「足もとにからみつき、行こうとする私をしきりにはばむものがあった」
それは、町の十字路にある食堂の店先に巻き起こる「つむじ風だった」
その食堂に集う人たちの物語『つむじ風食堂の夜』(吉田篤弘著 ちくま文庫 580円+税)だ。暖簾も白く店名がないこの店を、誰もが「つむじ風食堂」と呼ぶようになったという。
読んでみると、どうも大衆食堂というよりは懐かしい洋食屋さんという風情。なにしろ「コロッケ」は「クロケット」、「豚の生姜焼き」は「ポーク・ジンジャー」とメニューに書かれているくらいだ。
出てくる商店街、町並み、人々もすべてがセピア色に見える。確かに懐かしいとして描かれているのだが、日本の古い風景というより、どこか遠い外国の小さな町の話のようにも思えてくる。そのあたりが不思議な感覚で、とても心地いい。
余計なことを考えず、その町に、その食堂にすーっと入っていくことができる。そして、つむじ風に巻かれてしまうのだ。
鞄に入れておいてちょっと時間ができたとき、コーヒーでも飲みながらふわりと読むのにぴったりの文庫本だった。
おや、いま見たら映画化されていたんですね。
こういうの、いいですね。
できれば、明日着ていきたかった!
湘南ベルマーレフットサルクラブ、決勝トーナメント1回戦突破!
明日は町田を破った府中と。日曜日は決勝へ!