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平日昼休み 放課後 見学自由
毎月第4日曜に定例会やってます

勅命です byGHETTA

2008年01月28日 23時20分04秒 | 今日の活動報告(昼/放課後/その他)
皇帝からの勅命が下されましたので、昼休みならぬ今日の報告を行いたいと思います。

今日から試験期間でありまして、人によってはかなり忙しい模様。何名かは風邪なのか、喉をやられていたりする方もおり、体調には御気を付けたいものです。

さて、本日の遊戯は「ちるのい」というゲーム。これはかの有名な「ノイ」というゲームを模して作られたカードゲームでして、矢鱈と⑨という数字が多い事が特徴の一つです。
しかし、注意すべきは別の点にあります。このゲームには「ダブル」というカードが御座いまして、本来の「ノイ」では、次の手版の人が二枚カードを出すという、攻めの手段ではあるが、何らかの方法で返されると一気に自分が不利になるというカードなのですが、「ちるのい」においては返す事が出来ない、且つカードを補充せずに連続して二枚出さなくてはならないという恐ろしく強いものとなっております。御蔭でかなり「ノイ」とは違った使用になっています。似て非なるものとはこのことですな。

一方、放課後になると試験や授業の終わった方々が集まってきたので、VISIONなどをしておりました。構築デッキでのタッグ戦はやっぱり混沌としていますね。

そんなところで今日の報告を終えます。

いつものように byGHETTA

2008年01月25日 18時37分21秒 | TRPG関連
デモンパラサイト小坂シリーズ第138話
『人と異なる何か 後始末編』


自立行動らしきものをとり始めた海寺千香。小坂支部の者らは喜ぶその事実は、しかし、それはセラフィム本部にとっては不安の元でしかなかった。
只でさえ得体が知れず、ふとした拍子に何が起こるかわからない危険分子。さらに、今回の事件との関連性と其れに伴う被害。これだけのものがあれば今迄沈黙を保っていた派閥も声を上げよう。
そして、小坂に一部からは『処理班』とも呼ばれる調査隊が派遣されるのだった……


参加者一覧です。

文楽座 瑠璃(ウォーコイト・ドラグーン/ゴンタ)
よく分からないものを食べて触手が生やせるようになったらしい人、というか、そろそろ人でなくなっているような……
色々と思いだけで行動するけれども……?

日森 篤(クレイモア・バルディッシュ/朱雀)
実は此方もよく分からないものを食べてしまっている人。こっそり千香とコンタクトが取れます。
調査班に意見を述べるけれども……?

日林 進(ファランクス・ウォーコイト・ショーテル/急須屋)
何でも海外に行っていたらしい。噂ではサンダーバードの群れを見つけたとか何とか……
今回で終に報告書と実態の差をセラフィム本部に知られてしまったか……?

朝峰 燈馬(アルバレスト/00doll)
いつものように仕事が無く、ジョーさんからの連絡に現れる探偵。
運転中に知覚で効果的成功で見つけたものは……?

東郷 征斗(ドラグーン/東 京)
色々と家の関連で忙しいらしい。実家と今の住まいとの間を行ったり来たりしているとの事。
例の大事件の当事者だが……?


小坂Dr.某(それがし)研究所にて、部屋で待機しているグリーンファントム。そこに現れるオールバックにスーツ姿の男、ロードナイト。
ロードナイト「最近貴方は任務に失敗ばかりしているそうですね……しかも、セラフィムの者らとも幾らか接触を取っているとか……」
ロードナイト「しかし、御安心なさい。私が、今回の貴方のパートナーです。私と組むからには、失敗などありませんよ」
そう言って笑みを浮かべるロードナイト。そして二人は部屋から出て行く。


ジョーさんから皆に一報。
ジョー「明日、海寺千香くんの処置を判断する為の調査隊が小坂にやってくるらしい。事件当事者には事情徴収の為に来てもらうことになると思う」
瑠璃、セラフィム本部にアクセスし、調査隊のメンバーの情報を引き出す。そして、調査隊とは名ばかりの、主に『処理』を担当する者達であることを知る。

リーダーである瀬尾は、自我一つを引き換えに、対象の持つ悪魔寄生体の活動を十分ほど停止させる事が出来る、特殊な共生武装を持っており、其れを使うことによって今迄幾多もの危険な悪魔寄生体を処理してきたのだという。

海寺千香が処理される事になっても、決して無茶なことはしないように、と釘をさされるが、其れに答えない瑠璃。

そして、其の夜。セラフィムに現れ、ジョーさんにセラフィム協力者を止めるという辞表を持ってくる瑠璃。ジョーさんは、其れを受け取り、中を確かめる事無く机の中に仕舞う。

そして、調査隊が小坂にやってくる。
リーダーの瀬尾を始めとし、夢宮、相田、川平の四人組。
川平は一人離れ、以前の事件の被害についての調査に出掛ける。
残った三人はまずセラフィムに訪れ、ジョーさんや瑠璃、日森に、形式ばかりの事情徴収を行う。
瑠璃の、千香ちゃんを如何するつもりなのか、と言う質問に、機械的に、もし必要ならば処理します、とだけ答える瀬尾。
事情聴取が終わると、早々にセラフィムから出て行く三人。

自宅に居た東郷の元に現れる夢宮。事情徴収を行うと共に、「瑠璃について如何思うか?」という質問をする。
夢宮「例の存在の体の一部を食し、体の幾らかが同化されている文楽座瑠璃について、彼女が例の存在によって操られているという可能性がある事を鑑みた上で、貴方は彼女の事を如何思うか?」
「あいつなら大丈夫じゃないのか?」といった感じで、答える東郷。夢宮はそれを聴いた後、去ってゆく。

一方、横太郎やら犬次郎やらに接触を取ろうとする相田だが、両者ともに捕捉することが出来ず、事情徴収を断念。

調査隊、一度集合し、情報を交換するに、事件の被害は多大であり、同様の事件を発生させかねない海寺千香は危険すぎる存在であり、処理せざるを得ないという結論を出す。

一方、調査隊が動いている間に恵理に連絡を取り、もし調査隊が現れたならば教えて欲しい、と頼む瑠璃だが、断られたので警察のロビーにてアリスと話し続けて待ち続ける。

セラフィムに調査隊から、これから海寺千香に接触するという連絡を受け、燈馬の運転する車に乗り、警察に向けて移動する一同。
そんな時、燈馬が、近くの路上をグリーンファントムが歩いているのを見つける。
……そして車に連れ込まれるグリーンファントム。

何か企んでいるのかと問われ、調査隊や海寺千香の現状についての情報を集めていたことをあっさりと話すグリーンファントム。
特に問題は無いと判断した一同は車のトランクの中にグリーンファントムを閉じ込め、警察署の中へ。そして瑠璃と合流。

恵理の洩らした話では、調査隊はトラックで裏の方に来たらしい。海寺千香を閉じ込めている強化ガラスの部屋ごと運ぶ気らしい。
警察とは既に上のほうで話がついているらしく、海寺千香の引渡しはあっさりと行われ、トラックは郊外に向かう。
瀬尾に了解を取り、トラックに同乗する一同。

そして意見のぶつかり合い。
海寺千香の処理について断固反対する瑠璃を筆頭に意見を述べる一同に、処理の意向を変えようとしない瀬尾を始めとする調査隊。
結局、処理を始める前に、瑠璃が千香に接触する事を許すが、その際に危険なことがあれば即座に処理するし、また、特に特筆すべき事が無い限り処理させてもらう、という意見に落ち着く。

千香に接触する瑠璃。
しかし、其のときに常人では聞こえない程の高音域の音が辺りに響く。聞こえたのは瑠璃と日森と、千香の三人だけ。しかも、其の音を聞いた千香が急に怯え始め、触手を生やして調査隊の面々を攻撃し始める。

一体何が起きているのか、判断できない一同だが、動き出す調査隊をどうにかしなければならないと悪魔化。

そんな時、何処からとも無く響く声。
?「そろそろですかね……」
突如、相田の体から何かが調査隊の面々の体に向かって飛び、調査隊の動きが止まる。
それどころか、調査隊の面々の身体が意思とは関係なくPCらを襲い始める。

戦闘へ。

調査隊を戦闘不能にしたところで再び辺りに響く声。
ロードナイト「やれやれ、そう上手くはゆきませんか……グリーンファントム君が任務に失敗するのも頷けます」
調査隊の体から抜け出てきた黒い塊はロードナイトと名乗り、海寺千香に、特定の音を聞くと自己防衛の為に暴れだすように調教をした者だと答える。
ロードナイト「出来るのでしたら海寺千香を回収したいところでしたが……まあ良いでしょう。本来の任務だけ済まさせてもらいますよ」
そして瀬尾の持つ、悪魔憑き抑制能力を持つ共生武装を奪い、去っていってしまう。


後に、調査隊の面々が出した報告書には、海寺千香に接触、意思疎通できる者が存在して居る事を鑑み、セラフィム小坂支部にて監視を続けるという、現状維持の意図が記していたという。



