アリの一言 

天皇制、朝鮮半島、沖縄の現実と歴史などから、
  人権・平和・民主主義・生き方を考える。
   

「命どぅ宝」の石碑が発信する”沖縄の心”

2013年06月20日 | 日記・エッセイ・コラム

PhotoPhoto_2 戦後68年の「慰霊の日」を前に、最激戦地南部の摩文仁の平和祈念公園にまた一つ、ぜひ訪れたい場所ができました。「命(ぬち)どぅ宝」の石碑です。6月9日に除幕式が行われました。私はその前日に訪れ、建設実行委員会の、垣花豊順さん(79、弁護士)の説明を聞きました(写真左)。
 「命どぅ宝」の石碑は高さ1・7㍍、幅1・6㍍。沖縄特有の赤瓦と御影石で作られています。表には「命どぅ宝 命こそ 最高の 宝である」の言葉と、その下に沖縄を赤くした世界地図。そして裏には、「戦争は終わった 平和は人の心でつくる 命こそ究極の宝」と、日本語、英語、韓国語、中国語の4カ国語で記されています。垣花さんによれば、日本国憲法、ユネスコ憲章、世界人権宣言などに示された「個人の生命こそ最高の宝」という理念を沖縄から世界に発信しようという趣旨です。碑は有名な「平和の礎」の入口に建っていますが、これには意味があります。「平和の礎」は「平和の波よ永遠なれ」の気持ちを表し、国籍・人種を問わず沖縄戦の犠牲者の名前を刻んだものですが、それがどのような基本的理念で造られたものかは政治的な思惑もあって表示されていません。それを初めて表したのが「命どぅ宝」石碑なのです。この石碑によって、「平和の礎」に、さらに平和祈念公園に、魂が入れられたと言えるでしょう。
 碑はシンガー・ソングライターの石原エミさん(71)が提唱・尽力し、実行委員会(会長・加藤彰彦沖縄大学長)が市民の寄付などで10年越しに実現しました。5年間は実行委が管理し、その後は糸満市に寄贈されます。加藤会長は除幕式で述べました。「この石碑は小さいが、込めた県民の思いは、時代や国の違いを超え、普遍的な真理として、世界に広がっていくと信じます」
 「命どぅ宝」は沖縄の平和・人権運動の旗印で、”沖縄の心”を表す言葉です。その石碑がいま、平和祈念公園の中心に建てられたことの意義をかみしめたいと思います。

 <今日の注目記事>(20日付琉球新報1面トップ)

 ☆<与那国自衛隊配備 町有地賃貸年1500万円 町議会できょう可決
    21㌶、計画加速へ>

 「防衛省の与那国島への陸上自衛隊監視部隊と航空自衛隊移動警戒隊の配備計画をめぐり、与那国町と同省の町有地賃貸契約案が19日分かった。町有地21・4㌶を年間約1500万円で貸し出す。町は20日の町議会に契約に関する議案を提出。同日中に与党の賛成多数で可決する見通しで、両者は早期の契約締結を目指す。外間守吉町長の自衛隊配備への「協力費」10億円の要求で一時滞っていた自衛隊配備計画が一気に加速することになりそうだ」
 自衛隊配備には与那国町の約半数の有権者が反対署名を提出しています。民意無視も甚だしい動きです。反対派と賛成派と現職の出馬が予想されている8月11日の町長選が天王山になります。

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