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この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

『アルバトロスは羽ばたかない』、2010年マイ・ベスト・ミステリー。

2011-01-11 22:16:44 | 読書
 七河迦南著、『アルバトロスは羽ばたかない』、読了。


 以前に比べて読書量がすっかり減ってしまった。
 映画と違って詳細な読書録はつけていないので正確なところまではわからないけれど、以前はもっと頻繁に図書館に通い、本を読んでいたように思う。

 ただ、読書というのは読書量がすべてではないとも思う(同じことは映画にも言えるわけだが)。
 一冊の本が記憶のウェートを多く占めれば、あえて多くの本を読む必要もあるまい。それで十分に心は満たされ、読書ライフは充実する。

 2010年、それほど読書量は多くない自分の読書ライフを充実したものにしてくれたのが七河迦南の『アルバトロスは羽ばたかない』だ。

 七河迦南という名を聞いたことがある人はさほど多くないだろう。
 何しろ作家としてはこの『アルバトロスは羽ばたかない』が二作目、まだデビューしたばかりのひよっこだ。

 だが断言しよう、彼は(プロフィールは一切不明なので彼女かもしれない)必ずや遠くない将来、著名な作家になるであろう。ミステリー作家としての才能は東野圭吾にも勝るとも劣らないものがあると断言する。

 ぶっちゃけいってデビュー作である『七つの海を照らす星』は新人にしてはよく書けているな、ぐらいにしか思わなかった。
 だが本作は“新人にしては”などという括りは不要だ。
 最終章で明かされる、転落事故の意外な真相ときたら、まさに衝撃だ。結末が意外な小説というのはままあるが、これはその中でもトップクラスと言っていいだろう。

 一つだけ注意しておきたいのは、本作を読むに辺り、必ず前作『七つの~』を先に読まなければならない。なぜなら前作は本作のプロローグ的な役割も果たしているのだ(そういった意味で本作を読んで前作に対する評価もさらに上がった)。
 二作を続けて読めば、必ずや衝撃を受けることだろう。そして絶対にこの続きを読みたくなるはずだ。

 自分は本作をあまりに気に入ってしまったのでミクシィにおいて七河迦南のコミュまで作ってしまった。
 が、悲しいかな、ミクシィに登録している読書家は揃いも揃って盲なのか、それとも管理人が気に入らないのか、七河迦南コミュのメンバーは設立一か月を経てまだ二人しかいない。
 ミクシィに登録している、読書が趣味という方は、是非とも七河迦南の著作を読んでコミュに参加してほしい。
 切にお願いする。
コメント (5)
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