……ちと無茶がありましたかね?反省します。
参加していただいた方々、御疲れ様でした。

VISONブースタードラフト戦報告 byミドリ

2008年01月23日 11時45分26秒 | つれづれなること
今週水曜から金曜にかけてVISIONブースタードラフト戦が行われました。優勝賞品はゴンタさん提供のイヌサクヤのプロモカード。
参加者はひょっぽらさん、ゴンタさん、急須屋さん、GHETTA、k君、私の六人。
レギュレーションは、カードは第一弾と第三弾、デッキ構成には公式ルールを使用、2勝先取のリーグ戦。
結果は全勝したGHETTAの優勝。イヌサクヤを掻っ攫っていきました。神奈子3積みにオンバシラはカウンター系の少ないドラフト戦では恐怖でした。
そして見事最下位の私はブログの義務をいただきました。
ドラフト戦は普段使わないカードが意外に役に立つことが判明したり、重いキャラがぽんぽん出たりとなかなか面白かったので、またやってみたいです。

色々と大変でした byGHETTA

2008年01月19日 00時11分47秒 | TRPG関連
デモンパラサイト小坂シリーズ第百三十六話
『人でない何か 後編』

只白ばかりが広がる世界に、佇む二つ。
片方は『男の子』と呼ばれ、片方は『女の子』と呼ばれていた。
……その二つは其の事を認識していなかったが……
二人は言葉を交わす。
「……誰も来ないね」
「うん……」
「……何処に居るのかな?」
「……分からない……」

関係者一覧

文楽座 瑠璃(ウォーコイト・ドラグーン/ゴンタ)
変なものを食べた所為で、前回以上に色々奇怪な行動が目立って仕方が無い人。
そろそろ本気でやばいって。人間を止める気ですか?

日森 篤(クレイモア・バルディッシュ/朱雀)
こっちもこっちで人間を止めてしまいそうな現人神。行動は至極真っ当なのですが。
瑠璃と言いこの人と言い、この二人は本当に大丈夫なのだろうか?

犬次郎(バルディッシュ・クレイモア/急須屋)
今回はあまり北斗神犬の技の出番は無かった模様ですが、それでも居るだけで安心できる御犬様。
瑠璃を背中に乗せて走ります。

横太郎(ドラグーン・ガントレット/00doll)
あんな変で気持ち悪いものを食べる奴の気がしれねぇ、とのたまわっておられた雀様。其の通りでございます。
最近瑠璃を一層妙なものを見る目で見るようになったとか。

鈴木 恵理(ブリガンダイン/mono)
矢鱈と忙しい小坂の九課所属の警察官。
変なものを体内に取り込み、奇怪な行動を繰り返し、危険分子に近付く奴は捕らえなきゃいけませんよねぇ。

西田 愛鈴(ショーテル/えび)
たまたま休暇中だったらしいアイドル猫。こんな事件に関わっても大丈夫なのだろうか?
最近色々と知恵やら何やらを身につけてきたらしい。

東郷 征斗(ドラグーン/東 京)
何かと考えて色々と動き回る周りとは対照的に、じっと待つ人。
攻撃力と防御力を兼ね揃えた彼は、本当に特殊攻撃以外でどうやったら倒せるんだろうか……


肉塊を食べてしまった事で体内でどうなっているのか分からず、千早病院に入れられる瑠璃。最悪の事態に備えて何名かの警察官が病院を監視している中で、グリーンファントムに連絡を入れる。
訓練を終えてやってきたと言うグリーンファントムはあっさりと警察官の監視をすり抜け、瑠璃の病室へ。そして瑠璃の質問に幾つか答える。
「例の実験体が『男の子』と『女の子』と呼ばれていたのは事実っすけど、意識があるのかどうかは聞いた憶えがないっすねぇ」
最後に、研究所の方で実験体の事が話題に上がるかもしれないと言い残し、グリーンファントムが帰った後で、一佐の動きを《巨牙捕縛》で封じたりしつつ、病室の窓から外に抜け出し、セラフィムに向かう。

そして、セラフィムでは、捕らえた研究員の尋問が始まる。
Dr.某(それがし)の研究所ではこの実験体を育てる事が難しいと判断し、抜け出した事。実験体には意識らしきものがある、という事。そして、実験体は何かを求めているという事。身体がある程度肉塊に侵食されているならば、肉塊は襲ってこない、と言う事。
尋問に答えながら「海寺千香はこの建物の中に居るのか?」と聞き返してくる研究員。「居ますよ」と答えてしまう日森。
尋問が終わり、皆が部屋から出て行った後で、研究員が「海寺千香がいるそうだ」と右手に囁くと、肉塊と成り果てていた右手が体から剥がれ、壁と壁の隙間の中に入ってしまう。

異変に気付くかどうかの判定で何人かが気が付き、研究者の部屋を覗くと、肉塊が隙間の中に丁度消えた所だった。
一方、とうにセラフィムに到着していた瑠璃が衝動二段階で『茫然』を振ってしまい、意識が消えて身体が千香の居る部屋への扉を開けてしまい、その口から前に食してしまった肉の触手が伸びて、千香の方へと伸びて、千香の中へと同化していってしまう。
気が付くと、己の口から肉塊を伸ばしている状況に気が付き、慌てて其れを噛み切る瑠璃。しかし、千香の方には異変があり、身体が変化し、まるで《肉体形状変化》を行ったかのように形が崩れ始める。さらに、部屋を取り囲むように隙間に入った肉塊が移動している事を《生物感知》で知り、慌てる一同。
そこで、何を思ったか、ドクター某(なにがし)がなにやらジョーさんと二、三言交わし、「何かに捕まってくれ!」と指示。疑問に思いながらもそれぞれ何かを掴むと、
ドクター某(なにがし)、共生武装『セラフィム小坂支部』を解除。

共生武装:セラフィム小坂支部(種別防具)
建物型の共生武装。一度起動すると解除を宣言しない限り起動し続け、且つ、位置は発動した場所から動かせない。非生物を収納できる。
但し、建物が受けたダメージの一割を起動した本人が受ける。

セラフィムの入っているビルが無くなり、何時の間にか地面に立っている一同。当然肉塊も地面に落ちている。
瑠璃が《吸血攻撃》で倒そうとするも、ファンブルによる振りなおし連続で衝動五段階を振る事に。
結果は『飢餓』、再び目の前の肉塊を食べる事に。一同、口から吐いた上で再び食べる瑠璃に流石に引く。

そこで警察が到着。瑠璃を病院に戻そうとするが、抵抗にあい、さらに、そろそろ研究所の方で肉塊が増殖して危険になってきたので、自衛隊の出撃を要請して爆撃を行おうか、という話になっている事を知る。
一同、もううかうかしていられないと、研究所に突入する事に。
そこで瑠璃が、一人で行くと言い出す。私ならば体内が肉塊に侵食されているから、触手による攻撃を受けずに内部に入ることが出来る筈で、もしかしたら実験体の『男の子』『女の子』に接触できるかもしれない、と。もしその二人に意識があるならば、意思疎通も出来るのではないか、と。
アリスを皆に渡し、人形に何かあったならば突入してもらって構わないと、言い残して突入する瑠璃。

中は一面肉片肉塊で覆われてしまっており、常人では気がふれてしまいそうになる空間を歩き、瑠璃は二階にある部屋の一室にたどり着く。
其処に在るのは、片手で持ち上げられそうな、小さな人型の肉の塊が二つ。しかし、瑠璃には其れがまるで人間の男の子と女の子とのように見えた。
何をしているの?何がしたいの?言葉は分かる?尋ねる瑠璃の言葉は、ほとんど向こうには伝わらないが、しかし、確実に瑠璃の言葉を聞こうとはしており、僅かながら言葉を返してもくる。
話続ければ何となるかもしれない、そう瑠璃が思ったときだった。

夜空を飛ぶ、無音のヘリコプター。そこから研究所に向かって飛び降りる影が二つ。
其れは触手の攻撃をかわしながら屋上の屋根を突き破り、研究所に突入してゆく。
其れを見て、遅れまじと研究所への突入を始める一同。

瑠璃と実験体二つのある大部屋にて戦闘に。
瑠璃も半分の意識を戻し、戦闘に参加。

日森、戦闘中に思わず『飢餓』。瑠璃と同じ世界を見れるように。

戦闘が終わった後で、再び瑠璃が皆に一人にして欲しいと頼み込む。結局触手に襲われない日森と瑠璃が残り、実験体との意思疎通開始。
長い時間をかけ、少しずつ意思を伝えてゆく。
増殖を続ける体をどうにかできないか、と尋ねたところ、『男の子』と『女の子』は己の体の殆どを《食料化》で只の肉塊に変えてしまう。これにより、研究所中の肉塊やらは全て無害なものに。
瑠璃は千香に会いたがっている二人を抱え、研究所の外へ。
しかし、外では警察が待機しており、瑠璃に、危険なので実験体を渡して欲しい、と迫る。
瑠璃、犬次郎の力を借りて包囲網を突破。セラフィムへと急ぐ。
日森、残って事情説明に。

