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時にはかわいい一面も見せてみる By朱雀

2008年01月18日 00時08分07秒 | TRPG関連
報告が遅くなってしまいましたが、例によってデモンパラサイトです。
今回は最近ちょくちょくシナリオに登場してはいるものの、全くスポットが当たっていなかった『彼女』が引き起こした事件に関するお話です。


――小坂某所。
1人の女性が自宅へと帰ろうとする、その帰り道のことであった。
年齢は20代半ばといったところだろうか、身長は180cm近くあるが、よく引き締まった体格をしており、筋肉質な印象は受けない。要するに、スタイルがいいのだ。
彼女は自分の特技を活かし、脚で稼ぐ仕事をしている。とは言っても、別にモデルでもなければ刑事でもない。
彼女の仕事は、言ってみれば情報収集だ。その広大なまでの行動範囲と機動力で、リアルタイムの情報を集め、報告する。
彼女の名は天見悠羽。R.o.P十二神将・卯の席に座る悪魔憑きである。

天見「ふぅ、今日も1日中あっちこっち走り回ったから疲れたぴょん」

……まあその、だからってこれといって威厳があったりするわけではないのだが。


デモンパラサイト 小坂シリーズ第134話
「絆と鎖」

天見 悠羽(バルディッシュ 8/ドラグーン 7/ファランクス 7)
くどいようだけどR.o.P十二神将の1人。
R.o.H 衰退期に生まれたTシリーズと呼ばれる一連の実験体の生き残りの1人で、バリオスを凌ぐ機動力を持つ。
普段は人間の姿で過ごしているけど、その正体は文字通りウサギ。
こう見えて意外と年頃の女の子らしい一面も持っているらしい。
そういえば、ウサギって寂しくなると死んじゃうって本当なんですかね?


天見はいつものように自分の暮らすアパートに戻ろうとしていたところ、その途中にある空き地で「あるもの」が目に留まり立ち止まった。打ち捨てられるように停められた1台の廃車の下から、1匹のハムスターが顔を覗かせていたのである。
思わず近づき、そっと抱き寄せてみる天見。
ハムスターは特に抵抗する様子もなく、むしろ彼女の掌の中でころころと懐いているようですらある。

天見「……えへへ~♪」

拾い上げたハムスターを胸元で抱きしめ顔をほころばせながら、天見は再び帰路についた。

天見「――――師っ匠~~!! この子ウチで飼ってもいいですか~~?」
師匠?「あらあら、ケダモノ風情が何を言ってるのかしら」

……えっと、まあ、一瞬で女の子女の子した雰囲気からスピンアウトした気もするけど、気にしない方向で。あと天見の師匠とかいう存在にも今回はノータッチで。


そしてそんなことがあった数日後のある晩、突如小坂のあちらこちらで連続して小規模な停電事件が発生した。
幸い大事に至ることはなかったものの、断線した電線にはネズミか何かによって齧られたような跡が残っており、時にはアスファルトの下に埋まっていたはずなのに、ものの見事に引きずり出されて食い荒らされているものもあった。
数少ない目撃者の証言によると、通常より一回りも二回りも大きなネズミとともにふらふらと歩いてゆく女性らしき影を見たというのだが……


登場PC
紅 麗美(ファランクス 7/カラドボルグ 6) PL:ゴンタ
見た目は子ども、中身も子ども(殴打 な永遠に幼い自称気高き吸血鬼。
十五夜さんのかつての同胞が引き起こした事件ということもあって、心持ちカリスマ度高め。
衝動効果も含めて射撃攻撃命中値50って何ですか?

猿渡 次郎(ヴォージェ 7/ドラグーン 6) PL:ミドリ
見た目はともかく、頭の中身がどうにもアレな感じの猿渡組8代目組長(予定)。
大切な世話係がやられたとあっちゃあ、さすがに黙ってません。
最近以前にもまして動向がアレなので、とうとう親父から大目玉を食らいました。

文楽座 瑪瑙(ファランクス 8/カラドボルグ 7) PL:GHETTA
見た目は武人、中身も武人なせいか、最近目に見えて知力が下がってる気がする文楽座家次女――って今回はこんなのばっかりか!
何のためらいもなく、他人の家の引き出しを《開錠触手》使って漁りまくり。
手癖は相当悪い方です。間違いなく。

朝峰 燈馬(アルバレスト 7) PL:00doll
見た目は若き青年探偵、中身は日林の一番弟子な開店休業状態探偵。
久しぶりにまともな仕事の電話がかかってきたと思ったのに、停電でパーになってしまいました。残念。
伝家の宝刀《射撃反撃》が火を噴くのは一体いつの日になるのか?


