この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

『ロビン・フッド』、ド迫力の合戦シーンと薄っぺらい、、、。

2011-01-07 22:49:37 | 新作映画
 リドリー・スコット監督、ラッセル・クロウ主演、『ロビン・フッド』、12/11、ワーナー・マイカル・シネマズ筑紫野にて鑑賞。2010年48本目。


 リドリー・スコットとラッセル・クロウの五度目のタッグだそうです。
 う~~~ん、『グラディエーター』以外で何があったんだっけ???
 誰か素でわかる人、います?(A.公開順に『グラディエーター』、『プロヴァンスの贈り物』、『アメリカン・ギャングスター』、『ワールド・オブ・ライズ』、そして『ロビン・フッド』の計五本。)

 五度目のタッグというだけあってさすがに両者の息はピタリと合っているように見えます。
 リドリー・スコットは役者としてのラッセル・クロウの良さを引き出していると思うし、ラッセル・クロウはラッセル・クロウでリドリー・スコットの期待に応え、ロビン・ロングストライドというキャラクターを演じていると思います。

 ただ、如何せんロビン・フッドを演じるには、特にビギニングであれば、クロウでは些か年を食いすぎ、、、というのはどの映画レビューでも言われていることだし、第一本人たちも充分わかっていることでしょうから流すことにしましょう。
 彼らにしてみれば『グラディエーター』の栄光よ、再び、ってことでしょうし、どうせ歴史劇を作るのであればシリーズ化を見据えるのも当然といえば当然、だとすれば『ロビン・フッド』に目をつけるのも頷ける話です。

 しかし、それでも何ていうか、ビギニングとはいえキャラクターが薄っぺらすぎのです。
 主人公であるロビンはいいのですよ。弱きを助け、強きをくじくという従来のイメージがあるから、あまり捻らないでも。

 でも彼以外のキャラクターがことごとく描き込まれてないんですよね。
 一番顕著なのは獅子身中の虫であるゴドフリーかな。
 彼はジョン王の旧友であると同時にフランス王フィリップの密命を帯びた奸臣でもあるのですが、王の信任を得て好き勝手に権力を行使できるのであれば、あえてフィリップに祖国を売り渡さなくてもいいじゃんって思うんです。祖国を売り渡すなら売り渡すで、何かしら理由が必要ですよね。イギリスを心の底から憎悪してたとか、フィリップに対して大恩があるとか。でもそういったことが一切描かれないので、彼がなぜそうまでして悪事を働くのかさっぱりわからない。
 なので脚本にそう書かれてあるからそうしているだけとしか思えない。

 同じことはヒロインであるマリアンにも言えて、彼女はクライマックスのドーバー海峡岸辺での合戦に女だてらに乗り込んでくるんですが、観ていた人は全員「えぇ?」って思ったのではないでしょうか。
 男勝りな性格であることこそ描かれはしてもそれまで剣を振るうシーンとか一切ないですから、あまりに唐突です。

 こんな感じでキャラクターが揃って薄っぺらいんですが、でも、合戦シーンはさすがに迫力があります。戦闘シーンを撮らせればやはりリドリー・スコットはスゲーなぁと思わずにはいられません。
 しかし、仮に続編が作られるとしたら、この先シャーウッドの森の中でのちまちまとした戦闘ばかりで、リドリー・スコットも腕の振るいようがないんじゃないのかなぁと思う自分は少しばかり先走りすぎでしょうか。笑。


 お気に入り度は★★★、お薦め度は★★★(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
コメント
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