セラフィムにて、千香の前に実験体をおくと、実験体は千香の中へと同化してゆき、消えてしまう。其れと共に千香に初めて意思のようなものが目覚めるが、駆けつけてきた警察によって再び包囲されてしまう。
一触即発の状態で鳴る瑠璃の携帯。
グリーンファントム「いやぁ、瑠璃さん操って千香さんを確保しようとしましたが、無理だったようっすね。んじゃ、そろそろ洗脳を解きますか」
口裏を合わせてもらえればいいっすよ、というグリーンファントムに、あわせて芝居を始める瑠璃。

結局瑠璃は事情徴収の為に警察に連れて行かれましたが、大事には至らなかったようです。
後日、文楽座家を尋ねてくるグリーンファントムと、Dr.某(それがし)の実験体宝石シリーズの一人でルチルと名乗る女性が現れ、瑠璃から、アゲートちゃんに渡して、と、アゲート人形を受け取って去っていったとか。

尚、千香は危険分子として、警察に監禁されました。ドクター某(なにがし)ごとですが。



……人間を止めそうな人が多いのが怖いです。
其れはそれで好みの展開なのですが……

とある方がいないので前編 byGHETTA

2008年01月18日 23時35分55秒 | TRPG関連
デモンパラサイト小坂シリーズ第百三十五話
『人と異なる何か 前編』

参加者です。

文楽座 瑠璃(ウォーコイト・ドラグーン/ゴンタ)
言わずもがな、何かと奇妙な行動が目立つ人。今回の事件ではさらに凶行に走る?
変なものを食べた人。

犬次郎(バルディッシュ・クレイモア/急須屋)
街中の異変に気が付いた御犬様。最近はあまりモヒカン犬を見ないそうで。


横太郎(ドラグーン・ガントレット/00doll)
厭な匂いを出す物体に対してトラウマがあるらしい雀。嫌悪感露わに行動。
でも、何だかんだ言っても手伝ってくれます。

北国 早紀(ブリガンダイン/東 京)
今回の悲惨な人。普通の高校生がこんなもん見るもんじゃないって。
地道に頑張れます。

最近モヒカン犬を狩る事が少ない犬次郎が町を歩いていると、ふと、足元で、下水の中を移動する物体に気が付く。
何かが起こっているのだろうか、犬次郎はセラフィムに向かった。

犬次郎の報告を受けてその物体を探そうと、ジョーさんは皆に連絡する。
確認するに、どうやら先日からそのようなものが街中に出ているらしい。

夜中に見回る一同。そして小さな川の近くで其れを見つけた。
下水に繋がる小さな河や其の近くに現れる、トリブルスのような物体。しかし、形こそトリブルスに似ているものの、それは何処か異なっており、何をするでもなく周囲を見つめるだけ。
とりあえず押さえようとすると、瑠璃が触れたところ、其の体に触れたところが其れと同化しそうになってしまう。
遠距離攻撃ならば問題は無い事を知り、遠くから射撃する横太郎。
倒された其れはぐずぐずと崩れだし、只の肉塊になってしまう。

一体何なのだろうと首を捻る一同。そこで瑠璃が警察の方にこっそりとハッキングし、警察が既に幾つか其れと同様のものを街中で退治していることを知る。

警察に訪れ、九課の者に警察の方で確保した際の話も聞き、矢張り其れが周囲を見るばかりであった事を確認、さらに、二重の方が確認された件数が多い事を知る。

如何したものか、とセラフィムで相談していると、不意にグリーンファントムが訪れてきた。何の用か、と尋ねるジョーさんに、依頼に来たんっすよ、と答えるグリーンファントム。
「海寺千香さんの細胞を培養して実験していた人が居たんっすけど、その人が研究体を持って逃げ出しちゃったんすよ。其の実験体は、千香さんの細胞のクローンなんすけど、どうやっても只の肉塊にしかならず、人の形にならなかったそうっす」
そんなものが万が一世間に出ると危険すぎると判断したグリーンファントムは個人的にセラフィムに尋ねてきた、との事。研究員と実験体を捕らえてくれたらセラフィムの方で保護してもらって構わない、と言うグリーンファントム。
幾らか不信感を抱くも、瑠璃が受ける事に。報酬の代わりに、グリーンファントムはとあるものを運んで欲しいと約束される。

グリーンファントムに、二重の方に何かがあるのか、と尋ねたところ、R.O.H時代の研究所があるが、其処は既に廃棄されて何も残っていないはず、との事。

廃棄された研究所の在る二重の山中に足を踏み入れる一同。
しかし、其処にはまるで生き物の気配は無く、只木々が風に吹かれて揺れるばかり。
ふと、傍らをねずみが一匹、山中に向かって走り去ろうとしたので、捕まえる瑠璃と犬次郎。話を聞こうとするに、何か甘い匂いがするから気になって向かっているのだという。

放したねずみが走り出すと、幾許もしないうちに山の奥の方からよく分からない蔦のようなものに絡め取られ、奥に引きずられてゆく。
一同が蔦を攻撃してねずみを助けようとした時、ふと、其の奥に何者かが立っていることに気が付く。
それは人間の出来損ないとしか言いようがない、肉の塊。蔦は其処から幾本も伸びていた。其の傍らには研究者然とした男性が一名。しかし、男性の右腕は傍に立つ肉塊と同じような状態になっている。

襲い掛かってくる肉の蔦に対処する為に、戦闘となる。

肉塊を倒したところで、それはびくびくと震えながら人の形すら失い地面に倒れ伏したのだが、何故か衝動の結果で《飢餓》を振ってしまった瑠璃が其れを食べてしまう。

なんてものを食べてしまったのだろうか、と瑠璃が悲壮感にくれているのもそこそこに、男性を犬次郎に背負わせて山奥に移動するに、研究所と思しき場所に出る。
が、脈動する肉塊が蔦のように増殖して研究所を覆ってしまっていた。
さらに、一定距離まで生物が近付くと何本もの蔦がその生物に襲い掛かり、同化してしまう事を知る。

一体何が起きているのか、そして、そんなものを食してしまった瑠璃は大丈夫なのか、様々な不安を抱えて後編へ。

時にはかわいい一面も見せてみる By朱雀

2008年01月18日 00時08分07秒 | TRPG関連
報告が遅くなってしまいましたが、例によってデモンパラサイトです。
今回は最近ちょくちょくシナリオに登場してはいるものの、全くスポットが当たっていなかった『彼女』が引き起こした事件に関するお話です。


――小坂某所。
1人の女性が自宅へと帰ろうとする、その帰り道のことであった。
年齢は20代半ばといったところだろうか、身長は180cm近くあるが、よく引き締まった体格をしており、筋肉質な印象は受けない。要するに、スタイルがいいのだ。
彼女は自分の特技を活かし、脚で稼ぐ仕事をしている。とは言っても、別にモデルでもなければ刑事でもない。
彼女の仕事は、言ってみれば情報収集だ。その広大なまでの行動範囲と機動力で、リアルタイムの情報を集め、報告する。
彼女の名は天見悠羽。R.o.P十二神将・卯の席に座る悪魔憑きである。

天見「ふぅ、今日も1日中あっちこっち走り回ったから疲れたぴょん」

……まあその、だからってこれといって威厳があったりするわけではないのだが。


デモンパラサイト 小坂シリーズ第134話
「絆と鎖」

天見 悠羽(バルディッシュ 8/ドラグーン 7/ファランクス 7)
くどいようだけどR.o.P十二神将の1人。
R.o.H 衰退期に生まれたTシリーズと呼ばれる一連の実験体の生き残りの1人で、バリオスを凌ぐ機動力を持つ。
普段は人間の姿で過ごしているけど、その正体は文字通りウサギ。
こう見えて意外と年頃の女の子らしい一面も持っているらしい。
そういえば、ウサギって寂しくなると死んじゃうって本当なんですかね?


天見はいつものように自分の暮らすアパートに戻ろうとしていたところ、その途中にある空き地で「あるもの」が目に留まり立ち止まった。打ち捨てられるように停められた1台の廃車の下から、1匹のハムスターが顔を覗かせていたのである。
思わず近づき、そっと抱き寄せてみる天見。
ハムスターは特に抵抗する様子もなく、むしろ彼女の掌の中でころころと懐いているようですらある。

天見「……えへへ~♪」

拾い上げたハムスターを胸元で抱きしめ顔をほころばせながら、天見は再び帰路についた。

天見「――――師っ匠~~!! この子ウチで飼ってもいいですか~~?」
師匠?「あらあら、ケダモノ風情が何を言ってるのかしら」

……えっと、まあ、一瞬で女の子女の子した雰囲気からスピンアウトした気もするけど、気にしない方向で。あと天見の師匠とかいう存在にも今回はノータッチで。


そしてそんなことがあった数日後のある晩、突如小坂のあちらこちらで連続して小規模な停電事件が発生した。
幸い大事に至ることはなかったものの、断線した電線にはネズミか何かによって齧られたような跡が残っており、時にはアスファルトの下に埋まっていたはずなのに、ものの見事に引きずり出されて食い荒らされているものもあった。
数少ない目撃者の証言によると、通常より一回りも二回りも大きなネズミとともにふらふらと歩いてゆく女性らしき影を見たというのだが……


登場PC
紅 麗美(ファランクス 7/カラドボルグ 6) PL:ゴンタ
見た目は子ども、中身も子ども(殴打 な永遠に幼い自称気高き吸血鬼。
十五夜さんのかつての同胞が引き起こした事件ということもあって、心持ちカリスマ度高め。
衝動効果も含めて射撃攻撃命中値50って何ですか?