話は少しさかのぼって新年早々。
三が日も過ぎるか過ぎないかという日に紅邸を訪れた天見。
数少ないTシリーズの生き残りのよしみで、わざわざ年賀状を届けに来たらしい。

麗美「十五夜、知ってる人?」
十五夜「……ええ、まあ。どうも私と同じように研究所で実験された子の1人らしいのですが……」
麗美「? 何か問題でも?」
十五夜「(年賀状を横目に見ながら)……R.o.Pにお世話になってると思いっきり堂々と書いてあるんですけど……」
麗美「ぶっ!? というかそもそも、なんで年賀状をわざわざ手渡しに来るのよ?」
十五夜「確か、ものすごく寂しがり屋だったので、そのせいかも……」
麗美「…………」

色々腑に落ちない点はあったものの、突然の来訪者が十五夜と同じような境遇にあった者だということもあって(それ以前に人畜無害そうに見えたこともあるが)、麗美は天見に、今後も来たい時に紅邸を訪ねてくれて構わないと告げる。
麗美の申し出に天見は目を輝かせ、必ず近いうちに遊びに来るからと言って帰っていった。
しかし、それほど目を輝かせていたにもかかわらず、以来紅邸に天見が訪れることはなかった。不自然というほどのことでもないが、一体どういう心変わりなのか。


話は現在に戻って場面は小坂市のとある一角。
次郎はマサさんと一緒に街中をぶらついていたところ、ふと路地裏にどことなく挙動不審な女性が物陰に屈みこんでいるのを見つけ、好奇心から声をかけてみる。
次郎は覚えていなかったが、(後で確認した結果)女性は天見であり、彼女の足元では1匹のハムスター(というには余りにも大きかったが)がむき出しになった電線か何かを旺盛に齧っていた。
天見の様子も目に光が宿っていなかったり言葉遣いがいつもと違ったりと、なにやら尋常ではなかったこともあって、ハムスターが電線を齧るのをやめさせようと天見に手を伸ばすマサさん。しかし、次の瞬間悪魔化した天見の反撃を受け、重傷を負う。
さすがにこの事態を見逃すわけにもいかず、次郎も悪魔化して天見との戦闘が始まるが、異様なまでに天見の動きが素早く、カウンター以外の手段で有効打を与えることができず、先に次郎の方が倒れてしまう。
そして天見はハムスターを愛おしそうに抱き上げると、その場から静かに立ち去っていった。
その後、次郎とマサさんは通行人によって発見され、マサさんは病院へと搬送。次郎はマサさんの敵討ちを誓うのだった。

仮にも対立関係にあるR.o.Pは千呪印の配下である十二神将にやられたということもあり、事態を重く見たジョーさん。
麗美らを招集し、停電事件との関係を示唆した上で、天見のこれ以上の犯行を止めるよう指示する。停電事件自体は小規模とはいえ、放っておいていつか治まる類のものではないことは明白だった。

ひとまず、年始に十五夜の元に届けられた年賀状に記載された住所を尋ねてみると、そこは見るからに年季の入った感じの古アパート。大家に頼んで部屋の鍵を開けてもらい、中を覗いてみる。
部屋の中は惨憺としていた。
1DKの小さな部屋のいたる所に大型のネズミのものと思われる齧り跡が刻まれており、1つとして無事な家具・備品はなかった。
部屋の中央に置かれた小さな卓袱台は脚が丸々1本失われ斜めに傾いでおり、1組しか見当たらない食器の類は、縁が半分以上欠けていた。
部屋の片隅にあるブラウン管式のテレビはその4分の1が抉られたように消え失せ、内側の基盤や配線の無残な姿を晒すだけに留まらず、電源が入れっぱなしなのか、時折画面が明滅したり火花が飛んだりしていた。
部屋同士をつなぐ数少ない扉も被害から免れることはできず、部屋の内側に面したドアノブはすっかり失われ、床にはその残骸と思われる金属片が数個転がっていた……。

そこに生活感といったものは欠片も感じ取ることができなかった。
既に住居としての機能は失われ、廃墟の様相を呈していた。

麗美「……これは……あまりに酷いわね……」
瑪瑙「とりあえず、手がかりになりそうなものを探しましょう。日記とか……」

《開錠触手》を駆使して天見の最近の動向を記した記録がないか探す瑪瑙。
そして、ほどなく1冊の日記帳を発見する。
そこにはここ半年ほどの彼女の日々が綴られており、ほぼ毎日の記録が残されていた。
セラフィムとR.o.Pが協力して真田山の山神を倒しに行ったこと、偵察ついでに魔理亜や“ハクレイ”に会いに行ったこと、つい先日芥が大繁殖したこと、などなど。(ゴンタ「なんかさらっととんでもないこと書いてあるぞ(笑)」)
最後の数日の日記は、主に件のハムスターのことで埋め尽くされていた。
『1月1×日、今日、帰り道でハムスターを拾った。1人ぼっちで寂しそうだったから、こっそり持って帰って飼うことにした。名前は明日にでも改めて考えようっと♪』
『1月1●日、昨日拾ったハムスターはすっかり懐いてくれたみたい。名前は「ちゅう太」に決定!』
『1月1△日、考えてみたら、日中仕事をしている間この部屋にちゅう太を1人ぼっちにしていることに気づいた。ちょっと寂しい思いをさせちゃったかも。明日は1日一緒にいてあげよう』
日記は停電事件のあった日の前日を最後に途絶えており、麗美らはこのハムスターが事件の元凶だろうと当たりをつける。

