この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

許されざる手記。

2011-01-27 22:09:40 | 戯言
 殺人、強姦致死、死体遺棄の罪で起訴された市橋被告の手記が発売されるそうだ。
 それも大手の出版社である幻冬舎から。

 このことでミクシィの作家志望コミュでトピックが立ち肯定、否定、意見が真っ二つになっている。

 肯定派の意見はこんな感じだ。
○表現の自由というものがあるのだから、殺人犯が本を書いてはいけないということはない。
○経験したことがない人間が書くよりも臨場感がありそうで読んでみたい。
○市橋自身に金銭的な利益がなく、内容にも虚偽がないなら書いてもいい。
○内容が面白ければ良い。
○出版業界も厳しいのだから、仕方ないetc。

 バカ野郎って言いたいね。
 ここで表現の自由という言葉を持ち出している輩はそもそも「自由」という言葉の意味をはき違えているとしか言いようがない(こんな輩が作家志望だというのだから情けない)。
 表現の自由は何人であっても奪われるもんじゃない。それは例え死刑囚であっても例外ではない。
 しかし、自由っていうのは何をしたって自由っていうことじゃないんだよ。
 遺族の感情も一切顧みることなく、まして裁判すら終了していない被告が、己の犯した犯罪を手前勝手にまとめた手記を発表する自由があるわけがないだろう。
 
 市橋自身に金銭的な利益がなければよい、だと?
 本気でそんなふうに考えてるの?
 市橋は何も金銭的な利益を求めて手記を売り出すことにしたにしたんじゃないだろう。この手記が爆発的に売れたらそれで市橋は悦に浸れるんだよ。そんなこともわかんないのか。

 出版業界の置かれている現況が厳しい、っていうことは人並み以上に知ってるつもりだよ。去年もいくつもの出版社が倒産した。
 だが、だからといって売れる本ならどんな企画の本でも売る、ってスタンスでいいのか?
 お前のかーちゃんのケツの穴の写真集が十万部で売れるとしたら、それを売るのか?
 そうまでして本を売って楽しいのか?

 出版社もそうだし、書き手にも、読み手にも言いたい。
 もっとモラルを持て。プライドを持て。そして何より思いやりの心を持て。

 今回の件で第一に考えなければいけないとしたら、それは被害者の遺族に対する配慮だろう。
 自分に置き換えてみればいい。
 もしあなたの大切な人が凌辱され、殺害され、遺棄され、その犯人から何の断りもなく「今度事件について手記を書くことにしました。つきましては本の売り上げはプレゼントしますので受け取ってください。」などと言われたら。
 ラッキー♪売り上げはいくらかな~。手記を出版してくれた出版社には感謝感激雨あられ♪
 などと思うと本気で思ってるのか?
 面白かったらいいとか、臨場感がありそうだとか、バカじゃないのかと言いたいよ。悪趣味も程々にしろ。
 世の中には許されざる手記もあるということを知るがいい。
コメント (5)
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