猿渡 次郎(ヴォージェ 7/ドラグーン 6) PL:ミドリ
見た目はともかく、頭の中身がどうにもアレな感じの猿渡組8代目組長(予定)。
大切な世話係がやられたとあっちゃあ、さすがに黙ってません。
最近以前にもまして動向がアレなので、とうとう親父から大目玉を食らいました。

文楽座 瑪瑙(ファランクス 8/カラドボルグ 7) PL:GHETTA
見た目は武人、中身も武人なせいか、最近目に見えて知力が下がってる気がする文楽座家次女――って今回はこんなのばっかりか!
何のためらいもなく、他人の家の引き出しを《開錠触手》使って漁りまくり。
手癖は相当悪い方です。間違いなく。

朝峰 燈馬(アルバレスト 7) PL:00doll
見た目は若き青年探偵、中身は日林の一番弟子な開店休業状態探偵。
久しぶりにまともな仕事の電話がかかってきたと思ったのに、停電でパーになってしまいました。残念。
伝家の宝刀《射撃反撃》が火を噴くのは一体いつの日になるのか?


話は少しさかのぼって新年早々。
三が日も過ぎるか過ぎないかという日に紅邸を訪れた天見。
数少ないTシリーズの生き残りのよしみで、わざわざ年賀状を届けに来たらしい。

麗美「十五夜、知ってる人?」
十五夜「……ええ、まあ。どうも私と同じように研究所で実験された子の1人らしいのですが……」
麗美「? 何か問題でも?」
十五夜「(年賀状を横目に見ながら)……R.o.Pにお世話になってると思いっきり堂々と書いてあるんですけど……」
麗美「ぶっ!? というかそもそも、なんで年賀状をわざわざ手渡しに来るのよ?」
十五夜「確か、ものすごく寂しがり屋だったので、そのせいかも……」
麗美「…………」

色々腑に落ちない点はあったものの、突然の来訪者が十五夜と同じような境遇にあった者だということもあって(それ以前に人畜無害そうに見えたこともあるが)、麗美は天見に、今後も来たい時に紅邸を訪ねてくれて構わないと告げる。
麗美の申し出に天見は目を輝かせ、必ず近いうちに遊びに来るからと言って帰っていった。
しかし、それほど目を輝かせていたにもかかわらず、以来紅邸に天見が訪れることはなかった。不自然というほどのことでもないが、一体どういう心変わりなのか。


話は現在に戻って場面は小坂市のとある一角。
次郎はマサさんと一緒に街中をぶらついていたところ、ふと路地裏にどことなく挙動不審な女性が物陰に屈みこんでいるのを見つけ、好奇心から声をかけてみる。
次郎は覚えていなかったが、(後で確認した結果)女性は天見であり、彼女の足元では1匹のハムスター(というには余りにも大きかったが)がむき出しになった電線か何かを旺盛に齧っていた。
天見の様子も目に光が宿っていなかったり言葉遣いがいつもと違ったりと、なにやら尋常ではなかったこともあって、ハムスターが電線を齧るのをやめさせようと天見に手を伸ばすマサさん。しかし、次の瞬間悪魔化した天見の反撃を受け、重傷を負う。
さすがにこの事態を見逃すわけにもいかず、次郎も悪魔化して天見との戦闘が始まるが、異様なまでに天見の動きが素早く、カウンター以外の手段で有効打を与えることができず、先に次郎の方が倒れてしまう。
そして天見はハムスターを愛おしそうに抱き上げると、その場から静かに立ち去っていった。
その後、次郎とマサさんは通行人によって発見され、マサさんは病院へと搬送。次郎はマサさんの敵討ちを誓うのだった。

仮にも対立関係にあるR.o.Pは千呪印の配下である十二神将にやられたということもあり、事態を重く見たジョーさん。
麗美らを招集し、停電事件との関係を示唆した上で、天見のこれ以上の犯行を止めるよう指示する。停電事件自体は小規模とはいえ、放っておいていつか治まる類のものではないことは明白だった。

ひとまず、年始に十五夜の元に届けられた年賀状に記載された住所を尋ねてみると、そこは見るからに年季の入った感じの古アパート。大家に頼んで部屋の鍵を開けてもらい、中を覗いてみる。
部屋の中は惨憺としていた。
1DKの小さな部屋のいたる所に大型のネズミのものと思われる齧り跡が刻まれており、1つとして無事な家具・備品はなかった。
部屋の中央に置かれた小さな卓袱台は脚が丸々1本失われ斜めに傾いでおり、1組しか見当たらない食器の類は、縁が半分以上欠けていた。
部屋の片隅にあるブラウン管式のテレビはその4分の1が抉られたように消え失せ、内側の基盤や配線の無残な姿を晒すだけに留まらず、電源が入れっぱなしなのか、時折画面が明滅したり火花が飛んだりしていた。
部屋同士をつなぐ数少ない扉も被害から免れることはできず、部屋の内側に面したドアノブはすっかり失われ、床にはその残骸と思われる金属片が数個転がっていた……。

そこに生活感といったものは欠片も感じ取ることができなかった。
既に住居としての機能は失われ、廃墟の様相を呈していた。

麗美「……これは……あまりに酷いわね……」
瑪瑙「とりあえず、手がかりになりそうなものを探しましょう。日記とか……」

《開錠触手》を駆使して天見の最近の動向を記した記録がないか探す瑪瑙。
そして、ほどなく1冊の日記帳を発見する。
そこにはここ半年ほどの彼女の日々が綴られており、ほぼ毎日の記録が残されていた。
セラフィムとR.o.Pが協力して真田山の山神を倒しに行ったこと、偵察ついでに魔理亜や“ハクレイ”に会いに行ったこと、つい先日芥が大繁殖したこと、などなど。(ゴンタ「なんかさらっととんでもないこと書いてあるぞ(笑)」)
最後の数日の日記は、主に件のハムスターのことで埋め尽くされていた。
『1月1×日、今日、帰り道でハムスターを拾った。1人ぼっちで寂しそうだったから、こっそり持って帰って飼うことにした。名前は明日にでも改めて考えようっと♪』
『1月1●日、昨日拾ったハムスターはすっかり懐いてくれたみたい。名前は「ちゅう太」に決定!』
『1月1△日、考えてみたら、日中仕事をしている間この部屋にちゅう太を1人ぼっちにしていることに気づいた。ちょっと寂しい思いをさせちゃったかも。明日は1日一緒にいてあげよう』
日記は停電事件のあった日の前日を最後に途絶えており、麗美らはこのハムスターが事件の元凶だろうと当たりをつける。

燈馬「問題は、その天見さんをどうやって捕まえるか、ですね」

データ的なネタバレをしてしまうと、天見は《移動適応+3》に《加速》まで所持しており、移動しているところを捕らえることは非常に難しい(最高時速1050km)。そのため、どこかにおびき寄せてそこで一気に叩くのがベストだと一同は結論付ける。
ここで十五夜が自ら囮を買って出、麗美も渋々これを承諾する。
年賀状の片隅にしっかりと明記されていた彼女の携帯電話の番号に連絡を入れ、周囲に民家のない場所に天見を呼び出すことに。

ややあって待ち合わせの場所に到着する天見。
その瞳は暗く沈んでいて、生気が感じられない。
麗美や十五夜の言葉にも大して耳を貸さず、口元は虚ろな笑みを浮かべている。
件のハムスター“ちゅう太”は、没交渉な天見の背中から姿を現し、それが戦闘開始の合図であるかのように言い放った。

ちゅう太「折角手に入れた使い勝手のいい宿主なんだ。そう簡単に手放してたまるかよ!」

そして最終戦闘・天見VS麗美ら4人の戦いが幕を開ける。
手数で勝る麗美らだが、《超増強液》+《危険感知》で身体能力を大幅に上昇させた天見は、その攻撃を悉く回避。ちなみにどんな攻防が繰り広げられていたかというと、衝動第4段階で「全力」を振った麗美が放った達成値50の射撃攻撃を、天見が達成値51で回避してるような状況。正直異常です。
さらに天見は本来の能力に加え、“ちゅう太”の能力で《連撃必倒》を使用できるようになっており、《連続行動》と併せて1ターン3回攻撃を繰り出してくるトンデモ性能。
とはいえ、効果的成功や致命的失敗だけはどうしようもないため、その隙を突いて、ギリギリのところで次郎がマサさんの仇とばかりに天見を撃破する。