燈馬「問題は、その天見さんをどうやって捕まえるか、ですね」

データ的なネタバレをしてしまうと、天見は《移動適応+3》に《加速》まで所持しており、移動しているところを捕らえることは非常に難しい(最高時速1050km)。そのため、どこかにおびき寄せてそこで一気に叩くのがベストだと一同は結論付ける。
ここで十五夜が自ら囮を買って出、麗美も渋々これを承諾する。
年賀状の片隅にしっかりと明記されていた彼女の携帯電話の番号に連絡を入れ、周囲に民家のない場所に天見を呼び出すことに。

ややあって待ち合わせの場所に到着する天見。
その瞳は暗く沈んでいて、生気が感じられない。
麗美や十五夜の言葉にも大して耳を貸さず、口元は虚ろな笑みを浮かべている。
件のハムスター“ちゅう太”は、没交渉な天見の背中から姿を現し、それが戦闘開始の合図であるかのように言い放った。

ちゅう太「折角手に入れた使い勝手のいい宿主なんだ。そう簡単に手放してたまるかよ!」

そして最終戦闘・天見VS麗美ら4人の戦いが幕を開ける。
手数で勝る麗美らだが、《超増強液》+《危険感知》で身体能力を大幅に上昇させた天見は、その攻撃を悉く回避。ちなみにどんな攻防が繰り広げられていたかというと、衝動第4段階で「全力」を振った麗美が放った達成値50の射撃攻撃を、天見が達成値51で回避してるような状況。正直異常です。
さらに天見は本来の能力に加え、“ちゅう太”の能力で《連撃必倒》を使用できるようになっており、《連続行動》と併せて1ターン3回攻撃を繰り出してくるトンデモ性能。
とはいえ、効果的成功や致命的失敗だけはどうしようもないため、その隙を突いて、ギリギリのところで次郎がマサさんの仇とばかりに天見を撃破する。

戦闘後、“ちゅう太”を天見から引き剥がしにかかる麗美。
“ちゅう太”の正体は生命を持ったブラックギアス(第40話第70話参照)の改良型であり、より高度な知能を持たされた実験体。とある研究施設から逃げ出してきたもののどうすればいいのか見当もつかず途方にくれていたところを天見に拾われようで、当面の宿主として天見を利用していたらしい。他者と一緒に暮らす方法として彼(?)が寄生以外の手段を知らなかったのが、今回の混乱の原因と言えるかもしれないが、最終的に“ちゅう太”は《魔種吸引》されたことで通常のブラックギアスに戻ってしまったため、彼の人格は消滅してしまうこととなった。

一方の天見は戦闘途中で暴走したこともあり、“ちゅう太”から引き剥がされた後も気絶したままであった。
夢の中で何かにうなされてでもいるらしく、何事かを呟きながら、その眦からは一筋の涙が零れている。

天見「…………お願い……行かないで…………一人にしないで…………」
麗美「………………」

麗美は十五夜に無言で合図し、そんな天見を自宅に連れ帰ることにする。
十五夜のことを慮っての処遇だが、ひょっとすると出逢った当時の十五夜に通じる何かを感じたのかもしれない。

翌日。
紅邸に“カグヤ”と名乗る者が訪れる。
麗美が玄関先に出向いてみたところ、相手はどう見ても人間ではなく、体長7、80cmほどの大きさの日本人形。
『それ』は口元を小刻みにカタカタと動かしながら、天見を引き取りに来た、返してほしい、と言う。
得体の知れない相手なだけに、ハイソウデスカと簡単に天見を引き渡すわけにもいかず、十五夜と天見の間で積もる話があるから今日のところは引き渡せない、と断る麗美。“カグヤ”の方も必要以上の口論をするつもりはないらしく、その場は引き下がる。

カグヤ「それじゃあ、“イナバ”(天見のTシリーズとしてのコードネーム)が起きたら伝えといて頂戴。今日中にあんたの師匠のところに帰ってくるように、って」

その後、目を覚ました天見は十五夜との積もりに積もった20年分の過去話に華を咲かせた。
彼女は“ちゅう太”に取り憑かれていた間のことは覚えていなかったが、十五夜に事の顛末を聞かされ、驚愕するとともに申し訳なさそうに謝り、そして礼を言って帰っていった。



ちなみに、天見が自宅の惨状を目の当たりにして最大級の衝撃を受けるのは、次の日の朝のことだった……。

キャラ的に慣れない姿を見せるとロクな結果にならないってことでしょうかね? 違うか。


(おまけ)“カグヤ”
天見の「師匠」の横にたまにいる(らしい)人形。
見た目は十二単を着た日本人形。
今回は一般人である門番・国中を催眠術か何かの力で操り、紅邸に侵入してきた模様。
しばしば単身で市内のゲームセンターやホビーショップなどに遊びに行っては散財しているらしく、しかもそれらの金は“カグヤ”本人が自分で稼いだ金ではないのだとか。
天見曰く「放浪ニート」。

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