうテレビを見た。
そこに映し出されていたのが「ゴジラ」第一作だったのである。
怖かった。でも、面白かった。モノクロの画面と低音が響き渡るような音楽、そしてゴジラの叫び声に、ふたりでギャーギャーいって騒いだのを覚えている。それまでに劇場でゴジラシリーズは観ていたが、途中から怖いというよりも面白い、僕らの味方みたいな立ち位置になっていたので、この第一作は実に衝撃的だったのだ。
そして映画の途中、彼のお母さんがカウンター越しに「どうぞ」と出してくれたのが、白いお皿に載った手づくりのホットドッグ。
温かくてフカフカで、うまかった。
家でそんなしゃれたホットドッグなどというものを作るなど思いもよらない時代、この衝撃も大きく、以来ゴジラとホットドッグはセットになって僕の脳裏に刻み込まれたというわけだ。
数十年ぶりに観たゴジラは、当時の記憶を呼び覚ますには充分。ただ、背景に写る昭和の街並みを期待した分、ちょっとばかり物足りなかったかな。というのも、ほとんどがセットで撮影されていたから。そりゃそうですよね、「東宝特撮映画」だから(笑)。