戦闘後、“ちゅう太”を天見から引き剥がしにかかる麗美。
“ちゅう太”の正体は生命を持ったブラックギアス(第40話第70話参照)の改良型であり、より高度な知能を持たされた実験体。とある研究施設から逃げ出してきたもののどうすればいいのか見当もつかず途方にくれていたところを天見に拾われようで、当面の宿主として天見を利用していたらしい。他者と一緒に暮らす方法として彼(?)が寄生以外の手段を知らなかったのが、今回の混乱の原因と言えるかもしれないが、最終的に“ちゅう太”は《魔種吸引》されたことで通常のブラックギアスに戻ってしまったため、彼の人格は消滅してしまうこととなった。

一方の天見は戦闘途中で暴走したこともあり、“ちゅう太”から引き剥がされた後も気絶したままであった。
夢の中で何かにうなされてでもいるらしく、何事かを呟きながら、その眦からは一筋の涙が零れている。

天見「…………お願い……行かないで…………一人にしないで…………」
麗美「………………」

麗美は十五夜に無言で合図し、そんな天見を自宅に連れ帰ることにする。
十五夜のことを慮っての処遇だが、ひょっとすると出逢った当時の十五夜に通じる何かを感じたのかもしれない。

翌日。
紅邸に“カグヤ”と名乗る者が訪れる。
麗美が玄関先に出向いてみたところ、相手はどう見ても人間ではなく、体長7、80cmほどの大きさの日本人形。
『それ』は口元を小刻みにカタカタと動かしながら、天見を引き取りに来た、返してほしい、と言う。
得体の知れない相手なだけに、ハイソウデスカと簡単に天見を引き渡すわけにもいかず、十五夜と天見の間で積もる話があるから今日のところは引き渡せない、と断る麗美。“カグヤ”の方も必要以上の口論をするつもりはないらしく、その場は引き下がる。

カグヤ「それじゃあ、“イナバ”(天見のTシリーズとしてのコードネーム)が起きたら伝えといて頂戴。今日中にあんたの師匠のところに帰ってくるように、って」

その後、目を覚ました天見は十五夜との積もりに積もった20年分の過去話に華を咲かせた。
彼女は“ちゅう太”に取り憑かれていた間のことは覚えていなかったが、十五夜に事の顛末を聞かされ、驚愕するとともに申し訳なさそうに謝り、そして礼を言って帰っていった。



ちなみに、天見が自宅の惨状を目の当たりにして最大級の衝撃を受けるのは、次の日の朝のことだった……。

キャラ的に慣れない姿を見せるとロクな結果にならないってことでしょうかね? 違うか。


(おまけ)“カグヤ”
天見の「師匠」の横にたまにいる(らしい)人形。
見た目は十二単を着た日本人形。
今回は一般人である門番・国中を催眠術か何かの力で操り、紅邸に侵入してきた模様。
しばしば単身で市内のゲームセンターやホビーショップなどに遊びに行っては散財しているらしく、しかもそれらの金は“カグヤ”本人が自分で稼いだ金ではないのだとか。
天見曰く「放浪ニート」。

ワシントン条約には抵触しませんよ!? By朱雀

2008年01月14日 23時18分24秒 | TRPG関連
さあ、今日も元気にデモンパラサイトだ。
いつの間にか第11クールに突入ですよ奥さん。
ちなみに今回は131話の裏で同時進行していたお話です。



天見「こっちから行くと近道なんだぴょん♪」
R.o.P十二神将が1人・天見はそんなことを呟きながら、いつものようにセラフィム小坂支部屋上を通過した。
通過してからふと気づく。今日もあの子は定位置であるはずの屋上にいなかったみたいだ。
天見「……まっ、私には大して関係のないことだぴょん」

…………それから数分後。

彼女は血相を変えてセラフィム小坂支部に飛び込んだ。
天見「一体『あれ』はどういうことだぴょんっ!?」
ジョー「え、えーと、一体君は何のことを言っているのかな?」
余りに突然な敵対(しているはずの)組織の一員の訪問にとまどいながらも、ジョーさんは冷静に対応する。
天見「何のことも何も、お宅のとかいう子が街で大繁殖してるぴょんっっ!!
ジョーさんのみならず、その場にいた全員が飲み物を吹き出した。


デモンパラサイト 小坂シリーズ第132話
「踊る大包囲網 ~芥 野久人を捕獲せよ!~」

事件解決に借り出された可哀相な人たち

紅 麗美(ファランクス 7/カラドボルグ 6)PL:ゴンタ
見た目は小学生、中身は高校生な自称『高貴な吸血鬼』。
専門は帝王学と『運命を操る』こと。
身長の低さが何かと仇になるのが微笑ましくも哀れ。

鈴木 恵理(ブリガンダイン 7)PL:mono
今日も静かに微笑む小坂警察九課所属の婦人警官。
事件が事件なだけに、警察とセラフィムの橋渡しを主に担当。
法とセラフィムの奔放な悪魔憑きの間で何かと板ばさみにされているのが何とも。

キャサリン=バネット(ファランクス 5)PL:k
斧を持つと豹変する横堀学園英語教師。
実は他人の言ってることをあまり聞いていないような気がするのは気のせいですかそうですか。
戦闘時は3ターン目以降なんて知りません。

日向 葵(ショーテル 6/モリオン 5)PL:東京
日常を芥の隣で過ごすヒマワリ少女。
芥の事を多少なりとも心配しているのは彼女だけです。
常におっとりしているせいか、彼女の主張は周囲の人になかなか届いてませんでした。

寿 虎千代(ドラグーン 4/ファランクス 3)PL:GHETTA
小坂では珍しい真っ当な不良少女。つまり不幸。
余りにも非常識な現実の前に、何度自発的に衝動第5段階を振りたくなったことか。
現実とはかくも厳しいものなのだよ。頑張れ。

アンナ=リシュール(クレイモア 4/カラドボルグ 3)PL:安綱
久しぶりにセラフィムから外に出た気がする小坂支部居候。
日向とほぼ同じ時間をセラフィムで過ごしていながら、芥への態度は120°ほど反対側。
ちなみに【幸運】とは事件への遭遇しやすさを表すステータスです。


事件解決に際し狩りまくられた可哀相な人(?)

芥 野久人(ショーテル 4)
セラフィム小坂支部が誇……れない植物悪魔憑き。
ポピーの原種のため、時たま怪しげな芳香を漂わせて周囲の人の意識にとろみをつけてます。
「だから、ボクは何もやってないってば~~~!!(本人談)」



……そんなわけで、主力陣が軒並み出払っていたせいで呼び出された面々。
責任者であるジョーさんとしては、事が事であるだけになるべく穏便かつ迅速かつ内密に事態を解決したいところです。
早速事件解決のために対策会議が開かれたわけですが――

虎千代「オレはそいつのことをよく知らないんだが、とりあえず見つけたらぶっ飛ばしゃいいのか?」
恵理「ぶっ飛ばす以前に、あんな危険なものはさっさと焼き払ってしまいましょう」
キャサリン「でも、下手に焼いたらよくない煙とか出てくるんじゃあ……」
麗美「いっそのこと凍らせるというのはどうかしら?」
アンナ「しかし、ついに彼も狩られる時がきちゃいましたか……」
日向「え、えーと、あれ?」

一同、約1名を除いて芥を助ける気ゼロ。
というか、みなさん何の躊躇いもなく芥を滅殺するつもりでいます。
芥、愛されてるなあ(涙)

結局、まずは実際に芥が大繁殖しているのが目撃された場所に行ってみるのが先決だろうということで、恵理の運転する車に乗って一同目撃現場へ。
そこでは既に現場の警官が整理業務などを行っており、話を聞いてみたところ、昼頃に6歳ぐらいの、頭に植木鉢状の帽子をかぶった同じ顔の男の子がざっと30人ほど現れたらしく、その光景を目撃した付近の住民数名が、彼らの撒き散らした煙のようなものを吸い込んで病院に搬送されていた。
住民の1人が携帯電話で撮影した写真には、どこから見ても芥としか思えない姿の少年が、画面いっぱいに所狭しと写っていた。
しばらく付近を探索したところ、現場とは別の場所でおばちゃん達と戯れている芥数人を発見。即座に殴って捕獲し、警察の手に渡す虎千代ら。
ちなみに、繁殖した芥らは、本体の記憶を完全に継承しているわけではないらしく、セラフィムの面々の顔を見ても、取り立てて特別な反応は示さなかった。

虎千代「こんな調子でどこに行ったのかも分からねーこのガキを、あと20人以上捕まえなきゃならねーってのかよ……頭痛くなってきた」

大丈夫。GMもです。

その後、さらに5体ほどの芥を真田山山中の洞穴で焼き払った麗美らは、日も暮れてきたこともあり、一旦セラフィムに帰ろうとしていた。
その矢先、ジョーさんから彼女らの予想だにしていなかった連絡が入る。
なんでも、“本物の”芥が見つかったのだという。
さらに頭を抱えながらセラフィムへの帰還を急ぐ一同。

遡ること数時間前、芥は小坂支部裏にある空き地の片隅で目を覚ました。
今から2週間ほど前、ジョーさんらの強固な反対のお陰で初日の出を見に行くツアーに参加させてもらえず、セラフィムで新年を迎えることになった芥は、すっかり不貞腐れて「冬眠してくる」とだけ日向に言い残し、支部裏の空き地の片隅で本当に2週間ほどの冬眠を始めてしまったのである。
自分が眠っていた2週間に何があったかは判らないけれども、どうせ自分が借り出されなければならないような事件なんて起きてるはずないのだから、大して問題ないだろう――そんなことを考えつつ、芥はセラフィムのドアを開けた。
「ただいま~」
ジョーさんのみならず、その場にいた全員が飲み物を吹き出した。

……数時間後、セラフィムに戻ってきた面々に囲まれ、芥はただ事ではない空気を全身で感じ取っていた。
まずは我慢の限界を迎えた虎千代が動いた。
つかつかと無言のまま芥の前まで来ると、渾身の力をこめて上から拳を叩き込む。
虎千代「てめェが全ての元凶か!!」
「ちょっ(ごすっ)一体何のことだか(がすっ)さっぱりわからな…(どこっ)
虎千代「やかましい!!(めしゃっ)

……ややあって、ようやく芥の言い分が聞いてもらえるようになり、芥のこれまでの動向を知らされる虎千代ら。
どうやら街で大繁殖している芥は本物とは何の関係もないらしいということまでは一応わかったものの、かといって目の前にいる芥が本物なのかも疑わしいわけで、なおも数名が疑いの眼差しで芥を睨む。

「ボクが本物であると証明しろって言われても……う~ん(がさごそ)……あっ、こんなのなら持ってるけど」

そう言って芥が頭にかぶった植木鉢の中から取り出したのは、以前彼がこっそりくすねていた、食べかけのメビウス型のドーナツ(前田さん作・超危険物)だった。
一同「…………」
芥、自己証明と引き換えに自爆。
そして改めて一同の頭に去来する疑問。
じゃあ、『あいつら』は一体何なんだ?

そして翌日も出没する芥そっくりの何か。
麗美たちがその後を尾行してみたところ、彼らはみな真田山のある場所に帰ってゆくようだった。
尾行した先では、芥らしきものたちが5体ほどで輪を作っており、その中心には1人の女性らしき影が立っていた。
???「あらあらあらあらまあまあ、また人間どもに暴力を振るわれたのね?ああ、なんて酷いことを……」
辛うじて聞き取れたその言葉に、麗美たちは互いに顔を見合わせ、思う。十中八九こいつが黒幕だ、と。
しかし、そんな彼女たちの存在に相手も気づいていたようで。
???「……おまけにこんなところにまで無粋に踏み込んでくるなんて。ねえ、そこに隠れているあなたたち。これ以上、私たちの愛の巣を荒らさせやしないわよ!!」
その人物の怒気のこもった発言に、全員が吹き出した(主にプレイヤーが)。

虎千代「……なあ、『あれ』殴り倒したら終わりだよな?今度こそ本当に終わりだよな?」
恵理「そうみたいですね。どうやら人間ですらないようですし、なにやらとんでもないことを口走ってたように聞こえたので、もう遠慮する必要はないでしょう」
日向「芥くんがいっぱい……いいなぁ(ぼそ)」
一同「……え?」
……まあ、そんなこんなで、最終戦闘が開始。

敵はショーテル9-1までの特殊能力を持つトリブルス・エンプレス(仮)と偽芥(カルトロップ・フュージョナー相当)×20。
偽芥は事前に《触手修復》を使用されており(《超軟体》所持のため「行動不能」にならない)、全員永続的にターン終了時にエナジー10点回復してくる上、《特殊能力継承》で《全力攻撃》を使用できるようになっており、彼らに行動を許してしまうと苦戦は必至。
しかし当然ながら、彼らに1ターンたりとも行動を許すつもりはないわけで。

麗美「(ころころ)《爆炎球》効果的成功!!」

はい。偽芥は1体残らず全員ぴったりエナジー0にされました。ちーん。
こうなってしまっては、あとは時間の問題。
それから2ターン後にはキャサリンの手で黒幕の女性も撃沈しておりましたとさ。

ちなみに黒幕の正体はなぜか芥に恋してしまった1匹のモグラ。
およそ半年前、杜預川河川敷で彼がヴィシャスと戦闘しているのを目撃し、その姿にときめいてしまったらしい。(第13話「愛の前に敵はない」参照)
それで、芥を模した存在を大量に作り出し、自分だけのパラダイスを作り上げていたものの、その一部が街中にたまたま降りてきてしまったというのが真相の様子。
イメージ的には女の子が同じキャラクターのぬいぐるみとかを大量に集めているのと同じようなものなんでしょうが。
いやはや蓼食う虫も好き好きと言うか何と言うか。

これで思い残す事は無い by k (131話:前半)

2008年01月14日 22時58分19秒 | TRPG関連
多分、自分がGMをやるシリアスなシナリオはこれが最後になる気がしたので、結構頑張りました。
スペシャルサンクス:GETTAさん

第120話の続編となっていますので、そちらからお読み下さい。

~開幕~
小坂付近某所。
無機質な部屋に拘束されている少女が一人。簡素な金属製のベッドの上に、両手両足と首を金属の輪と大型犬を繋いでおくために用いられるような非常に太い鎖で繋れている少女は、手術患者が着るような簡素な衣服を着用させられているように思える。しかし、それももう染み込んだ多量の血液とズタズタに切り裂かれてしまっている事で、本来の役割を果たしていないように見えた。部屋には彼女を中心に、彼女のものと思われる夥しい量の血痕や幾ばくかの肉片が散乱している。彼女の目には光は無く、ただ虚ろな目は虚空を見つめるだけである。
そして、彼女のいる部屋と強化ガラス板一枚を隔てた隣の部屋には、大量の計器類に囲まれ、モニターを眺めている某がいた。
「ふむ、これで一通りの計測は修了か。」
彼は項目に全て緑のランプが点灯しているのを確認した後、おそらく計測結果であろう、いくつかの数値やグラフが表示されている部分に目を移した。
「ほぅ、誕生からもう17年近く通常環境内で成長したというのに、肉体強度、抗体活性度、肉体修復力、体内物質濃度、代謝速度、どれも基準値をクリアしているとは、なかなか面白い。」
彼の視線はさらにデータを追って移動する。
「ふむ、じっくり検討してみなければ解らないが、これならば十分に条件はクリアしているだろう。早速本格的な実験の準備に取り掛からねばな。…いや、しかしそれにしても良いサンプルが手に入った。もう生きてはいないと思っていたが。…しかもこれは…。ふむ、私もなかなか運が良い。」
しかし、そこで彼は少し苦々しい顔になる。
「しかし、少々派手な手を使ってしまったのが悔やまれる。おそらくセラフィムの手が回ってくるのも時間の問題か…。だが、神童の手を借りるわけにもいくまい。今奴に関わると面倒な事が多すぎる。」
と、彼は何かに気付いたようで、薄い笑みを浮かべる。
「そうか、あの時は特に使い道も思いつかず捨て置いたが、折角の拾い物、使わねば損か。…まぁ、時間稼ぎくらいにはなるであろう。」
そう呟いて、彼は早足に部屋を去った。しかし、思わず独り言が口から漏れていた事に、彼は気付いてなかったであろう。そして、それを聞いている者がいた事にも。
「いやぁ、あんたも運が悪いっすねぇ…。せっかっく自由な生活を手に入れられていたというのに。…正直なんかしてあげられたらとは思うっすけど、…残念ながら今の俺にはどうしようもないっす」
某が去った後部屋に現れた一人の男、グリーンファントムは、しばし少女を見つめた後、部屋を去った。
彼がどんな顔で彼女を見ていたのかは、分からなかった。

デモンパラサイト小坂シリーズ第131話
『揺籃の謳 - Das Wiegenlied』

<登場人物・セラフィム>
文楽座 瑠璃(ウォーコイト・ドラグーン/ゴンタ)
激情の文楽座家長女。
ときに語調が荒くなるが、大切な人を思うが故である。

文楽座 瑪瑙(ファランクス・カラドボルグ/GETTA)
英断の文楽座家次女。
素直な思考と観点を持ち、その行動に迷いなどはない。

東郷 征斗(ドラグーン/東京)
情念の若きカリスマ。
冷静さを失わない言動とは裏腹に、熱き思いを秘めている。

日森 篤(クレイモア・バルディッシュ/朱雀)
天啓の現人神。
全てを見通す目でも見えないものがあるからこそ、行動する。

佐藤 唯(アルバレスト/mono)
恩讐の女性探偵。
失うことを知っているからこそ、出せる力がある。

海間 留衣(ブリガンダイン/安綱)
厚志の女子高生。
誰かの力になれるというのは、それだけで素晴らしい事である。

<登場人物・明けの明星>
近衛 りる(カラドボルグ・バルディッシュ)
特別児童擁護団体「明けの明星」に所属する少女。
エンブリオ計画の実験体である事が発覚。120話にてDr.某に捕らえられてしまった。

シュテファニア=エル=ヴァイゼンフェルト(モリオン)
特別児童擁護団体「明けの明星」の代表を務める独逸人女性(少女?)。通称ティファ。
かつてR.O.H.時代Dr.某と同じ研究班の一員だった過去を持ち、その時の後悔から悪魔憑きに関わった所為で孤児となった子供を支援する団体を結成した。
現在行方不明。

葉原 秋人(ウォーコイト・ショーテル・カラドボルグ)
特別児童擁護団体「明けの明星」に所属する青年。
現在行方不明。

<登場人物・その他>
グリーンファントム(バルディッシュ・ショーテル)
Dr.某の実験体、宝石シリーズの一人。実は動物。
一応任務はこなすものの、某に対して忠実というわけでも無い様である。

雨傘 揶闇(???)
全てが謎に包まれている少女。
好奇心、ただそれだけが彼女を動かす。


~第一幕~
明けの明星が襲撃され、近衛りる、葉原秋人が行方不明。おそらく二人を捜す為であろう、それを追うように姿を消したシュテファニアエル=ヴァイゼンフェルト。
あの事件から、早くも2週間が経過していた。
セラフィムメンバーによる捜索は続けられていたが、進展はほとんど無い。集まった情報と言えば、りるが連れ去られたと思わしき時間帯に白髪の少女が目撃されている事くらいである。というのも、一般人に大きな被害が出たわけでもなく、直接セラフィムに被害の来ていない事件であるという事がセラフィムメンバーのモチベーションの低下に繋がっているのである。
そんな中、焦りを覚えたジョーさんは今一度、頼りになりそうなメンバーを集結させた。

セラフィムに集められたのは、文楽座姉妹と東郷、日森、唯、瑠衣である。
聞き込みなどは既に行ってみたが収穫はない。何か個人的な情報網はないかというジョーさんに対し、日森は千呪院に直接電話をしてみる。が、収穫は無し。と言うより逆に情報を与えてしまう事に。
しかし、当然と言うか何と言うか、この件にやはり千呪院はノータッチのようだ。
また、ジョーさんに今回の件に関して瑪瑙をどうするかと問われる瑠璃。そして瑠璃は全てを話す決断をする。

~幕間~
小坂付近某所。
シュテファ二アはオープンカフェのテラスに腰掛け、情報を整理していた。 
この2週間、彼女は嘗ての某の研究所を調べていた。
どうせ通常の方法でたやすく情報が手に入ってくるとは思っていない。それならば、自分のみが知りうる情報、すなわち嘗て某と肩を並べて研究していたからこそ知りうる情報をあたってみるしか無いと考えたのである。
しかし、結論から言えばそれは全くの空振りに終わっていた。なにせ、自分と某に親交があったのはもう数十年も前の話である。研究所のほとんどは場所が変わるなどして今はもうそこには無いのが現実であった。
そうはいっても、それしか手がかりになるものは無い。むしろ、某の行動パターンを良く知る自分であればこそ、りるの身が案じられた。それに、もし秋人も某の元なら、もうどうなっていてもおかしくは無い。
焦る気持ちを抑え立ち上がろうとした彼女は、いつの間にか正面に見知らぬ少女が腰掛けているのに気付いた。
確かに今は落ち着きを失い、疲労もあるが、それにしても自分が誰かの接近に気付かないなんて信じられなかった。しかし、目の前の少女はそんなティファの動揺に薄い笑みを浮かべているだけである。
「座っては如何です?」
余裕の表情の少女に対して何か言おうと試みて、しかし何も言えず、ティファは仕方なく腰を下ろした。
「始めまして、私、雨傘揶闇と申します。」
「…始めまして。」
若干笑みが引きつるのを感じながらティファは応じた。
「…ふふ、まぁ、お急ぎのようですし早速本題にいかせていただきましょうか。」
揶闇は一拍の間を置いて話し始める。
「あなたのお探しの子達、どこにいるか教えて差し上げましょうか?」
「知っているの!?」
思わず机に手を突いて立ち上がるティファに周囲の視線が集まる。
ティファは若干頬を赤らめながら再び腰を下ろした。
「どうして知っているの?…まさか貴方は某の仲間!?」
「いいえ、仲間ではないわ、敵でもないけれど…」
揶闇の余裕の表情は崩れない。ティファはそれが気に食わなかった。
「まぁ、いいわ。それで、それを私に信じろとでも…?」
「いいえ、信じるも信じないも貴方の勝手。お好きにどうぞ?」
そう言って揶闇は立ち上がる。その手からティファに一枚の紙が放られる。
「でも、そんな悠長な事は言ってられないでしょう?だって、あの子はあなたの…」
風にかき消された揶闇の声は周囲の誰にも聞き取られる事は無かったが、ただ一人、それを聞いたティファは驚きに目を見開いたまま去りゆく彼女の後姿を見送った。

~第二幕~
ジョーさんとの話の後、瑠璃は様子が気になり小恋亜の元へ。留衣と、電話を終えた日森が同行する。
現在明けの明星の施設は修復工事中なので、院の子供や職員は小坂のいくつかのマンションや公民館等に分かれて生活している。小恋亜は秋人の家に職員の女の人と2人で住んでいるらしい。
家に着くと丁度職員の人は買い物に出る所で、事情を話す瑠璃に喜んで留守を任せる。どうやらりると秋人が行方不明になってから小恋亜は塞ぎ込んでしまっているようなのだ。
塞ぎ込みやつれている小恋亜を叱り、諭す瑠璃。そして抑えた感情が決壊して泣き出す小恋亜。あまり何も食べていないようなので日森が自慢の腕を振るう事に。
そこで小恋亜から興味深い話を聞く。なんでも、職員の人が駅前商店街で秋人らしき人影を見たと言うのだ。その真相を確かめるべく、早速日森と留衣は職員の人に詳しい話を聞き、唯を加えて商店街で聞き込みを始める。
一方瑠璃は秋人のPCを調べる事に。厳重にロックがかかっていたのだが、謝りつつも尽く解除する瑠璃。そしてデータフォルダから履歴から何もかもを調べる。が、収穫は今ひとつ。と、思ったところでシークレットファイルを発見する瑠璃。神懸かった情報操作で中を覗くと、それは秋人の日記だった。
日記の内容は兎も角、その日記は「花園院事件(120話参照)」の起こった翌日から付けられているのだが、それ以来十数年、一日も欠かされる事無く付けられている。もちろん、何か事件やトラブルが起きた時もである。しかし、その日記が2週間前からは全く付けられていない。不審に思う瑠璃。
ともかくそれ以上の情報が得られそうにないと考えた瑠璃は、一応りるの部屋も軽く調べた後、まだ元気の無い小恋亜を連れて帰宅。小恋亜は茜と打ち解けて仲良くなり、幾分元気を取り戻した模様。
因みに、丹念に聞き込みを行った3人であったが、有力な情報は得られず。

~幕間~
その晩、瑪瑙にもう一人姉妹がいる事を、そして、あわよくばその子も交えて暮らしたいと願う事を告げる瑠璃。本人にしては一世一代の大告白であり、一応瑪瑙も理解してくれたようであったが、いかんせん酒の力に頼っては…。


後半へ続く。

これで思い残す事は無い by k (131話:後半)

2008年01月14日 22時58分18秒 | TRPG関連
~第三幕~
翌日、セラフィムの元に一本の電話が。それは秋人に渡してあったプリペイド携帯からのものであった。
すぐさま応答すると、掛けてきたのはどうやら秋人本人のようである。
今まで連絡もせず何処に行ってたのかと咎める瑠璃に、済まない、調査に専念していたという秋人。しかし彼が言うには、りるがさらわれたであろうDr.某の研究所の所在地がわかった、今回は失敗しない為にも皆の力を貸して欲しい、研究所まで案内するから、とりあえず一旦集まってくれないか?との事。
しかし、疑いを持つ瑠璃。連絡はしないくせに日記の更新は欠かさなかったのねとカマをかける瑠璃に、日課だからねと答える秋人。
その返答で秋人が偽者もしくは操られていると判断した瑠璃は、万が一の事を考えて瑪瑙を小恋亜の護衛に、唯に頼んでもらって9課の人たちに明けの明星関連の施設の警護にあたってもらい、自らは残りのメンバーと共に秋人の指定した場所へ。

一応日森が遠視して見るも、パッと見は一人でいるように見える。
周囲を警戒しつつ近づいた一同に朗らかに挨拶し話し始めた秋人を、しかし瑠璃は皆まで言わせずいきなり攻撃。そして戦闘開始。
物陰から現れたブラジオンアサシン4体と超暴走状態の秋人を相手に若干苦戦する一同であったが、撃破。秋人は気を失って倒れた。

~幕間~
「それでは搬送は任せる。私は先に行って実験の準備に取り掛かる。くれぐれも失敗の無いように。」
「わかったっす。」
答えるグリーンファントムを見もせず、某は去る。よっぽど実験に興味を奪われているのだろう。
某が去った後、彼は、硬質の布に包まれ、その周りを太い金属製のベルトで何重にも巻かれた有様の少女に目を向ける。
「毎度の事ながら、嫌な仕事っす。」
ポツリと漏らした彼に寄る影が一つ。
「おぅ!グリーンファントムじゃねぇか。どうしたんだ、シケた面しやがって。…ああ、すまねぇ。シケた面はいつもの事だったか!」
「ああ、ルチルさんじゃないっすか。お久ぶりっす、帰ってたんですねぇ。」
「おう、今丁度任務を終えたところだ。…てめぇはこれからか?」
「まぁ、そんなところっす。」
本当に、いつも以上にシケた面をしているグリーンファントムに、ルチルはかける言葉が見つからなかった。
なぜなら、多分、彼女も彼と同じ事を思っていた。

~第四幕~
セラフィムに戻って意識を回復させた秋人を問い詰めるも、この2週間の間の事は何も覚えていないとの事。
だが、念を入れて警備にあたらせたところは音沙汰無かった為、どうやら秋人の役割は時間稼ぎの様に思われた。
こうなれば一刻も早くりるの居場所を突き止めないとと焦る一同だったが、現実問題調査は振り出しに戻ってしまっている。どうするか、と悩む一同のもとに一本の電話が。
電話の主は千呪院。何でも、小坂から少し東に行った辺りの山間部にあるDr.某の研究施設に動きがあったらしい、と、先ほどの情報のお礼のつもりか教えてくる。しかし、所詮は敵勢力の幹部の言う事。どこまで本当か怪しいと思う一同であったが、それしか手がかりが無いのが現状である。しかたなく、操られた後遺症で思うように動けない秋人はセラフィムに残して、山間部へ向かう。

~幕間~
グリーンファントムは目的の実験場へ、りるを搬送していた。
ヘリの荷台には少女が乗せられている。
「ふぅ、めんどうっすね。…ってうおぁ!」
研究所が見えてきた、と思ったとき眩い光線がヘリを貫いた。反応している暇も無かった。ヘリは真っ直ぐに墜落し、大破する。
「いったいなんなんすかぁ!」
慌てて飛び出したグリーンファントム。正面を見ると、10メートル程先に一人の少女が立っていた。年の頃13、14の外人の少女は、明けの明星の代表、シュテファ二ア=エル=ヴァイゼンフェルトだ。確か某の元同僚と記憶していたが、これ程の実力の持ち主だとは思わなかった。
「…りるちゃんは返して頂きます。」
「あ~、そうしたいのはやまやまっすが…」
そのとき無音でヘリの荷台から飛び出して来る者があった。銀の髪の少女、アゲートである。アゲートの右腕は刃物のように変質しており、さらにその左腕にはりると思しき簀巻きが抱えられている。
「まぁ、そういう事っす。ここは素直に引いて…」
そうグリーンファントムが言うとほぼ同時に一条の光線がアゲートを襲う。すかさず回避するアゲートだったが、そのときには既に飛翔したティファが寸前に迫っている。回避しきれず衝突した二人は錐揉み降下し、そのまま地面でもつれ合う。
アゲートの手からりるが離れる。りるは地面を転がり、そして誰かの足に当たって止まった。
「ふむ、やはり年老いると嘗てのような力はだせないものだな、シュテファニア=エル=ヴァイゼンフェルト。」
それは、某であった。
「しかし、君はあのときから年齢とは似合わないほど若く美しかったが、さらに若返ったのではないか?道理で気付かないはずだ。一体どういう仕組みになっているのかね。面白い、下らない。」
「某…」
ティファの表情が歪む。
「兎も角、君も来たまえ。…君とてこの状況は分かっているだろう…?それとも、大事なこの娘を傷つけられても良いのかね?」
その言葉にティファは某を強くにらみつける。
「…どちらにせよ、その子は貴方の実験台にされてしまうのでしょう?…なら、いっそ私が…!」
「ほう、君がそんな事を言うとは、面白い、馬鹿馬鹿しい。…では是非やってもらおうか。」
そういって某はティファに向けてりるを差し出す。ティファの右手に光が集まる。が、しかし、それは急速に力を弱める。
「…ごめんなさい、りる。やはり私にあなたは…」
ためらったティファに、後ろから接近したアゲートが一撃。昏倒させる。
「やはり、そんなものか。…しかし、これだけ派手にやられてしまってはセラフィムの者に見つかるのも時間の問題か。…ふむ、どうするか…」
研究所の方向へ運ばれてゆくりるとティファ。その様子を一匹の黒猫が見ていた。

~第五幕~
山岳部付近に来ていたセラフィムの一同は、一条の光を目にする。あわてて行ってみるとそこには墜落したヘリと足跡が。
足跡を追うと、一軒の古びた建物があった。周囲を警戒しつつ侵入した建物内部床には大きな扉。どうやら地下施設らしい。
と、その時どこからか声がかかる。見ると、窓辺に一匹の黒猫が。雨傘揶闇である。
「ふふ、本当に人間って面白いわね。…ああ、急いだ方が良さそうよ。取り返しのつかなくなる前に。」
意味深な言葉を残して去る揶闇であったが、追う訳にもいかず、仕方なく先を急ぐ一同。思い扉を開け、階段を下ってゆく。
だが、しんがりの唯が階段を下りきったその時、閉まり始める扉。その隙間から一瞬、白髪の少女が伺えた。しかしもう間に合わない、と誰もが思ったが“超疾走”を使用した瑪瑙が飛び出す。そして大きな音を立てて閉まる扉。
瑠璃は事前に瑪瑙に渡していた人形を通じて、追うな、と瑪瑙を諌めるが、無視してアゲートを追ってゆく瑪瑙。
仕方なく一同は奥を目指し進む。

研究所の最奥部は少し開けた空間になっており、そこにいたのはDr.某とティファ。
瑠璃が呼びかけるも、反応の無いティファ。どうやら操られている様だ。
そして二人の後ろには頑丈そうな扉が。その向こうにりるがいる事は容易に想像できた。
「少々お遊びに付き合ってもらおう。」
そう言って攻撃してくる某の姿をした人形。
“捕食融合”で強大なエネミーを取り込み強化された某人形と、超暴走状態から“連続攻撃”と“光線連射”を組み合わせた4回攻撃に、すべて“全力攻撃”をのせてくるティファ。さらに飛行し、行動値と回避力も高く、範囲回復も持ち合わせている。
苦戦する事は明らかだったが、しかし、“致命的失敗”を繰り返してしまうティファ。おそらく彼女は操られている事に抗っているのだろう。もしかしたら瑠璃の声が届いていたのかもしれない。そして、瑠璃の渾身の一撃で背後の壁ごと吹き飛ばされるティファ。

その時、破られた壁の向こうから現れる人影が。それはりるであった。どうやらヘリが墜落した際に拘束が緩んでいたらしい。
倒れているティファを見て、どうしてそこまでするのかと問うりる。ヘリの所での事も聞いていたが、私なんかの為にそこまでする理由がわからない、と。
しかし、それに答えたのは某であった。
「何だ、知らなかったのかね。彼女は君の母親だよ。」
そこで意味深な笑みを浮かべる某。
「人間とは複雑に見えても、本当は解り易い生き物だ。やはり、我が子が一番かわいい。…件の事件の時とて、他の子を犠牲にして我が子を助けたのではないかね?」
その言葉に、「そんなはずはない」と憤る瑠璃。そして、一瞬呆然とするも、某への怒りをあらわにするりる。
しかし、そんな二人はよそに某は去る。りるは追おうとしたが、瑠璃が身体を張って止めた。

因みに、“超疾走”を使用するアゲートを“超疾走”を使って追っていた瑪瑙は、遭えなく衝動限界を向かえ取り逃がしてしまっていた。

~終幕~
とりあえず、無事事件は解決された。
りるの心には深いトラウマが刻まれてしまったかと思われたが、彼女は表面上は何も無かったかのように振舞っている。
しかし、同じ様な体験にあった事のある瑠璃は彼女の心中を察したようだった。
去り際、背を向けたまま「ありがとう」と小さな声で言うりる。
セラフィムと明けの明星の完全協力体制も整い、万事はうまくいったかに思えた。

ただ、某に対する復習心が、彼女に深く根付いたのは確かだった。

ねこねこファンディスク4

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